ホーム > ニュースリリース > 2020年9月 > 空気清浄機搭載エアコン『Airest』の ウイルス飛沫粒子の捕集における有効性を確認

ニュースリリース

ここをクリックすると印刷できます

2020年9月29日

シャープ株式会社

空気清浄機搭載エアコン※1『Airest』の
ウイルス飛沫粒子※2の捕集における有効性を確認

プラズマクラスターイオンと気流の流れ(イメージ)

 シャープは、ウイルス飛沫粒子解析の専門家である京都工芸繊維大学の山川勝史准教授と、居住空間内でエアコンの気流がウイルス飛沫粒子に与える影響についてシミュレーションを行った結果、プラズマクラスターイオンをお部屋に効率的に届ける空気清浄機搭載エアコン『Airest』が、一般的なエアコンに対してウイルス飛沫粒子を効果的に捕集できること※3を確認しました。また、当社製空気清浄機についても検証を行い、その有効性について同様の結果が得られました※4

 さらに、一般的なエアコンと当社製空気清浄機を併用した際の、設置場所によるウイルス飛沫粒子への影響についても検証した結果、エアコンの風向を上向きにし、空気清浄機をエアコンの下に設置することが有効であること※5も確認しました。

 当社は、2000年より約20年にわたり、プラズマクラスター技術およびプラズマクラスターイオンや冷暖房をお部屋に効率的に届ける気流技術により、快適な空気環境の実現に取り組んでまいりました。今後もプラズマクラスター技術による空気浄化に加え、今回検証を実施した独自の気流技術を中心に、空気に関するさまざまな検証を進め、社会に貢献してまいります。

<山川 勝史(やまかわ まさし)氏のコメント(京都工芸繊維大学 准教授、「富岳」プロジェクトメンバー)

ウイルス飛沫粒子は空気中を漂うため、吸い込んでしまう恐れがあります。そのため、その浮遊ウイルスを捕集するか室外へ排出させることが重要となります。特にエアコンを使用する夏や冬は換気頻度が下がるため、換気以外の対策が必要になります。今回、室内におけるウイルス飛沫粒子の振る舞いをシミュレーションし、窓開け換気が困難な環境下においても、浮遊ウイルスを減らす方法が見えてきたと考えられます。

※1 日本電機工業会の定める空気清浄機の基準(JEM1467)に準拠した家庭用ルームエアコン。

※2 咳やくしゃみ、声を出すことなどで発生する飛沫のほか、これらの飛沫のうち特に小さいものであるエアロゾルなど。

※3 詳細はこちらをご参照ください。

※4 詳細はこちらをご参照ください。

※5 詳細はこちらをご参照ください。

 

● 本検証は、あくまでシミュレーション上の検証となります。実使用環境とは異なります。

● プラズマクラスターロゴ(図形)およびプラズマクラスター、Plasmaclusterはシャープ株式会社の登録商標です。

共同研究の目的と役割

十分な換気ができない室内などの空間において、エアコンの気流がウイルス飛沫粒子にどのような影響を与えるかについて関心が高まっています。そうした中、当社は、空気清浄機搭載エアコン『Airest』や空気清浄機のウイルス飛沫粒子の捕集における有効性について確認するため、ウイルス飛沫粒子解析の専門家である京都工芸繊維大学の山川勝史准教授と共同で、居住空間内においてエアコンや空気清浄機の気流がウイルス飛沫粒子に与える影響について検証を実施しました。

当社は、エアコンおよび空気清浄機の気流の速度や方向を計算し、実使用を想定した居住空間内での気流の動きを解析(下図左)。山川准教授には、当社が解析したデータに基づきウイルス飛沫粒子を放出した際の動き(機器での捕集、周囲への付着)を解析いただきました(下図右)。

 

* ウイルス飛沫粒子について、浮遊しているものを赤色、付着したものは青色にて表現しています。

シミュレーションに使用した機器とその特長

今回のシミュレーションでは、空気清浄フィルターを搭載していない一般的なエアコンと、空気清浄フィルターを搭載したエアコン『Airest<L-Pシリーズ>』を比較。また、機器の真上方向に風を送り出す空気清浄機と当社独自の後ろななめ20°(コアンダ)気流の空気清浄機<KI-NP100>を使用し、解析・比較を行いました。

 

※6 噴流(空気流、水など)を天井や壁などの面に沿って吹き付けると噴流の出口や下流の面が曲面であってもかなりの範囲にわたって面に沿って流れるという噴流の性質効果

シミュレーション条件と結果

リビングダイニング(14畳)において、ダイニングテーブルに座った人の位置・高さからウイルス飛沫粒子が飛散された状況を想定。ウイルス飛沫粒子について、浮遊しているものを赤色、付着したものは青色にて表現しています。

シミュレーション1

<概要>暖房/冷房運転時における、一般的なエアコンと空気清浄機搭載エアコン『Airest』の比較

<結果>一般的なエアコンでは、気流に乗ってエアコンに吸い込まれたウイルス飛沫粒子が捕集されず、エアコンの風に乗って再び部屋中に飛散するのに対し、『Airest』では、部屋の空気を循環させ空気清浄フィルターでウイルス飛沫粒子を効果的に捕集できることが確認された。

▼「暖房」運転時(風向:下向き)におけるウイルス飛沫粒子の動き

 

 

▼「冷房」運転時(風向:上向き)におけるウイルス飛沫粒子の動き

 

 

シミュレーション2

<概要>「真上吹き出し気流」の空気清浄機と「後ろななめ20°(コアンダ)気流」の空気清浄機の比較。

<結果>「真上吹き出し気流」については、天井面に当たったウイルス飛沫粒子が多方面に飛散しているのに対し、「後ろななめ20°(コアンダ)気流」については、壁・天井をつたって空気が循環し、飛沫粒子を飛散させずに効果的に捕集できることが確認された。

 

シミュレーション3

<概要>一般的なエアコンと「後ろななめ20°(コアンダ)気流」の空気清浄機を併用した際の、空気清浄機の最適な設置位置を検証。

<結果>エアコンの風向を上向きにし、空気清浄機をエアコンの真下に設置すると、部屋の空気を素早く循環する気流が生まれ、ウイルス飛沫粒子を効果的に捕集できることが確認された。

 

 

本製品に関する情報は、以下のウェブサイトでもご覧いただけます。

(エアコン)https://jp.sharp/aircon/

(空気清浄機)https://jp.sharp/kuusei/

(注)
ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日時点の情報です。ご覧になった時点で、内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承下さい。

このページの先頭へ