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発表会レポート

使用済み薄型テレビ プラスチックのリサイクル技術を開発、実用化

 2013年11月6日、シャープは、使用済み薄型テレビにおけるプラスチックのリサイクル技術の開発について、発表会を開催しました。使用済み薄型テレビから回収したプラスチック(PC+ABS樹脂※1)を独自の手法によって新品材料と同等の特性に回復させるリサイクル技術で、関西リサイクルシステムズ株式会社※2(以下、KRSC)と共同で開発しました。

 当社は家電4品目※3のうち、洗濯機、冷蔵庫、エアコンに多く使われているプラスチック(PP、PS樹脂※4)をリサイクル処理し、その再生材を製品部材として繰り返し利用する「自己循環型マテリアルリサイクル技術」を、2001年以降に順次実用化※5してきました。 一方、薄型テレビの筐体には、剛性や耐衝撃性、難燃性などの特性が高いプラスチック(PC+ABS樹脂)が多く使われていますが、長期使用によりこれらの特性が低下するため、従来のリサイクル技術では製品部材として再生利用することは困難でした。

 このたび、新たなリサイクル技術として、製造メーカーや使用年数が異なる薄型テレビのプラスチック(PC+ABS樹脂)から生成される再生材を、新品材料と同等の特性に回復させる添加剤の処方を開発。本年5月より、KRSC第2工場で回収した使用済み薄型テレビに本技術を導入し、その再生材を本年11月に発売する当社製の車載用プラズマクラスターイオン発生機(型名:IG-FC15、発売予定日:2013年11月8日)の部材に採用しました。

 発表会では、CS・環境推進本部 CS・環境技術開発センター 所長 柿森 伸明より、添加剤の処方など独自技術の詳細や、プラスチック回収から製品への採用に至るまでのリサイクルフロー、開発背景などについて説明いたしました。
再生部材を採用した車載用プラズマクラスターイオン発生器<IG-FC15> CS・環境推進本部 CS・環境技術開発センター 所長 柿森 伸明
再生部材を採用した
車載用プラズマクラスターイオン発生機<IG-FC15>
CS・環境推進本部 CS・環境技術開発センター 所長  柿森 伸明
■薄型テレビ プラスチック リサイクルの流れ
プラスチックの回収 破砕
プラスチックの回収破 砕
添加剤の配合 樹脂原料の調整
添加剤の配合樹脂原料の調整
部品成型 製品組み立て 例)車載用プラズマクラスターイオン発生器<IG-FC15>
部品成型製品組み立て
例)車載用プラズマクラスターイオン発生機<IG-FC15>

※ 再びプラスチックを回収し、リサイクル
※1) ポリカーボネートとアクリロニトリル・ブタジエン・スチレンを混合した樹脂材料。但し、無塗装の廃材に限る。
※2) 当社と三菱マテリアルなど6社が共同で出資している家電リサイクル会社(本社:大阪府枚方市)。
※3) 家電リサイクル法によりリサイクルが義務付けられている洗濯機、冷蔵庫、エアコン、テレビ。
※4) PPはポリプロピレン樹脂、PSはポリスチレン樹脂。
※5) 2001年にPP、2003年にPSのリサイクル技術を実用化。

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