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ニュースリリース

2022年10月31日

シャープ株式会社

企業や教育・研究機関での実験作業の簡略化や時間短縮、コストダウンに貢献

目標湿度に調節・維持するビーズ型調湿材『TEKIjuN』を製品化

左:ビーズ型調湿材『TEKIjuN』、右:製品パッケージ

 シャープは、密閉された空間を目標湿度に調節・維持できるビーズ型調湿材『TEKIjuN(適潤)』を製品化します。本製品は、企業や教育・研究機関に対して理化学機器・用品を幅広く販売するアズワン株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:井内卓嗣)が、「湿度調整ビーズ」として明日11月1日より販売します。

 『TEKIjuN』は、乾燥だけを目的とする乾燥剤とは異なり、空間を設定された目標湿度に調節・維持する調湿材で、「ビーズ型」と「シート型」があります。これまでの調査を通じ、微生物や青果物などのバイオ・農業からセンサーやレンズなどの電子・光学機器まで、多岐にわたる分野の研究・開発者より、「実験や試験において、対象物周囲の湿度を容易に一定に維持したい」との要望を数多くいただいたことから、まずはビーズ型を製品化することとしました。

 今回、製品化するビーズ型『TEKIjuN』は、目標湿度約50%RH※1、約70%RH、約90%RHの3種類で、幅広いニーズに対応します。使用する密閉容器の容積に応じて、粒径約3.5~5.5mmの球状の『TEKIjuN』を適量、容器内に設置するだけで、目標湿度に調節します。これにより、同じ機材で試験を繰り返したり、高額な試験装置を複数用意したりすることが不要になるなど、作業の簡略化や時間短縮、コストダウンに貢献します。

 『TEKIjuN』は、研究・開発用途に加え、工業製品や工芸品、嗜好品、食品などの品質保持を前提とした保管や輸送といった、幅広い用途での活用も見込まれています。今後、「最適湿度管理」の市場開拓と事業拡大を加速してまいります。

※1 RH:相対湿度(relative humidity)。空気中に存在可能な水分の最大質量(飽和水蒸気量)に対する、実際に存在する水分の割合(単位:%RH)。飽和水蒸気量は温度により変化するため、空気中に存在する水分の質量が同一でも、温度変化にともない相対湿度も変化します。

利用メリット

本製品をグローブボックス※2やタイトボックス※3など、使用する密閉容器の容積に応じて適量を設置するだけで、容器内を目標湿度に調節し、かつ外気温の変化にともなう容器内の湿度の変化を抑制します。電力や水を用いた湿度制御を行うことなく、目標湿度に調節、維持することが可能です※4

外気温の変化にともなう密閉容器内の相対湿度変化

 

また、目標湿度が異なる『TEKIjuN』をそれぞれ別の密閉容器に設置することで、同時に3通りの湿度環境を作り出せるため、従来のように高価な恒温恒湿槽を3台用意したり、時間をかけて3回試験をしたりする必要がなくなり、比較実験の効率化が可能です。たとえば、今回の製品では、湿度約50%RH~約90%RHでの湿度影響の傾向も一度に把握でき、実験作業の簡略化や時間短縮、コストダウンを実現できます※5

恒温恒湿槽3台、または3回必要だった試験が、『TEKIjuN』を利用することで、恒温槽1台で同時に実施可能

 

※2 内部に腕が入れられるようになっている密閉容器。外気との接触で影響を受けるものを用いた試験などで使用されます。

※3 電子部品や精密機器のような外気の影響を受けやすい製品の保管などに利用される、気密性に優れた密閉容器。

※4 使用する容器の密閉度や温度環境、湿度環境、設置環境により、調湿効果は変動します。

※5 恒温恒湿槽とは湿度の精度が異なる可能性があります。また一定期間後、調湿材の交換が必要です。

お客様からのお問い合わせ

TEKIjuN 担当窓口 info_tekijun@sharp.co.jp

(注)
ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日時点の情報です。ご覧になった時点で、内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承下さい。

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