写真:集合写真

太陽エネルギーを身近に!スマホの街角充電というカタチ ソーラー充電スタンド LN-CA2A

シャープの環境に配慮したモノづくりへのこだわりや開発の苦労話を開発担当者に聞く、シリーズ「ココにもエコ」。今回はソーラー充電スタンド<LN-CA2A>の企画・開発を担当した5人にお話を伺います。
(聞き手:「ココにもエコ」編集担当)

シティチャージへの挑戦

外で待ち合わせ中に、“あっスマホの充電がなくなりそう!”なんて経験はありませんか?今回はそんな緊急事態から皆さんを救ってくれる商品のご紹介です。

上久保(商品企画担当):今回私たちが開発したのは、クリーンな電気をみんなでシェアできる新しい街のインフラ、名付けて「ソーラー充電スタンド」です。太陽光で発電した電気を蓄電池にためて、スマートフォンなどの携帯端末に充電できるほか、夜間も安心してご利用いただけるようLED照明が自動点灯する優れものなんです。

林(商品企画担当):東京にお住まいの方なら、ひょっとすると「あぁ〜あれね!もう使ったよ」という人もいるかもしれません。

写真:上久保さん

以前はイタリアの太陽電池工場に勤務していた上久保さん。シチリアでの暮らしが商品企画に生きています

画像:ソーラー充電スタンドの仕様

ということは、すでに、どこかに設置されているんですか??

林:2015年に、日本で初めて、東京タワー横(10月)、としまえん(11月)にモデル設置しました!※1これは今回ご紹介する商品の前身となるものなんです。

上久保:もともと(公財)東京都環境公社が東京都内に設置する“シティチャージ”を開発する事業者を公募し、これにシャープが手を挙げたのが始まりです。(公財)東京都環境公社からの提案を、シャープの技術でカタチにしました。

※1 虎ノ門ヒルズにもモデル設置(2015年10月〜2016年10月)。

観光やレジャー、商談の合間にちょっとスマホを充電できたらすごく便利ですね!

林:そうですよね。実際に東京タワー横に設置したものを分析すると、なんと最初の1ヶ月間で1,000名以上のご利用がありました!

上久保:自治体などからの反響も想像以上で、問い合わせが相次ぎました。シティチャージはこのモデル事業のみでの設置を予定していましたが、お客様からの強い要望に応えるため、急遽商品化することに決めたんです。

写真:林さん

入社3年目の林さん。“次世代にきれいな環境を残したい”という想いを持って入社したそうです

写真:シティチャージ(東京タワー横)

シティチャージ(東京タワー横)

そこからこのチームでの開発が始まったんですね!╭( ・ㅂ・)و ̑̑

写真:櫻井さん、長谷川さん、串松さん

技術担当に抜擢された3名。これまで、太陽電池モジュールを屋根に固定する架台を設計していました(左から櫻井さん、長谷川さん、串松さん)

串松(技術担当):せっかく「欲しい」という声をいただいたので、できるだけ早くお客様にお届けしたいと思いました。しかし、与えられた開発期間は約半年。正直、焦りましたよ。

通常、発売までにどれくらい時間があるものなんでしょうか?

串松:通常は1年くらい費やしますね。「シティチャージ」がベースになるとはいえ、シャープとしては全く新しいジャンルの商品。急いでチームを結成し、シティチャージをどのようにシャープらしいものにしていくか、議論を重ねました。

櫻井(技術担当):その際には、シティチャージを実際に使用された方々からの声、営業担当が実際に何度も利用することで気付いた改善点なども反映しています。

長谷川(技術担当):いろいろな意見が出る中で、私たちがこだわったのはこの3つです。

画像:1. 充電スポットであることを示す一方で、これまでのソーラーを覆すデザイン 2. 多くの方が充電できるように、当社独自の高効率ブラックソーラーを搭載 3. 台風などによる暴風・豪雨に耐えられる、安心・安全設計

櫻井:既にシャープで商品化済みのソーラー・LED照明灯を参考にはしましたが、思った以上に大変で、特に1. のデザイン面では、過去に経験したことがない苦労がありました。

これまでのソーラーを覆すデザイン

よく見ると、「シティチャージ」とは違い、ソーラー充電スタンドの太陽電池モジュールはひし形になっていますね。

櫻井:太陽電池モジュールは通常、どれだけ効率良く並べられるかが重要で、デザイン性はそれほど重視されません。ほとんどが単なる長方形ですよね。しかし、ソーラー充電スタンドは、目を引くデザインにしたいと思いました。

上久保:ソーラー充電スタンドを、“自然に人が集まってくるような場所”にしたいと考えたんです。昨年まで暮らしていたイタリアのシチリア島では、たくさんの人が飲み物片手にバールに集まり、和やかに談笑していました。ソーラー充電スタンドも同じように地域のシンボル的な存在になればいいなと。

写真:櫻井さん

根っからのモノづくり好き。
左手に模型を持ち、説明に熱が入る櫻井さん

ひし形のパネルは、ソーラー充電スタンド用に新たに作ったんですか(・。・?)

串松:いえいえ。そんな時間はとてもないし、開発コストも上がってしまいます。実は、一般向けに発売済みの商品をうまく組み合わせたんです。

なるほど!よく見ると中央に線がありますね。台形を2つ合わせたということですか!
台形のパネルなんてあったのですか・・・?

櫻井:“コーナーモジュール”です。住宅の屋根の形に合わせ、隅まで美しく、効率良くパネルを敷き詰めることを可能にする商品です。組み合わせによってさまざまな形になりますので、営業担当も加わり、富士山型にする?ウイング型にする?などデザインの検討を重ねました。

画像:パネルデザインの検討

林:ひし形に決めた理由は、シャープなデザインで美しく、目に留まりやすい。また、太陽電池が重たそうに見えずすっきりした印象になると考えたからです。

しかし、2枚を組み合わせて固定するとなると、それなりの苦労や工夫がありそうですね。

櫻井:ここには私たちが架台※2設計で培った技術が役立ちました。コーナーモジュールの品質と性能を確保するために、モジュール本体には穴を開けないようにし、元々の構造を生かしながらネジと金具で固定しています。モジュールの適当な位置に穴を開けられたらどんなに楽だろう!と何回も思いましたよ(笑)。

※2 太陽電池モジュールと屋根を固定する金具

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