トップメッセージ

サステナブル社会の実現に向けて、シャープならではの貢献を目指します。

今年5月、当社は中期経営計画を発表しました。この計画では、全社員が創業の精神である「経営理念・経営信条」に基づき、シャープらしさを取り戻すことを明示しています。

経営理念に記された「誠意と独自の技術をもって広く世界の文化と福祉の向上に貢献する」という言葉は、当社のサステナビリティへの取り組みの姿勢を端的に示しています。

現在、国際社会はカーボンニュートラルの実現や限りある資源の有効活用、医療・介護問題の解決、労働力不足の解消など、サステナブルな社会を目指す上でさまざまな課題に直面しています。また、価値観の多様化が進む中で、一人ひとりのライフスタイルやワークスタイルに合わせた商品やサービスが求められています。

これらの課題やニーズに正面から向き合い、「誠意と独自の技術をもって」解決していくことが当社の使命であると考えています。

事業や商品に関しては、DNAである「目の付けどころ」と「特長技術」、さらには「スピード」の3つを強みに、人々の「暮らす」をもっとあなたらしく、「働く」をもっと共創的に変えるための新たな体験を提案し続けていきます。さらに、AIやEV、ロボティクスなど、新たな産業分野にも積極的に挑戦し、人々の暮らしの発展とより良い未来の実現に貢献してまいります。

環境面の取り組みでは、当社は長期環境ビジョン「SHARP Eco Vision 2050」に基づき、着実に取り組みを進めています。気候変動への対応については、2030年の自社活動のCO2排出量ネットゼロ、2050年のサプライチェーン全体のCO2排出量ネットゼロを目指しています。当社は今年2月、再生可能エネルギー100%使用を目指す国際的なイニシアティブ「RE100」に加盟し、ネットゼロに向けた明確なコミットメントを示しました。サーキュラーエコノミー(資源循環型経済)については、製品や梱包材の再生材使用を一層加速させています。

当社がサステナビリティを語る上で欠かせないのは、障がいを持つ方々の社会での活躍を支援する取り組みです。冒頭、「創業の精神」に触れましたが、創業者は、障がいを持つ方の社会経済活動への参加と雇用促進を目的として、1950年に特例子会社「シャープ特選工業(株)」を設立しました。当社はこの創業者の想いを受け継ぎ、障がいのある方の職業観や勤労観を育む自立支援の活動を続けています。今後も当社は引き続き「福祉の向上に貢献する」社会貢献活動に取り組んでまいります。

さらに、当社は2009年に署名参加した国連グローバル・コンパクトの「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」に関する10原則を継続して支持し、人権デュー・ディリジェンスの取り組みなどを通じて、世界的な課題の解決に向けた企業の責務を果たしています。

当社は数々の構造改革を進めてまいりましたが、創業の精神である「経営理念・経営信条」は一切変わるものではありません。これからも、当社は創業の精神を原点に据え、サステナブル社会の実現に向けてシャープならではの貢献を目指してまいります。

2025年9月

  • CO2の排出量と吸収量を等しくすることで、実質的にCO2の排出がゼロになる状態。
代表取締役 社長執行役員 CEO
沖津 雅浩