1929〜1931年

ラジオメーカーとして成長する  

「早く始めることが商売のコツ」「好況下にこそ不景気の波に備える」の考えのもと、鉱石ラジオの盛況ぶりの陰で、徳次は早々と次の事業への準備を始めました。真空管ラジオの開発です。
その頃は、音色が良く価格の安い鉱石ラジオが主流。真空管ラジオは輸入品で価格が高く、しかも当時は交換に手間がかかる電池式で、電池も高価であったため、普及にはほど遠かったのです。
しかし、受信エリアが広く、なによりレシーバーを使わず、スピーカーから、家族そろって音声が聞ける点に徳次は着目しました。それがこれからのラジオの聴取スタイルになると、いちはやく気づいたのです。真空管ラジオ「シャープダイン」、最初の機種は電池式でしたが、1929年には念願の交流式、すなわち家庭の電灯線から電源をとる真空管ラジオを開発し、発売しました。.

1929〜1931年