環境特集号に寄せて

 最近環境への関心が高まってきています。一昨年の京都会議(COP3)で地球温暖化防止について議論され,先進国は温暖化の原因とみなされるCO2を6%(日本),7%(米国),8%(欧州)削減に同意し,その結果として,昨年省エネ法の改正や地球温暖化対策推進法が制定されました。
 一方,現在の自然環境破壊のもたらす種々影響についての警鐘より,大量生産,大量消費,大量廃棄の社会構造を見直し,持続的発展可能な循環型社会を構築する必要があるという動きが見えてきました。あらゆる資源は有限ですから,
 (1)まず大事に使って廃棄物を出さない
 (2)使用済み商品は部材として再利用する
 (3)利用できない物は原材料へリサイクルする
 という資源循環型社会を目指すということになります。但し,現在のところリサイクルする方が新しく作るよりコスト的に高くつくという問題があります。資源循環型社会を作らなければいずれ地球は行き詰まることは分かっているのですが,経済の仕組みは自然にはそこに向かってはいきません。解決するには意図的な社会の仕組みを作る必要があります。
 又,一昔前の公害問題と同様,ダイオキシン等の健康への影響を与える有害物質への規制についての取組みも重要課題となっており,化学物質の排出・移動登録(PRTR)についても本年法制化が検討されています。
 こういった中で当社は環境問題への取組みを商品開発(グリーンプロダクト活動),生産(グリーンファクトリー活動),全員の行動(グリーンマインド活動),リサイクルシステムの構築の4つにまとめて推進しています。(3G-1R活動)
 メーカの開発目標として,今まではコストパフォーマンスを高めることが大きな視点となっておりましたが,今後21世紀は有効な機能を如何に環境負荷少なく実現できるかが,重要な指標となると考えております。環境負荷はLCA的に測定され,総合的に判断されるべきであり,当面の課題は,エネルギーパフォーマンスを高めることになるでありましょう。
 今回の「環境特集」で環境への取組みを紹介させていただきましたが,事業経営の基本との認識のもと一層の取組み強化を図ることにより,企業の社会的な存続価値が得られることを願っています。




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