化合物3接合型太陽電池で実現太陽電池セルで世界最高変換効率35.8%を達成

シャープは、化合物3接合型太陽電池で、太陽電池セルの世界最高変換効率※135.8%※2を達成しました。 化合物太陽電池とは、現在の主流であるシリコンを材料として用いた太陽電池と異なり、インジウムやガリウムなど、2種類以上の元素からなる化合物を材料とした光吸収層を持つ変換効率の高い太陽電池で、主に人工衛星に使用されています。当社は2000年から、光吸収層を3層に積み重ねて高効率化を実現する「化合物3接合型太陽電池」の研究開発を進めてまいりました。 化合物3接合型太陽電池の高効率化には、各光吸収層(トップ層・ミドル層・ボトム層)の結晶性(原子の規則正しい配列性)の向上と太陽光エネルギーを最大限利用できる材料構成が重要です。 従来、ボトム層には、製法の容易さからGe(ゲルマニウム)を用いていましたが、その性質上、発生する電流量は多いものの、電流の大半が電気エネルギーとして利用できず無駄になっていました。これを解決するには、利用効率の高い材料であるInGaAs(インジウムガリウムヒ素)をボトム層として形成することが鍵でしたが、結晶性の高い高品質のInGaAsを作る工程に課題がありました。 当社は今回、独自の層形成技術によって、従来難しいとされていた「結晶性を高めたInGaAsの層形成」を実現しました。これにより、無駄となる電流を最小限に抑え、従来当社では31.5%であった変換効率を、35.8%まで高めることに成功しました。 なお、本件はNEDO※3の「革新的太陽光発電技術研究開発」テーマの一環として、開発に取り組みました。 今後、当社は今回の開発成果をいかして、太陽電池のさらなる高効率化を進めてまいります。  ※1 2009年10月22日現在、研究レベルにおける非集光太陽電池において。(シャープ調べ) ※2 2009年9月、産業技術総合研究所(世界の太陽電池の公的測定機関の一つ)により確認された数値(セル面積:約1cm2)。 ※3 独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構。日本の産業技術とエネルギー・環境技術の研究開発およびその普及を推進する我が国最大規模の中核的な研究開発実施機関。 詳細はこちら→ 
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