CSR・環境

CSRマネジメント

CSRに対する基本的な考え方

シャープは、創業以来の精神として「広く世界の文化と福祉の向上に貢献する」「全ての協力者との相互繁栄を期す」の経営理念のもと、社会やステークホルダーからの期待に応え、当社と社会の相互の持続的発展を目指すことをCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)に対する基本的な考え方としています。

シャープグループ企業行動憲章・シャープ行動規範

この経営理念・経営信条を具体化するために、グループ企業の行動原則として「シャープグループ企業行動憲章」を、全ての役員・従業員の行動の規範として「シャープ行動規範」を定め、シャープグループにおけるCSRの基本方針として徹底し、あらゆる業務遂行において、法令遵守はもとより高い倫理観を持って適切かつ真摯な行動に努めています。

シャープグループ企業行動憲章・シャープ行動規範

シャープグループ企業行動憲章・シャープ行動規範は、シャープ(株)のほか、主要な日本国内・海外の子会社および関係会社で、その適用・改定を各社の取締役会において決議しています。

また、変化するステークホルダーの期待や法令などの改正・新設、経営環境の変化を踏まえて定期的な見直し・改定を行い、社内通知や毎年実施する研修などを通じて徹底しています。海外で企業行動憲章・行動規範を適用している子会社・関係会社においては各国語に翻訳し、グループ全体への浸透を図っています。

2018年度は、eラーニング形式などで「シャープ行動規範に基づくコンプライアンス学習」をシャープ(株)、日本国内連結および非連結子会社計12社、関連会社7社、労働組合の受講対象者に実施しました。

この研修では、行動規範に則った業務遂行の徹底に加え、内部通報制度、児童労働の禁止や若年労働者・学生労働者の保護、競争法、贈収賄防止、個人情報保護、情報セキュリティなど幅広いテーマについて、問題発生を未然に防ぐマインドを定着させる取り組みを行いました。

  • ※ 改定:2003年4月、2005年5月、2010年4月、2015年1月

サステナビリティに関する方針・ビジョンおよび戦略

CSRに対する基本的な考え方や方針に沿い、2016年8月に広範にわたるCSR取り組みの中で、社会や環境に与える負荷を低減していくために特に重要と考える取り組みテーマを「SER(Social and Environmental Responsibility:社会環境責任)」と定義し、SER方針を定めました。

SER方針

  1. 従業員の権利を重視し、従業員の健康及び安全を確保する。
  2. 事業活動及び製造過程における環境責任を果たす。
  3. 国際標準、法規制、顧客の要求に基づいたSERマネジメントシステムの構築を行い、運用する。

また、2015年9月に国連で採択され、企業へも大きな期待が寄せられているSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の達成へ貢献することを2018年度より中長期ビジョンに据え、取り組みを進めています。

さらに2019年度からは、この中長期ビジョンの実現に向けて、「事業や技術のイノベーションを通じて社会的課題を解決」と「SER方針に沿った施策(SER施策)の推進を通じて事業活動による社会・環境に対する負荷を軽減」の両輪で、ESG投資への対応も継続しながらSDGsの達成への貢献を目指すことを基本戦略として、取り組みを加速しています。

  • ※ Environment, Social, Governance

CSRマネジメント推進体制

シャープは「SER方針」を実行施策レベルに落とし込み、PDCAサイクルでマネジメントしていくために、2016年にシャープSER委員会(SHARP Global SER Committee)を発足して運営しています。

シャープSER委員会は、シャープ(株)副社長執行役員が委員長、環境・人事担当責任者が副委員長、さらに全カンパニー社長・事業本部長が委員となり、本社関係機能部門がサポートチームとして参画しています。

シャープSER委員会の会議体である「SER会議」を半期に一度開催して、シャープグループのSERに関する方針やビジョンの徹底、重要施策についての審議、各カンパニー・事業本部のSDGs達成を目指した事業活動やSER施策の進捗状況の確認とレビュー、グローバルでの社会的課題に関する最新動向の共有などを実施しています。

また「SER会議」の内容は、適宜代表取締役に報告をしており、中期的な視点で、経営方針・事業方針との整合を取りながら、シャープグループが事業活動を通じて社会的課題の解決に取り組めるようマネジメントしています。

各カンパニー・事業本部では、各カンパニー社長・事業本部長の指揮のもと、事業本部SER委員会事務局長、事業本部SER推進チームを組織し、SDGs達成に貢献する事業を推進するとともに、年度ごとに設定する事業と密接に関連する重要なSER施策を選定の上、KPIを定めて社会課題の解決に取り組んでいます。

  • ※ Social and Environmental Responsibility​

2019年3月現在

マテリアリティ(重要課題)

昨今、SDGs(持続可能な開発目標)やパリ協定※1など、グローバルでの社会的課題解決を目指した国際的な長期目標が相次いで発表され、企業の取り組みへの期待もますます高まっています。

こうした背景から、グローバルな社会課題解決に向けた目標達成への貢献を目指し、中長期的な視点からシャープグループにとっての「マテリアリティ」(重要課題)を特定し取り組みを行っています。

マテリアリティの特定に当たっては、当社の経営方針・事業戦略、SDGs、国連グローバル・コンパクトなどの国際的なガイドライン、さまざまなステークホルダーからの意見や期待、事業活動がステークホルダーに及ぼす影響、ESG ※2調査機関などによる各種調査結果を踏まえ、重要課題を抽出しました。抽出した重要課題は「社会にとっての重要度(ステークホルダーからの期待度)」と「グループとしての重要度」という2軸の観点でマッピングし、最優先に取り組む課題を特定しました。​

また「ガバナンスの強化」を全ての企業活動の基盤とし、「イノベーションによる社会的課題の解決」と「事業活動に伴う社会・環境への負荷軽減」の観点で特定したマテリアリティを整理しています。

イノベーションによる社会的課題の解決
8K+5G Ecosystemの構築
超高精細映像である8Kを活用し、医療・セキュリティ・検査システム・インフラ保守などの分野でソリューションを提供
人に寄り添うAIoT※4の拡大
AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)に対応した機器をさまざまなシーンに広げ、安全・便利・快適なスマートライフを提供
ICTの活用
コンピューティングを活用し、工場における遠隔支援システム、会議ソリューション、教育ソリューションを提供
事業活動に伴う社会・環境への負荷軽減
人権・労働
  • ・従業員の健康・安全の確保
  • ・ハラスメントの防止
  • ・人権の尊重
環境
長期環境ビジョン「SHARP Eco Vision 2050」に向けた取り組み
  • ・気候変動(脱炭素社会の実現)
  • ・資源循環(循環型社会の実現)
  • ・安全・安心(化学物質の徹底管理)
サプライチェーンマネジメント
  • ・サプライチェーン全体でのESGリスクマネジメント
  • ・責任ある鉱物調達
ガバナンスの強化
コーポレートガバナンス・リスクマネジメント・コンプライアンス・ 情報セキュリティなど
  • ※1 2015年にパリで開催された第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択された、気候変動抑制に関する多国間の国際的な合意協定。
    地球の気温上昇を産業革命前から2℃未満に抑えることが掲げられている​
  • ※2 Environment, Social, Governance​
  • ※3 RBA:Responsible Business Alliance。責任ある企業同盟の略称。旧称ICC(Electronic Industry Citizenship Coalition)。
    2004年にHPやIBM、DELLなどの電子機器の企業によって設立された。電子機器に留まらず幅広い業界のサプライチェーンにおける社会・環境・倫理的課題に対する規範を作成。
  • ※4 「AI(Artificial Intelligence:人工知能)」と「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」を組み合わせ、シャープが作った造語「AIoT」はシャープ株式会社の登録商標です

マテリアリティのモニタリング

特定したマテリアリティについては、具体的かつ測定可能な施策レベルに落とし込みモニタリングを行っています。

「イノベーションによる社会的課題の解決」については、従来からの中期経営計画で掲げる財務指標を活用した進捗状況のモニタリングに加え、2019年度からは各カンパニー・事業本部で事業を通じてSDGs達成に貢献するための中長期ビジョンを設定し、その進捗状況をSER会議で報告・確認する取り組みを開始しました。

「事業活動に伴う社会・環境への負荷軽減」については、年度ごとに「全社SER施策重点施策指針」を策定し、各カンパニー・事業本部において、自本部の事業にとって重要なものを選択し、SER施策(目標、評価指標KPI、対象範囲、実行計画など)を定めて、達成に向けて推進し、四半期ごとに自己評価を行っています。

シャープSER委員会では、各カンパニー・事業本部のSER施策の推進状況について継続的なフォローを行い、当委員会の会議体である「SER会議」において全社での推進状況の共有や総評を行っています。

2018年度のSER施策については全カンパニー・事業本部において概ね計画通り進捗することができましたが、課題の残ったテーマについては、SER会議において改善対応策を併せて確認しています。

なお、「ガバナンスの強化」については、各テーマに関する全社会議において取り組み状況を確認しているほか、各テーマの主管部門にて年次目標を定めて推進しており、目標と実績についてはサステナビリティレポート「ガバナンス」の各項目のページにて開示しています。

2018年度全社SER重点施策指針

SER施策 対象範囲 貢献するSDGs
健康障害につながる長時間労働の抑制 日本国内全社員
ハラスメントの防止 日本国内全社員
海外拠点における人権尊重の推進 海外拠点の全社員
紛争鉱物に関する日本国内・海外の関連法規制への適合と効率的な対応 該当事業本部
国際的なSER基準(RBA※1行動規範)に基づく自社工場SERパフォーマンス調査・監査の実施 日本国内全生産工場
連結対象生産子会社
サプライヤーSER管理体制の再構築 お取引先さま
廃棄物の排出抑制・再資源化 全生産工場
事業に伴う温室効果ガス排出抑制(エネルギー使用効率の向上) 全生産工場
製品使用に伴う温室効果ガス排出抑制(製品の省エネ化推進) 商品系事業本部
EU RoHS指令※2,WEEE指令※3,REACH規則※4の遵守 全事業本部
  • ※1 RBA:Responsible Business Alliance。責任ある企業同盟の略称。旧称EICC(Electronic Industry Citizenship Coalition)。
    2004年にHPやIBM、DELLなどの電子機器の企業によって設立された。電子機器に留まらず幅広い業界のサプライチェーンにおける社会・環境・倫理的課題に対する規範を作成。
  • ※2 RoHS:Restriction of Hazardous Substances(欧州連合による電気・電子機器における特定有害物質の使用制限指令)
  • ※3 WEEE:Waste Electrical and Electronic Equipment(欧州連合による電気・電子機器の廃棄に関する指令)
  • ※4 REACH:Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals(欧州連合による化学物質の登録、評価、認可および制限規則)

国際基準に沿ったSERリスク評価

シャープは、グローバルなビジネス展開にあたって、事業の拡大と持続可能な社会の構築を両立していくためには、SERに関する国際基準に則して取り組むことが極めて重要と認識しています。

2015年度から、SERに関する国際的な業界基準の一つである「RBA行動規範」に準拠した「シャープサプライチェーンCSR推進ガイドブック」を作成し、当社グループのSER取り組み指針として活用するとともに、日本国内・海外の生産工場を対象としたSER自己評価調査を継続的に実施しています。

この調査はRBAの自己評価調査票(Self Assessment Questionnaire)に基づき、自社工場の取り組み状況を確認・評価するもので、2018年度は日本国内・海外の31工場を対象に実施しました。

調査後は、取り組み状況に関する各設問への回答内容を当社独自基準でスコア化(100点満点)し、分野別の取り組み度をA~Dランクで評価のうえ、回答工場へフィードバックを行うとともに、SER会議において評価結果の概要を報告しています。

2018年度の評価結果(分野別)については、右のグラフのとおり70点(Bランク)以上がほとんどを占め良好な状況であり、グループ全体として直ちに大きなSERリスクにつながる問題は確認されませんでした。

なお、一部の工場については、本社関係部門担当者による現場訪問やテレビ会議により、回答内容に関するヒアリングを行っています。

ヒアリングの結果、特定された取り組みが不十分な点や潜在的なリスクが残る点については、継続的に改善を促しています。

  • ※ RBA: Responsible Business Alliance。責任ある企業同盟の略称。旧称EICC(Electronic Industry Citizenship Coalition)。
    2004年にHPやIBM、DELLなどの電子機器の企業によって設立された。電子機器に留まらず幅広い業界のサプライチェーンにおける社会・環境・倫理的課題に対する規範を作成。

現場訪問・ヒアリングの結果特定された潜在リスク事例

  • 倫理分野に関する労働者への教育・訓練が定期的に実施されていない(ASEAN生産拠点)
  • サプライヤーのSER取り組み状況を把握し、リスク評価する仕組みが不十分 (欧州生産拠点)
  • 拠点BCP(事業継続計画)が定期的に見直しされていない (国内生産拠点)

2019年度は、調査への回答対応を通じて現地担当者のSERの国際基準に関するより一層の理解促進を図ることを目的として、自己評価調査票へのガイダンス文書の追加などの改善を行い、グループ全体で継続的なSERに関する国際基準に沿った取り組みのレベルアップとSERリスクの低減を図っていきます。

ステークホルダーエンゲージメント

ステークホルダーエンゲージメントの推進

経営理念の中で掲げている「株主、取引先をはじめ、全ての協力者との相互繁栄を期す」を実現するために、適切に情報を開示するとともに、ステークホルダーからの要請や期待に応えているかをさまざまな機会を通じてコミュニケーションを図ることで検証し、いただいたご意見を企業活動に活かしています。

今後も、ステークホルダーの皆さまの声を反映し、企業活動の改善を行っていきます。