ディスプレイの国際学会「SID」に出展自然界の色を忠実に再現する 多原色ディスプレイを開発
シャープは、人間が知覚できる自然界の色を忠実に再現する「多原色ディスプレイ」を開発しました。米国で開催するディスプレイの国際学会SID(Society For Information Display、場所:サンアントニオ、期間:5/31~6/5)に出展いたします。 工業用デザイン、デジタルアーカイブの閲覧、ネットワークを介した遠隔医療、電子商取引などにおいては、実物の色や設計した色を忠実に表示するディスプレイの要望が強く、ナチュラルビジョン技術※1の開発など様々な取り組みが活発化しています。 今回出展する「多原色ディスプレイ」は、画素がR(赤)、G(緑)、B(青)の3色に、C(シアン:澄んだ青緑)とY(黄)を加えた5色のカラーフィルターからなるディスプレイと、専用の信号処理回路から構成される「マルチ・プライマリー・カラー技術」により開発しました。これにより、人間が肉眼で認識できる色の領域において、表現できる色再現範囲(色域)が広がり、自然界に存在する物体色※2について99%以上の表示が可能となります。従来の液晶モニターでは表現が困難だった海の色(エメラルドブルー)や、金管楽器(黄金色)、バラ(赤色)などを含めて、ほとんど全ての自然界の色が忠実に表現できます。また、本技術を応用することで、バックライトからの光エネルギーを効率よく取り出すことができるため、より一層の省エネ化も可能です。 今後、本ディスプレイの基本性能をさらに高め、実用化に向けた取り組みを推進してまいります。 <開発した多原色ディスプレイの仕様> 画面サイズ | 60.5V型(画素数:1,920×1,080ドット) | 輝度 | 450cd/m2 | コントラスト比 | 2000:1 | 色再現性 | 物体色 99%以上 | 色温度 | 6,500K |
※1 ナチュラルビジョン技術:独立行政法人情報通信研究機構による研究プロジェクト(1999年10月~2006年3月)で、実物と同じ色の画像を再現する技術。遠隔医療、電子商取引、デジタルアーカイブなどへの応用が期待される。 ※2 物体色データの業界標準のひとつであるPointer’s colorsに基づく。M.R.Pointer氏が1980年に発表。実在するさまざまな表面色(塗料や印刷用インクの顔料、色紙、プラスチックなど)を測定し、その色と明るさのデータを分析して実在する色の範囲を定めた。実用的な色再現範囲の広さを示す指標となっている。 
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