ホーム > ニュースリリース > 2022年9月 > E InkとSDTCが次世代電子ペーパー向け酸化物バックプレーンで協業

ニュースリリース

ここをクリックすると印刷できます

2022年9月27日

E Ink Holdings Inc.

シャープ株式会社

E InkとSDTCが次世代電子ペーパー向け酸化物バックプレーン※1で協業

 

 電子ペーパー分野の創始者かつ開拓者であり世界最大手であるE Ink Holdings Inc.(本社:台湾 新竹市、CEO:Johnson Lee、以下「E Ink」)と、ディスプレイ分野のリーディングカンパニーであるシャープディスプレイテクノロジー株式会社(本社:三重県亀山市、代表取締役社長 王建二、以下「SDTC」)は、今後、相互に協力し、電子書籍リーダーや電子ノートに利用される電子ペーパーモジュールに、SDTC製のIGZO※2バックプレーンを採用してまいります。

 E Inkは10年以上もの間、電子泳動技術への酸化物TFTの活用を検討しており、同技術を用いた電子ペーパー製品を拡大予定です。酸化物TFTは、2012年にシャープ株式会社が世界に先駆けてディスプレイ向けの量産に成功しており、高い移動度(つまり、特定材料中での電子の移動しやすさ)やトランジスタの低いリーク電流により、より小さいトランジスタで同じ電流を供給できます。これは、ディスプレイとしてより高速なスイッチングが可能であり、また、低消費電力化によって、持続可能な環境保全に貢献することを意味します。E InkとSDTCはこの2年間、酸化物TFTの電子ペーパーディスプレイ向けの商用化に向けて取り組んでまいりました。

 E InkのCEOであるJohnson Leeは、「SDTCとの提携は、電子ペーパーの表示性能の向上に向けたE Inkの強い意思を示すものです。SDTCでは、さまざまなタイプのディスプレイや電子回路に酸化物TFTを展開することを目指すとしており、酸化物TFT開発に投資していくことをコミットしています。SDTCとのパートナーシップを楽しみにしています」と述べています。

 SDTCの代表取締役社長である王建二は、「次世代電子ペーパーディスプレイの製品化に向け、E Inkの酸化物TFTのパートナーにSDTCが選ばれたことに興奮しています。SDTCは、酸化物TFTの研究開発において、先駆者かつリーダーであり、酸化物TFTを最初に量産したディスプレイメーカーです。E Inkは電子ペーパーディスプレイの市場リーダーであり、両社協業はごく自然なことです」と述べています。

 過去5年間で、1億3,000万台の電子書籍リーダーが世界で利用され、紙の書籍から置き換わっています。紙の書籍は電子書籍の10万倍以上のCO2を排出しており、その期間、電子書籍リーダーは、CO2の排出削減に大きく貢献したと見積もられています。特にカラーコンテンツの電子書籍リーダーへの移行は環境面で大きなインパクトがあります。

 今後、E InkとSDTCは、小売や交通機関の分野での大型サイネージに向けて、IGZOの適用を検討してまいります。また、シャープグループにおいても、様々な電子ペーパー用途でのE Ink社との協業モデルを検討してまいります。

 なお、今回の協業に基づく次世代電子ペーパーは、本年10月18日(火)~21日(金)に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される「CEATEC 2022」にて出展を予定しています。

「CEATEC 2022」出展品(予定) : 次世代電子ペーパー

 

画面サイズ

8 インチ

表示解像度

300 ppi

画像更新時間

0.35 秒(白/黒)/ 0.5~1.5秒(カラー)

動作温度

0~50 ℃

 

※1 ディスプレイの表示信号を制御するための基板回路。

※2 In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)、O(酸素) により構成される酸化物半導体。液晶などのディスプレイを駆動するTFT(薄膜トランジスタ)の材料として用いられます。

E Inkについて

E Ink Holdings Inc. は、MIT のメディアラボの技術に基づき、電子書籍リーダーや電子ノート、小売店、家庭、病院、輸送機関など様々なアプリケーションに理想的なディスプレイを提供しており、これまでは不可能だった場所へのディスプレイの設置を可能とします。E Inkの電気泳動型ディスプレイ製品は、電子ペーパーの世界的リーダーであり、この低消費電力のディスプレイにより、顧客は持続可能性の目標を達成することができます。E Inkは、2030 年に 100% 再生可能エネルギーを使用し、2040 年までに正味ゼロ炭素排出量を達成することを約束しています。

E Inkは The Climate Pledge(気候変動対策に関する誓約)のメンバーであり、Science Based Targets Initiative (SBTi) に参加しています。そして2022 年にFinancial Times、Nikkei、Statistaの共同調査により、「アジア太平洋地域気候変動リーダー企業」の1社に挙げられています。

E Inkは台湾のタイペイエクスチェンジ(TPEx)とルクセンブルグ市場に上場しており、現在、電子ペーパー端末の世界最大のサプライヤーです。スローガンは、”E Ink. We Make Surfaces Smart and Green”。詳細については、https://www.eink.com をご覧ください。

SDTCについて

シャープディスプレイテクノロジー株式会社は、シャープ株式会社のディスプレイデバイス部門の分社化により、2020年10月より新会社として事業を開始しました。1973年に電卓での液晶ディスプレイの実用化を皮切りに50年近く、シャープはIGZO技術をはじめとした最先端のディスプレイ技術によって、ノートPCやスマートフォン、テレビなどの様々な電子機器の進化を先導しています。このような最先端の価値提供に加えて、環境にやさしい生産現場や製品づくりにも配慮した事業活動を展開しており、社会に、未来に、地球環境に貢献する企業を目指しています。詳細については、https://sdtc.jp.sharp/ をご覧ください。

 

(注)
ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日時点の情報です。ご覧になった時点で、内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承下さい。

このページの先頭へ