シャープは、世界最高レベルの発電効率を実現した色素増感太陽電池を電源とする、バッテリー交換不要のビーコンを開発しました。位置情報を提供するさまざまなサービス事業者への供給を通じて、本製品のマーケティングを進めてまいります。第一弾として、本製品を清水建設株式会社(本社:東京都中央区、取締役社長:井上 和幸)の屋内外音声ナビゲーションサービスに向け7月末に納入しました。
ビーコンは、位置情報信号を無線通信Bluetooth®などで発信する機器です。これを受信するスマホやタブレットなどの端末の位置を測定することにより「ナビゲーションサービス」などのシステムに使われます。ビーコンはGPS(Global Positioning System/全球測位衛星システム)の電波が届きにくい屋内や地下施設において、スマートフォンなどを用いた位置情報案内サービスや店舗からのクーポン配信などに広く活用されつつあり、今後、さらなる需要拡大が見込まれています。「ナビゲーションサービス」に応用すると、対応アプリケーションをインストールしたスマートフォンを携行する歩行者は、GPSの電波が届かない場所でも目的地までスムーズに移動することができます。

これまで、ビーコンの多くが1次電池を搭載していることに加え、電波の減衰を防ぐためビーコンを地上2m程度の高所に設置する必要があることなどから、電池交換などの定期的なメンテナンス作業が発生するという課題がありました。当社は、世界最高レベルの変換効率を持つ色素増感太陽電池を電源として採用することで電池交換を不要とし、この課題を解決しました。
■ 主な特長
1.50lx程度の低照度でも安定的に動作
2.オフィス空間にマッチするデザイン
3.メンテナンス作業が不要
■ 特 長
1.50lx程度の低照度でも安定的に動作
色素増感太陽電池分野の屋外評価基準(AM1.5)において、世界最高発電効率に認定※1された技術により開発した色素増感太陽電池を電源に採用することで、屋内の非常灯の下など50lx程度の暗所※2でも1回/秒の間隔で安定して信号を発信可能です。この性能は、太陽電池を電源とするビーコンの中でもトップクラスです※3。
2.オフィス空間にマッチするデザイン
高性能と小型化(W74mm×H7mm〔最厚部〕×D134mm)を両立しました。オフィスなどに設置した場合でも周りの環境に馴染み、目立ちにくいデザインを採用しています(左下図)。また、ネジで固定する場合も、外観からネジが見えない構造を採用しています(右下図)。

3.メンテナンス作業が不要
世界最高レベルの変換効率を持つ色素増感太陽電池を電源として採用することで、電池交換が不要となったことから、メンテナンス作業が不要となります。
■ 主な仕様
品名
|
色素増感太陽電池搭載ビーコン「レスビー®」
|
外形
|
W74mm × H7mm × D134mm
|
質量
|
62g
|
無線通信
|
Bluetooth® Low Energy v4.1 準拠
|
電源
|
色素増感太陽電池
|
動作照度範囲
|
50lx~10,000lx
|
動作照度/発信頻度※4
|
300lx / 1回/100ミリ秒
|
50lx / 1回/1秒
|
価格
|
オープン価格
|
※1 各種太陽電池の発電効率(屋外評価基準AM1.5)が収録された専門誌(Progress in Photovoltaics)の色素増感太陽電池分野において、2012年に当社製品が世界最高効率と認定され、現在もなお維持しています。この成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の業務委託の結果得られたものです。
※2 JIS照度基準(JIS Z9110)を参考にしています。
※3 当社調べ。
※4 発信頻度はお客様のご要望の値に設定いたします。
■ お客様からのお問い合わせ
シャープ株式会社 研究開発事業本部 材料・エネルギー技術研究所
sharp-dsc@list.sharp.co.jp