サステナビリティ・マネジメント

サステナビリティに対する基本的な考え方

シャープは、経営理念の一節として掲げている「広く世界の文化と福祉の向上に貢献する」「全ての協力者との相互繁栄を期す」という創業以来の精神のもと、社会やステークホルダーからの期待や要請に応え、当社と社会の相互の持続的発展を目指すことをサステナビリティに対する基本的な考え方としています。

シャープグループ企業行動憲章・シャープ行動規範

経営理念・経営信条を具体化するために、グループ企業の行動原則として「シャープグループ企業行動憲章」を、全ての役員・従業員の行動の規準として「シャープ行動規範」を定め、シャープグループにおけるサステナビリティの基本方針として徹底し、あらゆる業務遂行において、法令遵守はもとより高い倫理観を持って適切かつ真摯な行動に努めています。

シャープグループ企業行動憲章・シャープ行動規範は、シャープ(株)のほか、主要な日本国内・海外の子会社および関係会社で、その適用・改定を各社の取締役会において決議しています。海外拠点で適用している子会社・関係会社においては各国語に翻訳し、浸透を図っています。

また、変化するステークホルダーの期待や法令などの改正・新設、経営環境の変化を踏まえて、定期的な見直し・改定を行い、社内通知・徹底しています。

加えて、シャープ行動規範への理解を一層深め、全役員・従業員一人ひとりが行動規範に則った正しい行動をしていくことを目的として、毎年eラーニング形式にて「シャープ行動規範に基づくコンプライアンス学習」を実施しています。

2020年度は、行動規範に則った業務遂行、内部通報制度の周知、差別・ハラスメントの禁止など労働・人権関連、競争法、贈収賄規制、個人情報保護、景品表示法の遵守、情報セキュリティにおける課題と対処など幅広いテーマで実施し、シャープ(株)、日本国内連結および非連結子会社計14社、関連会社6社、労働組合などを対象に約19,000人が受講しました。

今後もコンテンツを拡充しながら継続して実施し、従業員の理解の浸透と、問題発生を未然に防ぐマインドを醸成していきます。

サステナビリティに関する方針と推進体制

 サステナビリティに対する基本的な考え方や方針に沿い、2016年8月に広範にわたる取り組みの中で、社会や環境に与える負荷を低減していくために特に重要と考える取り組みテーマを「SER(Social and Environmental Responsibility:社会環境責任)」と定義し、SER方針を定めました。

SER方針

  1. 従業員の権利を重視し、従業員の健康及び安全を確保する。
  2. 事業活動及び製造過程における環境責任を果たす。
  3. 国際標準、法規制、顧客の要求に基づいたSERマネジメントシステムの構築を行い、運用する。

また2018年度より、2015年9月に国連で採択され、企業へも大きな期待が寄せられているSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の達成へ貢献することを中長期ビジョンに据え、取り組みを進めています。

2019年度からは、この中長期ビジョンの実現に向けて「事業や技術のイノベーションを通じて社会的課題を解決する」「SER方針に沿った施策(SER施策)の推進を通じて事業活動による社会・環境に対する負荷を軽減する」を両輪として、SDGs達成に向けた貢献を目指すことをサステナブル経営の基本戦略として取り組んでいます。

今後も、ESG(環境・社会・ガバナンス)分野の取り組みを継続して強化し、当社のESGレーティング・格付の向上を図りながら、持続的成長を支える強固な経営基盤を構築し、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。

シャープは、これらの方針を実行施策レベルに落とし込み、PDCAサイクルでマネジメントしていくため、社長を委員長とし、経営幹部、環境・人事・調達などの本社機能部門、事業本部・子会社などで構成するシャープSER委員会を設置し、方針やビジョンの徹底、SER施策についての審議・推進、社会的課題に関する最新動向の共有などを実施しています。

マテリアリティ(重要課題)

マテリアリティの特定

SDGs(持続可能な開発目標)やパリ協定※1など、グローバルでの社会的課題解決を目指した国際的な長期目標が相次いで発表され、またグローバルサプライチェーンにおける強制労働等の人権問題への関心の高まりなど、企業の取り組みへの期待もますます高まっています。

こうした背景から、グローバルな社会課題解決に向けた目標達成への貢献を目指し、中長期的な視点からシャープグループにとっての「マテリアリティ」(重要課題)を特定し、サステナブル経営推進のための取り組みを行っています。

マテリアリティの特定に当たっては、当社の経営方針・事業戦略、SDGs、国連グローバル・コンパクトなどの国際的なガイドラインや原則、さまざまなステークホルダーからの意見や期待、事業活動がステークホルダーに及ぼす影響、ESG調査・格付機関などによる評価結果等を踏まえ、重要課題を抽出しました。

抽出した重要課題は「社会にとっての重要度(ステークホルダーからの期待度)」と「グループとしての重要度」という2軸の観点でマッピングし、最優先に取り組む課題を特定しています。

また「ガバナンスの強化」を全ての企業活動の基盤とし、「イノベーションによる社会的課題の解決」と「事業活動に伴う社会・環境への負荷軽減」の観点で特定したマテリアリティを整理しています。

イノベーションによる社会的課題の解決
スマートライフ
人に寄り添いよりあなたらしい暮らしを実現
8Kエコシステム
最先端の映像技術を核に社会のイノベーションを加速
ICT
ワイヤレス技術やモバイル技術でシームレスな社会を構築
ディスプレイデバイス
世界No.1のディスプレイ技術でDXを牽引
エレクトロニックデバイス
独自のデバイス技術でスマート社会の発展に貢献
事業活動に伴う社会・環境への負荷軽減
人権・労働
  • ・長時間労働の抑制による従業員の健康・安全の確保
  • ・ハラスメントの防止
  • ・人権の尊重
環境
長期環境ビジョン「SHARP Eco Vision 2050」に向けた取り組み
  • ・気候変動 (脱炭素社会の実現)
  • ・資源循環 (循環型社会の実現)
  • ・安全・安心 (化学物質の徹底管理)
サプライチェーンマネジメント
  • ・サプライチェーン全体でのESGリスクマネジメント
  • ・責任ある鉱物調達
ガバナンスの強化
コーポレートガバナンス・リスクマネジメント・コンプライアンス・ 情報セキュリティなど
  • ※1 2015年にパリで開催された第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択された、気候変動抑制に関する多国間の国際的な合意協定。地球の気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求することが掲げられている。
  • ※2 RBA: Responsible Business Alliance。責任ある企業同盟の略称。旧称EICC(Electronic Industry Citizenship Coalition)。2004年にHPやIBM、DELLなどの電子機器の企業によって設立された。電子機器にとどまらず幅広い業界のサプライチェーンにおける社会・環境・倫理的課題に対する規範を作成。

マテリアリティのモニタリング

特定したマテリアリティについては、具体的かつ測定可能な施策レベルに落とし込み、モニタリングを行っています。

「イノベーションによる社会的課題の解決」については、2019年度から各事業本部・会社で事業を通じてSDGs達成に貢献するための中長期ビジョンを設定し、その進捗状況を報告・確認する取り組みを開始しました。

「事業活動に伴う社会・環境への負荷軽減」については、年度ごとに「全社SER施策重点施策指針」を策定し、各事業本部・会社において、それぞれの事業にとって重要なものを選択し、SER施策(目標、評価指標KPI、対象範囲、実行計画など)を定めて、達成に向けて推進し、四半期ごとに自己評価を行っています。

シャープSER委員会では、各事業本部・会社のSER施策の推進状況について継続的なフォローを行い、全社での推進状況の共有や総評を行っています。2020年度のSER施策については全事業本部・会社においておおむね計画通り進捗することができましたが、課題の残ったテーマについては、改善対応策を併せて確認しています。

なお、「ガバナンスの強化」については、各テーマに関する全社会議において取り組み状況を確認しているほか、各テーマの主管部門にて年次目標を定めて推進しており、目標と実績についてはサステナビリティレポート「ガバナンス」の各項目のページにて開示しています。

2020年度全社SER重点施策指針

SER施策 対象範囲 貢献するSDGs
健康障害につながる長時間労働の抑制 日本国内全社員
ハラスメントの防止 日本国内全社員
海外拠点における人権尊重の推進 海外拠点の全社員
新たな「責任ある鉱物調達」への対応 該当事業本部
国際的なSER基準(RBA※1行動規範)に基づく自社工場SERパフォーマンス調査・監査の実施 日本国内全生産工場
連結対象生産子会社
サプライヤーへのSER調査の継続的な実施によるSDGs / ESG対応 お取引先様
廃棄物の排出抑制・再資源化 全生産工場
事業に伴う温室効果ガス排出抑制 全生産工場
製品使用に伴う温室効果ガス排出抑制(製品の省エネ化推進) 商品系事業本部
EU RoHS指令※2(制限物質の排除)、WEEE指令※3(リサイクル材の活用)の遵守 全事業本部
  • ※1 RBA: Responsible Business Alliance。責任ある企業同盟の略称。旧称EICC(Electronic Industry Citizenship Coalition)2004年にHPやIBM、DELLなどの電子機器の企業によって設立された。電子機器にとどまらず幅広い業界のサプライチェーンにおける社会・環境・倫理的課題に対する規範を作成。
  • ※2 RoHS:Restriction of Hazardous Substances(欧州連合による電気・電子機器における特定有害物質の使用制限指令)
  • ※3 WEEE:Waste Electrical and Electronic Equipment(欧州連合による電気・電子機器の廃棄に関する指令)

国際基準に沿ったリスク評価

シャープは、グローバルなビジネス展開にあたって、事業の拡大と持続可能な社会の構築を両立していくためには、国際基準に則して取り組むことが極めて重要と認識しています。

2015年度から、国際的な業界基準の一つである「RBA行動規範」に準拠した「シャープサプライチェーンCSR推進ガイドブック」を作成し、当社グループの取り組み指針として活用するとともに、日本国内・海外の生産工場を対象とした自己評価調査を継続的に実施しています。

この調査はRBAの自己評価調査票(Self Assessment Questionnaire)に基づき、自社工場の取り組み状況を確認・評価するもので、各設問の意図や求められる管理策の実施レベルなどに関するガイダンスを追加し、調査への回答対応を通じて現地担当者の国際基準に関するより一層の理解促進を図っています。

2020年度は日本国内・海外の28工場を対象に実施し、調査後は各工場の回答内容を当社独自基準でスコア化(100点満点)、分野別の取り組み度をA~Dランクで評価のうえ、回答工場へフィードバックを行っています。

また、各拠点からの回答内容は、本社機能部門がレビューを行い、取り組みが不十分な点や潜在的なリスクが残る点については、個別ヒアリングを実施するなど、各工場への指導を通じて必要な改善活動を促しています。

こうした継続的な取り組みの結果、2020年度の全工場の平均スコアは、91.1点(Aランク)と昨年調査時(90.7点)よりも向上しています。

分野別評価については、今回新たに調査対象に追加した管理体制整備中の新工場において一部低評価分野がありましたが、調査後のコミュニケーションを通じて、改善対応を図りました。

全体としては、下のグラフのとおり70点(Bランク)以上がほとんどを占め、おおむね良好な状況で推移しており、グループ全体として、直ちに大きなCSRリスクにつながる問題は確認されませんでした。

2021年度も継続して調査を実施し、取り組みの継続的なレベルアップを図っていきます。

  • ※ RBA: Responsible Business Alliance。責任ある企業同盟の略称。旧称EICC(Electronic Industry Citizenship Coalition)。2004年にHPやIBM、DELLなどの電子機器の企業によって設立された。電子機器にとどまらず幅広い業界のサプライチェーンにおける社会・環境・倫理的課題に対する規範を作成。

ステークホルダーエンゲージメント

ステークホルダーエンゲージメントの推進

当社の経営理念の中で掲げている「株主、取引先をはじめ、全ての協力者との相互繁栄を期す」を実現するために、お客様をはじめ、お取引先様、地域コミュニティの皆様など多様なステークホルダーの皆様へ適切に情報開示を行っています。また、昨今のESG投資の高まりを受け、株主・投資家との対話に努めるなどステークホルダーからの要請や期待に応えているかをいろいろな機会を通じてコミュニケーションを図ることで検証し、いただいたご意見を企業活動に活かし、社会課題の解決に貢献すべく取り組んでいます。

今後も、ステークホルダーの皆様の声を反映し、企業活動のさらなる改善を行っていきます。