清潔さと省エネって、つながるイメージが湧かないですけど!?
川村:例えば、ホコリが付着したフィルターは空気の通りが悪そうでしょ。エアコンは長年使っているとどうしても空気中のホコリや料理の油などで内部が汚れてしまいます。汚れたままにしておくと、風の通りや熱交換器の働きが悪くなり余計な電力を使ってしまうんです。
では、このエアコンはどうやって清潔さを保ってくれるんですか?
川村:ホコリ対策として、まずフィルターの網目を細かくし微細なホコリの侵入を防ぐようにしました。そしてフィルターの裏面にもブラシを追加し、両面から掃除することでホコリの除去能力をアップしています。さらに、ファンや送風路にチタニアコート※1を施すことでホコリの付着も防いでいます。
※1 最先端の防汚技術である静伝反発型チタニア(酸化チタン複合物)によるコーティング
入社からエアコンの開発に携わって3年まだまだわからないことばかりと話す川村さん
ホコリを取り除くことへの執念を感じますね♪ここまでするのに何か苦労はなかったんですか?
川村:フィルターの目を細かくすると空気が通りにくくなり省エネに影響します。そこで網の糸そのものを細くして送風抵抗を抑えようとしたのですが、細くすると糸が切れやすくなるため細さと強さのバランスをとるのに手間取りました。またチタニアコートには特殊な塗装が必要だったので、塗装に詳しい他部門の社員にも協力してもらいました。
南條:また、この<F-Xシリーズ>はプラズマクラスターイオンを使った内部洗浄やプラズマクラスターパトロール機能を搭載し、カビの発生を徹底的に防いでいます。当社ではこれらの機能をまとめて「風クリーンシステム」と呼んでいるのですが、「風クリーンシステム」がない場合と比べて吹き出す風に含まれる浮遊カビ菌を約99%低減※2できるという実験結果も得ています。
※2●試験依頼先:(一財)日本食品分析センター●試験成績書:第15091203001-0101号(平成27年9月15日発行)●試験方法:当社にて、室温30℃・湿度60%、カビが生育しやすい条件で28日間、冷房運転を8時間/日 実施。F-Xと2014年度D-SX(内部清浄、フィルター掃除、プラズマクラスター切設定)とで、送風運転開始から4分後の吹出す風を試験依頼。風に含まれる浮遊カビ菌数を比較。■試験結果:カビ数を低減。(F-X 200個、D-SX 19300個) 一般的に、お部屋の空気中1m³あたりに100〜1000個のカビがいると言われています。
南條:お客さまからは、"自分でエアコンの掃除をしたいけど、たくさん部品を取り外したりするのは難しそう"、"簡単にお手入れしたい"という声がありましたので、掃除のしやすさも重点テーマにあげて商品開発に取り組みました。
川村:技術部では、掃除する部品を「ワンタッチ」で取り外しできることを目標に、構造を一から見直しました。例えば、これまでのダストボックスは留金をはずしてからBOXを取り外していましたが、留金をなくし「ワンタッチ」で取り外しができるようにしています。また、ふき掃除がしやすいように、できるだけ突起物のない構造に仕上げています。
掃除をしやすくするために突起物を減らした通風口部分
エアコンは高いところにあるので、簡単に部品が取り外せて水洗いができるのは大助かりですね(*^^*)
南條:普段の掃除はエアコンに任せて、年末などさらにキレイにしたいときは、部品を取り外し水洗いするのもいいと思います。そうすればより清潔に保てて省エネにもなります。