プラズマクラスター洗濯乾燥機
ES-PU11B
- 健康・環境システム事業本部
メジャーアプライアンス事業部 -
- 洗濯機商品企画部:鈴木 杏子
- 洗濯機技術部:前川 隆紀
- デザインスタジオ:斎藤 直樹
掲載内容は2017年10月5日時点の情報によるものです。
シャープの環境に配慮したモノづくりへのこだわりや開発の苦労話を開発担当者に聞く、シリーズ「ココにもエコ」。今回はプラズマクラスター洗濯乾燥機<ES-PU11B>の開発を担当した3人にお話を伺いました。
(聞き手:「ココにもエコ」編集担当)
洗濯機のプロに聞く。洗濯の疑問!?
最近、さまざまな種類の「洗濯槽クリーナー」が発売されていますね。洗濯槽の裏側をきれいにするようですが、そもそもなぜ裏側が汚れるのか長い間疑問でした。この機会に教えてください。(・・?
鈴木(商品企画担当):ズバリ!洗濯槽の構造に原因があります。下の図をご覧の通り、一般的なタテ型洗濯機は槽が二重になっています。いつも目にしているのは内側の槽(洗濯槽)です。実は一般的な洗濯機の洗濯水は、外側の槽(外槽)まで満たされています。
えっ!?なぜ外槽まで水を満たす必要があるんですか? ムダな水が必要だし、洗濯槽の裏側が汚れる原因になるじゃないですか!目の届かない部分だし、放っておくとヌルヌルしそう(+o+)
鈴木:脱水するためには、この構造が必要なんです。洗濯槽の回転で得られる遠心力を利用して、洗濯槽の穴から脱水するのが一般的です。その水は外槽から排水されます。
洗濯槽クリーナーが必要な理由は分かりました。。。
しかし、色々な技術が進歩しているのに、そのムダな水、なんとかなりませんか?
四半世紀前からのロングセラー商品
鈴木:シャープでは、25年も前からなんとかしています!!きっかけは、1992年の水不足でした。社会のニーズに応えるべく「世の中にない節水性能」をテーマに、全く新しい洗濯機の開発に取りかかりました。
そこで先ほどの洗濯槽と外槽の間にたまるムダ水に着目したわけですね!
鈴木:その通り!洗濯槽から穴をなくし、外槽に水が溜まらないようにすればよいという発想にたどりつきました。しかし、必ず排水は必要です。はじめは、洗濯槽の上部から排水させることを考えました。
商品企画担当の鈴木さん
上から排水??どういうことでしょうか?
鈴木:コップに水を入れて、スプーンで素早くかき混ぜると水がこぼれます。これと同様です。洗濯槽を高速回転し遠心力で水をこぼすイメージです。しかし、大量の水が入った重たい洗濯槽を高速回転させると槽のバランス保持が非常に困難で、一時は開発を断念しました。
25年前から変わらない絶妙な設計
前川(技術担当):諦めきれなかった技術者が見つけた答えが、洗濯槽の底から集中排水する仕組みです。ただし、洗濯をしているときに底から水が漏れてはいけません。排水口の周りを三重構造のシールで密閉する独自の構造を開発しました。計算し尽くされたこの設計は25年間変えていません。
技術担当の前川さん
本当だ。バウムクーヘンみたいな層になっていますね!
前川:もうひとつ秘密があります。実は、洗濯槽は約1度の傾斜をつけたすり鉢状の形にしています。排水した後、衣類に残った水を脱水する時に、高速回転する洗濯槽から衣類は飛びださず、水分のみが排出される究極の角度なんです。この角度も25年間変わっていません。
■穴なし槽の集中排水と脱水の仕組み
- ① 槽の底から集中排水
- ② 強い遠心力で、槽の上部から脱水