1912〜1914年

1912年(大正元年)9月15日、独立開業。
自分の力で歩み出す

錺屋での奉公の年季を全うし礼奉公も終えて、一人前の職人として働いた後、いよいよ自分の力で商売を始めることになりました。きっかけは、穴がいらないベルトのバックル「徳尾錠」の発明です。ふと目にした映画から着想したもので、自身の新案特許取得第1号となりました。
この徳尾錠に大量注文が入ったことで事業のめどが立ち、独立開業しました。
しかし、徳尾錠の成功はあくまで一過性のものと見極めていた徳次は、次の手を打つことを忘れませんでした。それが第2の新案取得となる新製品「水道自在器」でした。洋傘や文具の部品なども広く手掛け、事業が徐々に拡大する中で、作業の効率化を目指して導入したのが「1馬力モーター」です。200円という、当時の下町の工場にはなんとも不釣り合いともいえる、高額な設備投資でした。

1912〜1914年