進化したデザインが生んだエコ 業務用携帯端末(ハンディターミナル)

過去最高の連続駆動とバッテリーの長寿命で、快適&エコ

宇田川さんはフラッシュメモリーや無線LANを制御するソフトなどを開発しています。

(左)前モデルのバッテリーパック
(右)RZ-H250シリーズのバッテリーパック

このRZ-H250シリーズでは、連続駆動が従来から2倍以上となる約30時間を達成したそうですね。

宇田川:これまでの商品は、連続駆動が約12時間だったので大幅な改良が必要でした。お客さまのどのような使用にも充電なしで1日耐えられるよう、本体の省エネはもちろん、どのような電池を採用して、どういう設計で、ソフトウェアをどう制御すればよいか、相当悩みましたね(>_<)

四方:駆動時間だけを考えると単純にバッテリーを大きくすればよいのですが、そうすると重さやサイズが問題となります。ところが、丸みを帯びたデザインに合うバッテリーを探すなかで、円筒形のバッテリ―の採用をひらめいたんです。円筒形バッテリーは同じ体積でもたくさんの電力が蓄えられるので、バッテリーの質量や大きさを抑えながら連続約30時間駆動を実現できたんです。

宇田川:バッテリーに関して言えば、今回新たに取り入れた長寿命モードにより、充電回数を従来比約30%増の約1,000回に増やすことができます。1回の充電で使用できる時間は若干短くなるものの、バッテリー自体の寿命を延ばすことが可能になりました。

高原:バッテリーの寿命は、お客さまの関心が高いポイントです。連続駆動時間が伸びたことにより長寿命モードでも1日の使用に十分耐えられるので、こちらを選ぶ方も多いですね。長寿命モードはバッテリーの劣化を抑制できるため、買い替えサイクルが長くなるんです。ランニングコストが軽減され、お客さまにとても喜んでいただいています。

窪田:結果として廃棄するバッテリーも減るわけですから、環境にやさしいエコな商品とも言えますね。

そのほか「ココにもエコ」な点があるとか??

窪田:見えない部分ですが、5連充電器には、使用済みの薄型テレビからシャープ独自の技術で再生したリサイクルプラスチックを使用しています。もしかしたら、この充電器はみなさんのご自宅にあった薄型テレビのバックキャビネットから作られたかもしれないんですよ(*^^*)

※使用済み冷蔵庫、洗濯機、薄型テレビなどから回収したプラスチックを、新しい商品部材として何度も繰り返し利用することを可能にした自己循環型マテリアルリサイクル(CMR:Closed Material Recycle)技術(詳しくはこちら

リサイクルプラスチックを採用した5連充電器

最後に、皆さん商品企画、技術、営業、デザインとそれぞれの立場で、今後やりたいことや挑戦したいことを教えてください

四方:今回、苦労のかいもあってとても良い商品ができたと思います。私はこのハンディターミナルは日本一だと思っているので、次は世界一の商品を作ってより多くの人に使っていただきたいです。

宇田川:ハンディターミナルの目的は業務の効率を上げたり、コストを削減したり、お客さまにより良いサービスを提供することです。機械に任せられることは機械に任せて、ヒトはもっとクリエイティブな仕事に時間を割けるように、お客さまの業務効率化をお手伝いする商品や仕組みを追求したいです。

小井沼:ユーザーがストレスを感じず仕事ができるハンディターミナルにすることが大切だと思います。そういう意味では、今の形が完成形ではないと思うので、両手フリーで操作できるウェアラブルのような形も検討したいです。

窪田:バーコードを目で認識したり、瞬きで発電したり、網膜を認識してセキュリティをチェックできるようなコンタクトレンズ型もいいですね!夢のようですがいつか実現したいです。

高原:ハンディターミナルといえばシャープというように、業界のスタンダートを目指したいですね。そのためにもっともっと、いろんな業界の方に使っていただけるように提案していきたいです。自分が販売した商品がお店で使われているのを見るのは嬉しいですからね

ありがとうございました。

インタビューを終えて:「ココにもエコ」編集担当

今回の取材を通じて「お客さまがもっと快適に使用できるように」という、商品企画、技術、デザイン、営業担当者のこだわりが、斬新なデザインと環境配慮性を兼ね備えた新しいハンディターミナルを生み出したように思いました。5人が開発したハンディターミナルについて、詳しくは商品サイトをご覧ください。また、ハンディターミナルの開発をしている奈良工場の環境取り組みについては、「工場からエコ」サイトをご覧ください。

掲載内容は平成27年7月1日時点の情報によるものです。

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