シャープは、本年9月29日(月)から10月3日(金)まで、オーストラリア・シドニーのInternational Convention Centre Sydneyで開催される「第76回 国際宇宙会議(IAC 2025)」の宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)ブースに出展し、最新の宇宙用薄膜化合物太陽電池3タイプを紹介します。
左:シャープの宇宙用ソーラー技術 イメージ
右:ブース イメージ
(展示場所:International Convention Centre Sydney Stand:154内「M-8」ブース)
「国際宇宙会議(International Astronautical Congress)」は、1950年に開始。宇宙産業や宇宙科学における最新の研究成果や技術革新の共有を目的に開催され、世界の宇宙関連機関や企業、教育機関など、多くの関係者が参加します。当社は、1972年にJAXAより宇宙用シリコン太陽電池の部品認定を受けて以来、50年以上にわたり宇宙用太陽電池を供給しています。本会議では、最新の薄膜化合物太陽電池3タイプを出展。宇宙でのさまざまな用途に応じた提案をおこないます。
■ 主な出展内容
以下、3タイプの薄膜化合物太陽電池を展示します。
1.フィルムシートタイプ
薄いフィルムで太陽電池セルを封止したシート構造で、軽量かつ曲面への搭載も可能な柔軟性を備えています。2024年1月に月面への高精度着陸に成功した小型月着陸実証機「SLIM」に搭載されました。月面着陸後も数カ月にわたり地球との交信に必要な電源を供給し続けるなど、過酷な環境下における確かな信頼性を実証しています。
2.ガラスシートタイプ
表面保護に特殊なガラスを使用したシート構造で、耐放射線性にも優れています。高効率かつ軽量で、湾曲性にも優れており、惑星探査や深宇宙探査などの長期ミッションに適した構造です。JAXAが2028年度に打ち上げを目指している深宇宙探査技術実証機「DESTINY+」への搭載が予定されています。
3.ガラス封止セルタイプ
各セルにカバーガラスを接着した、CIC(Coverglass Integrated Cell)構造タイプ。これまで薄膜化合物太陽電池では、その薄さゆえにCIC構造の採用が難しかったところ、当社が独自に開発したセル内配線技術により実現しました。高効率・軽量に加え、人工衛星用パネルでの安定した動作性能が評価され、JAXAの火星衛星探査計画「MMX」(2026年度打ち上げ予定)への採用が決定しています。今回、「MMX」搭載予定の薄膜化合物太陽電池と同構造のモデルを展示します。