▲令和6年度 産業標準化事業表彰 「イノベーション・環境局長表彰」 の賞状を受け取る
当社 研究開発本部 通信・映像標準技術研究所 主任研究員 中條 健
経済産業省が主催する令和6年度 産業標準化事業表彰において、当社 研究開発本部 通信・映像標準技術研究所 主任研究員 中條 健が 「イノベーション・環境局長表彰(産業標準化貢献者)」を、米国研究所 Systems, Algorithms and Services Researcher 高田 圭一郎が「イノベーション・環境局長表彰(国際標準化奨励者)」を受賞。10月8日(火)に都市センターホテル(東京都千代田区)で表彰式が開催されました。
産業標準化事業表彰は、国際標準化機構(ISO)や国際電気標準会議(IEC)における国際標準策定、国内規格(JIS)策定や適合性評価活動といった産業標準化推進活動に優れた功績を有する方や組織を経済産業省が表彰するものです。「イノベーション・環境局長表彰」は、標準の策定や適合性評価活動に貢献し、今後とも継続的な活動が期待できる方に対し贈られます。
産業標準化貢献者賞を受賞した中條は、20年以上にわたり、ISO/IEC JTC 1/SC 29※1(音声、画像、マルチメディア、ハイパーメディア情報符号化)/WG 11(MPEG/動画専門家グループ)及び、改編後の WG 5を中心とする映像符号化技術の標準化会合にエキスパートとして参加し、AVC、HEVC、VVCなど多くの技術提案活動を行いました。また、VSEI(Versatile Supplemental Enhancement Information、多機能付加拡張情報)規格のプロジェクトエディタを務め、複数の国際標準の技術仕様策定に貢献したことが評価されました。
国際標準化奨励者賞を受賞した高田は、ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 5 と ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 7 の標準化会合にエキスパートとして参加し、VSEIと V-PCC(ビデオベース点群符号化)※2の規格に対して技術提案活動を行い独自技術などで貢献。さらに、ニューラルネットワーク※3ポストフィルタの付加拡張情報(SEI)において、復号側の動作を保証するための複雑度伝送技術導入に貢献し、次世代の 3D 市場で用いられる技術基盤を作ったことが評価されました。
- ※1
- JTC 1/SC 29:ISO、IEC JTC1傘下のSC(Sub Committee)の1つであるSC29はマルチメディア符号化規格の標準化を行っています。そこで取りまとめられたJPEG/MPEGの規格はデジタルカメラやビデオカメラなどのデジタル家電、またスマートフォンや携帯音楽プレーヤなどのモバイル機器など日常生活のいたるところで活用され、AIoTの根幹を支えています。
- ※2
- V-PCC(Video-based point cloud compression:ビデオベース点群符号化):動画像向けの符号化技術を活用することにより、3次元データである点群を符号化する手法。スマートフォンでのリアルタイム動作が可能であるなど動作が軽く、市場での利用が期待されており、高画質化、伝送符号量の削減に寄与しXR(クロスリアリティ)など、実映像にコンピュータ生成の映像を重ねて自由な視点から視聴するようなサービスを実現します。
- ※3
- ニューラルネットワーク(Neural Network):人間の脳内にある神経細胞(ニューロン)と神経回路網を人工ニューロンという数式モデルで表現したもので、データのルールやパターンを自動的に学習する機械学習の一つであり、AI(人工知能)に欠かせない重要な技術です。