2022年4月にCEOに就任した呉柏勲(Robert Wu)です。
当社は、1912年9月に創業し、今年で110周年を迎えました。創業以来長きに亘って当社を支えてくださっている全てのステークホルダーの皆様に改めて感謝申し上げます。
2019年以降、世界は新型ウイルス感染症によって未曽有の危機に陥りましたが、ワクチン接種の進展や人々の行動変容、さらには様々な分野におけるIT化の加速等により、徐々にではありますが、ウイルスと共存する新たな日常が形作られてきています。一方、気候変動問題や人権問題、地政学問題など、国際社会が団結して解決していかなければならない課題はまだまだ数多く残されています。
こうした中、当社は今後、より「ESGに重点を置いた経営」を実践していきます。そして、様々な社会課題の解決に寄与することで、当社の社会的価値の向上、ブランド力の向上を図り、「強いブランド企業“SHARP”」を早期に確立していきたいと考えています。
具体的には、当社は現在、事業ビジョン「8K+5GとAIoTで世界を変える」の下、「Smart Home」「Smart Office」「Healthcare」「Entertainment」「Education」「Industry」「Security」「Mobility」の8つの重点事業分野を中心に、革新的なサービスやソリューションの創出に取り組んでいますが、今後は特に、デジタルを活用した「健康関連事業のさらなる強化」や、「カーボンニュートラルへの貢献」の取り組みを一層加速していきます。
加えて、「人(HITO)を活かす経営」を実践し、“若くて活気溢れる企業風土”の醸成に取り組むとともに、グローバル視点での経営改革を加速し、シャープを、日本はもとより、世界各国の皆様に必要としていただける企業、「真のグローバル企業へ」と成長させていきたいと考えています。
一方、こうした様々な社会課題は、当社が将来に亘って継続的に事業を展開していくうえでの大きなリスクでもあると認識しており、引き続き、サステナビリティの強化にも取り組んでいきます。
具体的には、当社は今年7月、全社のサステナビリティ戦略やGX(グリーントランスフォーメーション)戦略の中核を担うESG推進室を新設し、長期環境ビジョン「SHARP Eco Vision 2050」の実現に向けた2030年、2035年時点の中期環境目標を新たに策定するとともに、TCFD※1提言への賛同も表明しました。今後はTCFDのフレームワークに沿って、気候変動に関する情報開示を一層拡充していく考えです。
加えて、当社は、2009年に署名した国連グローバル・コンパクトの参加企業として、「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」に関する10原則を継続して支持するとともに、2021年に加盟したRBA※2のビジョンとミッションをグループ全体で共有し、グローバル社会課題の実効的な解消に向けた取り組みを加速していきます。
当社はこれからも、経営理念の一節に掲げる「株主、取引先をはじめ、全ての協力者との相互繁栄を期す」という言葉の通り、全てのステークホルダーの皆様と一体となって、「事業活動を通じた社会課題の解決」と「社会・環境への負荷軽減」に取り組み、“SDGs達成”、さらには“地球上の誰一人取り残さない、持続可能でよりよい世界の実現”に貢献してまいります。