窪田:今回の商品企画の特長を一言でいうと、軽量化やサイズ感、外観などのデザイン面を優先したということです。
デザイン担当の小井沼さんとしては、相当なプレッシャーがかかりませんでしたか?
小井沼:いいえ、俄然やる気が出ました!ハンディターミナルのデザインは初めてだったんですが、「絶対いい商品を作ってやろう」と気合が入りましたね(笑) それに初めてハンディターミナルを見たときは、デザインの改良点がいっぱいあるなと思いましたし。
小井沼さんは、以前プラズマクラスターイオン発生機のデザインを担当していたそうです。
こうやって並べてみると、RZ-H250シリーズはかなりデザインが変わりましたね(°□°)
小井沼:でしょう♪まず女性ユーザーが多いことを想定し、持ちやすいように商品全体に丸みをもたせました。実際に試作品を社内売店の女性店員に持ってもらったり、いろんな方の意見を聞いてデザインを仕上げました。
宇田川:実はこのデザインへのこだわりが、エコにつながったんですよ。例えば、この丸みを帯びたデザインは長寿命型バッテリーの採用のきっかけになりましたし、持ちやすさの追求は内部の基板や部品の大幅な小型化を実現したんです!
ハンディターミナルのデザインの比較
左から 2世代前、1世代前、RZ-H250シリーズ
デザインの検討段階に制作したデザイン試作の数々
四方(ハードウェア開発担当):実は、このモデルは発売まであと一歩までこぎつけたところで、大幅な見直しをかけた経緯があります(^^;)機能面の充実を図っていたら少しずつ重たくなって、目標レベルに到達しなかったんです。私としては、従来より小型になっていましたし、機能面との両立を考えると、少し重たくても仕方がないと思ったんですが、企画や営業から「待った!」がかかってしまいました。
窪田:商品企画としても、技術者の苦労は分かっていましたが、「女性が持ちやすい」というコンセプトは絶対に譲れなかったんです。
高原:当時は営業側も複雑な心境だったんですよ。。。すでに商談をスタートさせていたので、発売遅れは避けたいという気持ちがありました。でも結果として、お客さまに良い評価をいただいていることを思うと、作り直したことは間違いではなかったと確信しています。
全ての回路部品の質量を測って改良し、基板の大きさを半分にしたと語る四方さん
量産前に作り直しになったときは、率直にどう思いましたか?
四方:・・・相当難しいミッションになるなと思いましたね。ただ、諦めるわけにいかないので、全部品の質量を測り直し、無駄がないか細部にわたり徹底的に調べ直しました。軽量化ができそうなところを探しだすためにスケルトン型の試作機も作ったんですよ。
具体的には、どんな改良を加えたんでしょうか?
四方:マグネシウム合金のシャーシー(筐体)に穴をあけたり、電池の瞬停対応※のために2つ使っていたコンデンサを1つにしたり、できるところは全て小型・軽量化しました。結果、前モデルから基板の面積を半分程度にまで削減することができました。
※一時的に電源が切れた場合に、それまでの作業を記憶しておく機能
スケルトン型の試作機(裏面)
軽量化のため、穴をあけたマグネシウム合金のシャーシー
(左)前モデル本体とその基板
(右)RZ-H250シリーズ本体とその基板