シャープライフサイエンス株式会社※2は、農作物の生育に必要な土壌中の養分6種類(硝酸態窒素、アンモニア態窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム)について、わずか10分間で過不足を測定できる土壌分析装置<EW-THA1J>を発売します。
面積の限られた日本の農地では、長年にわたる連作※3や過度な施肥などの影響により、一部に養分過多や成分バランスの乱れが生じています。そのため、農作物の生育障害や収穫量の減少が懸念されており、土壌分析に基づく適切な施肥の必要性が高まっています。現在、土壌分析は専門機関に委託するのが一般的で、近隣に分析機関がなかったり、測定に数週間を要したりすることから、土壌分析を実施する農家は、全体の1割※4程度に留まっています。
本機は、光センシング技術と独自のカートリッジシステムにより、土壌に含まれる6種類の養分の量を、わずか10分間で簡単に測定することが可能です。試薬の入ったカートリッジと、土を希釈液に浸してろ過した溶液(試料液)を本体にセットすると、養分と試薬が混ざり合い、発色します。そこにLED光を照射して光の透過度をセンシングすることで、6種類の養分の量をそれぞれ計測できます。計測結果は、「分析レポート」としてその場ですぐに確認※5することが可能です。また、各養分の過不足をチャートで示すほか、作物の種類に適した肥料の種類や施肥量を提案します。
本機を10月11日から13日まで幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催される農業に関する展示会「第7回農業ワールド※6」に出展します。
品名
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土壌分析装置
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形名
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EW-THA1J
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希望小売価格
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本体:オープン カートリッジ:オープン 希釈液:オープン
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発売時期
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2017年12月下旬
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月産台数
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30台
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■ 主な特長
1.農作物の生育に必要な6種類の土壌養分の過不足をわずか10分間で測定
2.光センシング技術と独自のカートリッジシステムを採用。試薬の入ったカートリッジと土を希釈液に浸してろ過した溶液(試料液)をセットするだけで簡単に計測可能
3.各養分の量をチャートで示すほか、作物の種類に適した肥料の種類や施肥量を提案
※1 カートリッジをセットしてから養分濃度を算出までの時間です。
※2 ヘルスケア、メディカル関連製品を製造販売する、シャープ株式会社の関係会社。本社:兵庫県神戸市。代表取締役:林家慶。設立:2016年9月。
※3 同一の農地に同一の作物を繰り返し栽培すること。
※4 当社推定。
※5 本機の操作および「分析レポート」の確認には、別途、パソコンやプリンタが必要です。
※6 展示会の詳細はウェブサイトでご覧いただけます。 http://www.nogyoworld.jp/tokyo/ 
1.農作物の生育に必要な6種類の土壌養分の過不足をわずか10分間で測定
農作物の生育に必要な6種類の土壌養分(硝酸態窒素、アンモニア態窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム)の過不足を、わずか10分間で測定できます。
<各要素の主な役割>
硝酸態窒素 :タンパク質・核酸・葉緑素などの主要構成元素、生育の促進(即効性が高い)
アンモニア態窒素:タンパク質・核酸・葉緑素などの主要構成元素、生育の促進
リン酸 :核酸・核タンパク・リン脂質の構成成分、エネルギー代謝に関与、開花結実の促進
カリウム :光合成・炭水化物の蓄積に関係、開花結実の促進
カルシウム :植物細胞膜の形成糖に関与、根の生長促進
マグネシウム :葉緑素構成成分、光合成に関与
2.光センシング技術と独自のカートリッジシステムを採用。試薬の入ったカートリッジと土を希釈液に浸してろ過した溶液(試料液)をセットするだけで簡単に計測可能
6種類の試薬が入ったカートリッジと、希釈液に浸してろ過した土の溶液(試料液)を本体にセットすると、土から溶けだした養分と試薬が混ざり合い、発色します。そこにLED光を照射して光の透過度をセンシングすることで、6種類の養分の量をそれぞれ計測できます。

独自のカートリッジシステムによる6種類の土壌養分一括計測
3.各養分の量をチャートで示すほか、作物の種類に適した肥料の種類や施肥量を提案
測定結果は、「分析レポート」としてパソコンの画面上や出力した用紙ですぐに確認できます。各養分の測定値や基準値をチャートで示すほか、作物の種類に適した肥料の種類や施肥量を提案します。
<分析レポート イメージ(パソコン画面)>

■ 土壌分析装置の仕様、測定項目
製品概要
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形名
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EW-THA1J
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外形寸法
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幅316mm ×奥行162mm ×高さ152mm
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質量
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約4.5kg
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外部I/F
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USBホストコネクタ(PC接続用:1点)
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電源
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AC100V 50/60Hz
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消費電力
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測定モード:13.2W 排液モード:12.5W
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環境条件※7
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使用温湿度: 5~30℃、20~85% RH(ただし、結露しないこと) 保管温湿度: 0~50℃、20~85% RH(ただし、結露しないこと)
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測定光源
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3色LED(R、G、B)選択制御
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設置場所
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直射日光、粉塵、水、温度変化を避ける
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分析
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分析方法
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LED/フォトディテクタによる吸光計測
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処理能力
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6項目/約10分
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測定対象
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対応測定物
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土壌
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サンプル量
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1.0g(付属の土壌さじ すり切り1杯分)
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試薬
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分析試薬
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使い捨てカートリッジ(別売)
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専用希釈液(別売)
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保管環境
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直射日光を避け、冷暗所(20℃以下)で保管
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測定項目・範囲
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硝酸態窒素
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1~50mg/100g乾土
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アンモニア態窒素
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1~50mg/100g乾土
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可吸態リン酸
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1~300mg/100g乾土
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交換性カリウム
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1~200mg/100g乾土
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交換性カルシウム
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1~600mg/100g乾土
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交換性マグネシウム
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1~80mg/100g乾土
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※7 屋内の直射日光があたらない環境でお使いください。屋内でも、窓際などの直射日光があたる環境や、日光の影響を強く受けやすい環境、スポットライト下など、照度が高いもしくは変動している環境ではお使いいただけません。
■ お問い合わせ先
お客様 : シャープライフサイエンス株式会社 マーケティング統轄部 国内営業部(043)299-8010