液晶30年

 今年2003年は,当社が液晶ディスプレイの量産を世界で初めて開始してから,30年という節目に当たります。また,わが国でテレビ放送が開始されてから50年目,そして,当社がテレビを発売してから50年という年でもあり,当社にとって意義深い年であります。
 液晶事業の歴史が,電卓の表示装置としてはじまったということは,よく知られていることです。液晶という物質自体は,古く19世紀に発見されてはいましたが,工業的に利用されることはなく,アカデミックな研究対象としてのみ扱われる時期が長く続きました。
 1968年に米国RCA社が液晶ディスプレイの試作を発表したのを契機に当社でも研究に着手,軽薄短小・低消費電力で熾烈な競争の只中にあった「電卓」に最適なディスプレイとして,1973年世界で初めて商品化を行いました。当初の液晶ディスプレイはモノクロで,セグメント電極で構成される簡単な文字表示のみでした。その後,電卓の「軽薄短小」化の要求を受け,液晶の軽薄短小化,原価低減が大いに進みました。





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