- わが家のテレビと空気清浄機は
ダンスの夢を支える“家族”
「ただいま!」
帰宅するなり、美咲はかばんを床にほうり投げると、
テレビを点けてソファに座った。
あのチームをテレビで見られる……と
興奮を隠しきれない美咲。
しかし、テレビは静かにこう語りかけた。
「今日はPM2.5が多いので、手洗いとうがいを念入りにしましょう」
「ママと同じこと言ってるし……」
美咲は急いで手洗いとうがいを済ませると、
再びテレビの前に座った。
画面には大観衆の中でダンスパフォーマンスを繰り広げる若者が映し出されている。
大好きなダンスチームの世界大会の映像だ。
それは、美咲が帰りの電車でスマホを見ていたとき、
COCORO VISIONが教えてくれた番組だった。
美咲は市内の中学校に通う14歳。
とにかくダンスが好きな中学2年生だ。
5歳からダンス教室に
通い続け、
その実力は地元でも少し有名なほど。
もちろん「中学に入ったらダンス部に…」と
考えていたのだが、
運悪く美咲の中学校にはダンス部がなかった。
そこで美咲はダンス好きの友達4人と
ダンスチームを組み、
自主的に練習することにした。
平日の放課後はもちろん、
土日も公園に集まっては、暗くなるまで練習していた。
「将来はプロのダンスチームとして海外で活動しよう」と、
壮大な夢も語り合っていた。
そんな美咲の夢を、家族はいつも応援していた。
絵美は外で練習する娘の体を気づかい、
花粉やPM2.5などの情報を
COCORO AIRで
毎日チェックしては、美咲に注意を促してくれる。
父の健一は、ダンスの大会などがある日は
休日でも朝早くから車を出してくれる。
4歳下の弟、陸は姉の練習をスマホで撮影する係だ。
そしてもう一人、美咲の夢をひそかに応援している
“家族”がいる。
テレビだ。この家のテレビは、美咲がダンスに関する番組が
好きなことを長年の付き合いで学んでいた。
そしてダンスの番組があると美咲のスマホに情報を送り、
見逃しを防いでくれる。
美咲はその情報をSNSでチームのメンバーと共有し、
放送の翌日にはその話題で盛り上がっていた。
ある日曜日の午後、美咲の家にチームの
メンバーが集まっていた。
昨日、公園で撮影した練習の動画を、
テレビ画面に映して全員で見ようと約束していたのだ。
最後の一人が到着したその時、
リビングの空気清浄機が少しパワーを上げた。
「何で私が来たら空気清浄機が強くなるの!」
その言葉にリビングが笑いに包まれた。
「今日は花粉が多いみたいね。
それで外から人が集まってきたから、
ちょっとパワーを上げたんじゃないかしら」
「そんなこと、この空気清浄機は分かるんですか」
「そうよ。うちのは“学習”するんだから。
ダンスには丈夫な体が何よりも大事だから、
部屋の空気はキレイにしとかないとね」
絵美はお気に入りの空気清浄機を誇らしげに紹介した。
「いいなぁ、美咲の家は。
家族もテレビも空気清浄機も
ダンスを応援してくれて!」
「そのうち、テレビがダンスのアドバイスも
してくれたりして。
練習の動画を見て
『そこのロールをもっと速く』とか、
『こっちの曲の方が良いかも』とか」
「テレビがダンスの先生になるってこと?
そんな時代が来たら面白いね!」
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