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ニュースリリース

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2019年11月8日

シャープ株式会社

世界最大※1、対角30インチのフィルム基板を用いたカラーフィルターレスの有機ELディスプレイ
表示部を巻き取り、すっきりと収納できる『ローラブル(巻取型)』商品の実現へ

30V型4Kフレキシブル有機ELディスプレイを開発

(左から)表示時、収納中、収納時(各画像の縮尺は異なります)

 シャープは、日本放送協会(NHK)と共同で、30V型4Kフレキシブル有機EL(OLED)ディスプレイを開発しました。

 本開発品は、対角30インチ(約76cm)のフレキシブルなフィルム基板上に、RGB(赤・緑・青)の各色に発光(RGB発光方式)する素子を形成した有機ELディスプレイであり、この構成によるものとして世界最大となります。各色に発光する素子を蒸着方式で高精度に形成することで、カラーフィルターを不要とし、高い光利用効率を実現しています。また、フィルム基板を用いることで、薄さ約0.5mmのパネル表示部をコンパクト(半径:約2cm)に巻き取り、下部の筐体にすっきりと収納することができます。

 有機EL素子を駆動する薄膜トランジスタとしてIGZO※2を採用。NHK独自の信号処理やパネル駆動技術の活用により、画面の明るさの均一性や動画の鮮明度を向上させています。

 当社は、2018年6月に日本初となるスマートフォン向けフレキシブル有機ELディスプレイの量産を開始しました。今後も、さらに先進の技術開発を進め、ディスプレイの未来を切り拓いてまいります。

 本開発品は、11月13日(水)から15日(金)まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される国際放送機器展「Inter BEE 2019」のNHK/JEITA(電子情報技術産業協会)ブースにて展示いたします。

主な特長

1.世界最大、対角30インチのフィルム基板を用いたカラーフィルターレス(RGB発光方式)の高精細4Kフレキシブル有機ELディスプレイ

2.カラーフィルターレスのパネル構造により、高い光利用効率を実現

3.フィルム基板の柔軟性によって、表示部をコンパクトに収納(巻取半径:約2cm)

4.NHK独自の信号処理やパネル駆動技術により、明るさの均一性や動画の鮮明度を向上


※1 フィルム基板上に、カラーフィルターを用いることなく、RGB(赤・緑・青)各色に発光(RGB発光方式)する有機EL素子を備えたディスプレイとして(2019年11月8日現在。シャープ調べ)。

※2 In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)、O(酸素)により構成される酸化物半導体。有機ELや液晶ディスプレイを駆動するTFT(薄膜トランジスタ)の半導体材料として用いられる。

主な仕様

画面サイズ

対角30インチ(約76cm)

アスペクト比

16:9

画素数

横3840画素 × 縦2160画素(4K)

フレームレート

60フレーム/秒

有機EL素子構造 / 形成方法

トップエミッション型※3 / RGB塗り分け※4

駆動用トランジスタ

IGZO-TFT


※3 有機EL素子で発光した光を、薄膜トランジスタ(TFT)で遮られない方向に取出す光利用効率の高い方式。

※4 RGB(赤・緑・青)各色に発光する材料を蒸着方式で基板上にそれぞれ並べて形成(塗り分け)し、一つの画素とする方式(Side by Side方式)。これに対して、白色に発光する有機EL素子とカラーフィルターを用いてRGB表示する方式がある。

● 本開発品の動画を、以下のウェブサイトでご覧いただけます。

https://youtu.be/Jzr7208A-os

(注)
ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日時点の情報です。ご覧になった時点で、内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承下さい。

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