高速道路を快走する「Tokai Challenger」
長いレースを無事完走した「Tokai Challenger」
いよいよ最終日の朝を迎えました。昨日のパンクの際にタイヤの破片が当たり、太陽電池モジュールの配線を切断している部分が発見されていましたが、モジュール裏側で修復が難しいと判断。発電への影響も軽微なことから、そのまま走行を開始することにしました。バッテリの残量も多くエネルギー的にもプレトリアに到達できることが予想されていました。ここで一番怖いのは交通量の増加による事故です。そこで、最終ドライバーは篠塚建次郎さんに託し、ゴール地点を目指します。ここで、バドプラースにあるフォーエバーリゾート付近は路面が荒れているため、パンクに注意しなくてはなりません。しかも、昨日のタイヤパンクの際にホイールを損傷してしまったため、予備タイヤホイールも1本しかありません。余裕が無い中で走行を続け、高速道路4号線に乗りました。路面状態も整っていて走りやすいコースです。ここを篠塚建次郎さんは120km/hの速度で走行しました。プレトリア市内に入ると交通量が増え、スピードを落とさなくてはならない場面もありましたが、12:00についにプレトリアのイノベーション・ハブに戻ってくることができました。そこには大会関係者だけでなく、多くのカメラや見物人が待ち構え、チームを迎え入れてくれました。これまでのトータルの公式記録は4061.8kmとなっており、10日間(ケープタウンでの停車日を除くと9日間)におよぶ長いレースを無事に終えることができました。過酷なレースを終えた達成感は、長いレースの疲れを吹き飛ばすかのようでした。チームを指導してきた木村英樹監督は、「3週間におよぶ長いレースを大きなトラブルもなく無事に完走できてよかったです。南アフリカという新しい国で、さまざまな環境に触れることで学生は成長したように思います」と話していました。その後チームは二手に分かれ、ソーラーカー車体の説明要員と荷物整理要員にわかれ、サポートカーの機材の取り外しやステッカー剥がし、輸送用トラック荷室内のソーラーカー固定用鉄パイプアングル解体などが行われました。17:30からは表彰式が行われ、優勝トロフィーや特別賞として急な上り坂や下り坂を完走したことに対してキング・オブ・マウンテン賞などを受賞しました。表彰式の最後には、伊藤樹リーダーから完走や関係者への謝辞を含めたスピーチが行われました。その後、今回、サポートカーとしてプリウスとフォーチュナー(南ア生産モデル)を提供していただいた、トヨタ自動車南アフリカ法人から祝勝ディナーに招待され、副社長からチーム全体に対してお祝いのお言葉などをいただきました。ホテルに戻り、一部のメンバーは徹夜でWEBサイトやビデオレポートなどの更新作業を続けました。