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第112期有価証券報告書(平成17年4月1日〜平成18年3月31日)

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、IT関連の在庫調整などにより夏頃までは不透明感が見られたが、企業収益の回復を背景に設備投資の増勢が続き、個人消費も堅調に推移するなど、民間需要を中心に着実な回復が進んだ。また、米国経済については、原油高などのマイナス要因もあったが、内需の底堅い動きに支えられ、総じて拡大基調が続いた。さらに、欧州やアジア諸国の景気についても、概ね順調に推移した。

こうした中、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)では、新たなライフスタイルを提案するオンリーワン商品の創出と、これを支える高付加価値デバイスの開発強化に取り組んだ。エレクトロニクス機器では、本格的なデジタルハイビジョン時代の到来に合わせ、先進のフルハイビジョン液晶カラーテレビのラインアップをより強化し、世界市場での販売拡大を図った。また、独自の高機能デバイスを搭載した携帯電話などの特長商品の拡充に努め、一層の収益力向上に取り組んだ。一方、電子部品等では、大型液晶カラーテレビ用の液晶パネルの旺盛な需要に対応し、亀山第1工場の生産能力を段階的に拡大すると共に、さらに安定した供給体制を構築するため、新たに第2工場の建設に着手した。また、太陽電池についても、薄膜太陽電池モジュールの量産を開始するなど、引き続き積極的な事業活動を推進した。

その結果、当連結会計年度の業績は、売上高が2,797,109百万円(前年度比 110.1%)となった。また、利益については、営業利益が163,710百万円(前年度比 108.4%)、経常利益が150,852百万円(前年度比 107.4%)、当期純利益が88,671百万円(前年度比 115.4%)となった。

 

事業の種類別セグメントの業績は、概ね次のとおりである。

?エレクトロニクス機器

パソコンが低迷したものの、大型の液晶カラーテレビや複写機・複合機が好調に推移すると共に携帯電話も伸長した。また、電化機器では、独自技術を生かした高付加価値商品が堅調な伸びを示した。

この結果、売上高は1,742,849百万円(前年度比 108.1%)となり、営業利益は62,299百万円(前年度比 109.2%)となった。

?電子部品等

フラッシュメモリは低調に推移したが、大型液晶カラーテレビ用の液晶パネルやCCD・CMOSイメージャが伸長すると共に、モバイル機器用の液晶パネルや太陽電池が好調に推移した。

この結果、売上高は1,358,070百万円(前年度比 113.4%)となり、営業利益は101,914百万円(前年度比 109.0%)となった。

 

所在地別セグメントの業績は、概ね次のとおりである。

?日本

パソコンが低迷したものの、大型の液晶カラーテレビや太陽電池が好調に推移し、大型液晶カラーテレビ用及びモバイル機器用の液晶パネルや携帯電話が伸長した。

この結果、売上高は2,451,040百万円(前年度比 108.6%)となり、営業利益は146,370百万円(前年度比 105.5%)となった。

?米州

液晶カラーテレビや液晶パネルの売上が伸長し、複写機・複合機や太陽電池も好調に推移した。

この結果、売上高は416,820百万円(前年度比 120.4%)となり、営業利益は3,358百万円(前年度比 132.0%)となった。

?アジア

液晶パネルの売上が伸長したことにより、売上高は295,246百万円(前年度比 109.6%)となり、営業利益は2,883百万円(前年度比 108.7%)となった。

?欧州

液晶カラーテレビや液晶パネル、太陽電池及びCCD・CMOSイメージャの売上が好調であった。

この結果、売上高は429,033百万円(前年度比 120.5%)となり、営業利益は5,856百万円(前年度比 300.8%)となった。

?その他

液晶パネル及び複写機・複合機が好調であった。

この結果、売上高は394,462百万円(前年度比 141.6%)となり、営業利益は7,201百万円(前年度比 117.4%)となった。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、設備投資や財務活動による支出などがあったものの、営業活動による収入などにより、前連結会計年度末に比べ4,154百万円(1.4%)増加し、当連結会計年度末には299,466百万円となった。

(営業活動によるキャッシュ・フロ−)

当連結会計年度において営業活動による資金の収入は、263,753百万円であり、前連結会計年度に比べ44,555百万円(20.3%)増加した。これは、主に、たな卸資産の増減額が47,762百万円の増加から2,693百万円の減少に転じたことによるものである。

(投資活動によるキャッシュ・フロ−)

当連結会計年度において投資活動による資金の支出は、229,386百万円であり、前連結会計年度に比べ29,622百万円(△11.4%)減少した。これは、主に、設備投資に伴う現金支出が減少したことによるものである。

(財務活動によるキャッシュ・フロ−)

当連結会計年度において財務活動による資金の支出は、33,760百万円であり、前連結会計年度に比べ91,301百万円増加した。これは、主に、コマーシャルペーパーの純増加額が減少したことによるものである。

 

(注) 消費税等の会計処理は税抜方式によっている。以下「第2 事業の状況」及び「第3 設備の状況」に記載されている金額も同様である。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりである。

 

事業の種類別セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

エレクトロニクス機器

1,721,382

+8.3

電子部品等

1,039,450

+8.9

合計

2,760,832

+8.5

(注) 1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去している。

2 上記の金額には、外注製品仕入高等を含んでいる。

 

(2) 受注状況

当社グループは原則として見込生産である。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりである。

 

事業の種類別セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

エレクトロニクス機器

1,736,763

+8.5

電子部品等

1,060,346

+12.9

合計

2,797,109

+10.1

(注) セグメント間の取引については相殺消去している。

 

3 【対処すべき課題】

今後の当社グループ(当社及び連結子会社)を取り巻く経営環境を展望すると、わが国経済については、民間需要を中心に引き続き回復基調を辿るものと予想される。また、海外においては、原油及び素材価格の高騰など、先行き不透明感は拭えないものの、米国経済を中心に、概ね堅調に推移するものと思われる。

こうした情勢下、当社グループでは、一層の飛躍を図るべく、引き続きオンリーワン戦略を推し進め、収益力の向上と企業価値の増大に取り組んでいく。

(1) グローバル市場における競争優位の確立

当社グループは、世界で際立った存在感を示す「価値あるオンリーワン企業」をめざし、独自技術を活かした最先端デバイスの開発を一段と強化すると共に、新時代にふさわしい特長商品の創出をより加速させ、グローバル市場における競争優位の確立に取り組んでいく。特に、コアコンピタンスである液晶については、さらなる技術開発の強化はもとより生産体制の拡充やコスト競争力の向上に努め、高品位な大型液晶カラーテレビをはじめとする液晶応用商品をグローバルに展開していく。こうした取り組みにより、将来に亘って安定した成長を図ると共に、世界市場においてブランド価値を一層高めていく。

(2) 地球環境保全への取り組み強化

当社グループは、地球環境保全への取り組みを中期的な経営課題と位置づけ、創エネと省エネの技術を核に、2010年度までに「地球温暖化負荷ゼロ企業」になることを企業ビジョンとして掲げている。今後も、クリーンエネルギーの太陽電池や環境に配慮した商品の拡充に注力すると共に、あらゆる生産活動において環境負荷低減に取り組み、業容の拡大と環境保全との両立を図ることで、持続可能な社会の実現に貢献していく。

(3) 新たなモノづくりを支える事業基盤の強化

ローコストで短納期を実現する高効率バリューチェーンの構築や、グローバル資材調達の推進、事業戦略・開発戦略に密着した知財活動の展開など、メーカーの原動力となるモノづくりの基礎体力をさらに強化していく。

(4) 企業の競争力を高める組織体への進化

スピード感溢れる戦略的組織体制の構築や、グローバル視点に立ったコア人材の育成、活力を生み出す就労基盤・職場風土の改革など、個と組織の質の向上に取り組み、企業の競争力を一層高めていく。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)は、電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主な事業内容として活動を行っている。その範囲は電子・電気機械器具のほとんど全てにわたっており、ユーザーも国内外の一般消費者、事業会社から官公庁に至るまで多岐にわたり、また地域的にもグローバルな事業展開を行っている。従って、当社グループの業績は、多岐にわたる変動要因の影響を受ける可能性がある。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがある。

なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。

 

(1) 世界市場の動向

当社グループの製品やサービスは、世界の各地域で製造・販売されており、各地域における景気・消費の動向(特に個人消費及び企業による設備投資の動向)、他社との競合、製品の需要や原材料の供給、価格変動などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。また、当該地域の政治的・経済的な社会情勢が、同様に影響を及ぼす可能性がある。

 

(2) 為替変動の影響

当社の連結売上高に占める海外売上高の割合は、平成16年3月期49.3%、平成17年3月期47.6%、平成18年3月期50.1%である。このため、為替予約等によるリスクヘッジを行うとともに、海外生産の拡充・強化を推し進めているが、当社グループの業績は為替変動の影響を受ける可能性がある。

 

(3) 戦略的提携・協業等について

当社グループは、各事業分野において新技術や新製品の開発及び競争力強化のため外部企業の買収や戦略的提携・協業を実施している。これら戦略的パートナーとの間において、戦略上の問題やその他の事業上等の問題の発生、並びに目標変更等により、提携・協業関係を維持できなくなった場合や、協力関係から十分な成果が得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

 

(4) 取引先等について

当社グループは、多くの取引先から資材やサービス等の調達・提供を受けている。それら取引先については、十分な信用調査のうえ取引をおこなっているが、需要の低迷や価格の大幅な下落等による取引先の業績等の悪化は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

 

(5) 技術革新について

当社グループが事業を展開する市場は、技術革新が急激に進行しており、それに伴う社会インフラの変化や市場競争などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性がある。

 

(6) 知的財産権について

当社グループは、独自開発した技術等について、特許権その他の知的財産権を取得するなど保護に努めているが、出願した技術内容等について権利が与えられない場合もあり、十分な保護が受けられない可能性がある。加えて、当社グループ所有の知的財産権を第三者が不正に使用する可能性がある。また、当社グループ所有の知的財産権の第三者による不正使用に対して、当社グループが第三者に対して訴訟を提起したり、第三者の知的財産権を侵害するとして第三者が当社グループに対して訴訟を提起する可能性があり、これらの訴訟に多額の費用を要する可能性がある。また、職務発明に関して、社内規程で取り決めている特許報償制度にて発明者に対して報償を行っているが、発明者より「相当の対価」を求める訴訟を提起される可能性がある。

 

(7) 製造物責任について

当社グループは、高品質の製品の提供をめざし、厳密な品質管理基準にしたがって各種の製品を製造しているが、万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任賠償に備え保険に加入している。しかし、大規模なリコールや訴訟の発生は、ブランドイメージの低下や、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性がある。

 

(8) 法的規制等について

当社グループが事業を展開する各国において、当社グループは、事業や投資の許可、輸出制限、関税、会計基準・税制をはじめとする様々な規制の適用を受けている。また、当社グループの事業は、通商、独占禁止、製造物責任、消費者保護、知的財産権、環境・リサイクル関連等の各種法規制の適用を受けている。これら各種法規制の変更は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性がある。

 

(9) 個人情報、その他情報流出について

当社グループは、顧客、取引先、従業員等の個人情報やその他秘密情報を有している。これら情報の保護に細心の注意を払っており、全社管理体制の下、管理規程を遵守するための従業員教育等の施策を推進しているが、万一、情報の流出が発生した場合、当社グループの信用低下や多額の費用発生(流出防止対策、損害賠償等)等当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

 

(10) その他の主な変動要因

上記の他、当社グループの業績は、事故や自然災害、株式市場や債券市場の大幅な変動などの多様な影響を受ける可能性がある。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社グループ(当社及び連結子会社)における主な技術導入契約及び技術援助契約の概要は次のとおりである。

(1) 技術導入契約

相手先

国名
又は
地域

契約内容

契約期間

テキサス・インスツルメンツ・インコーポレイテッド

アメリカ

半導体装置に関する特許実施権の許諾 ※

自平成8年4月1日

至平成18年3月31日

インターデジタル・テクノロジー・コーポレーション

アメリカ

携帯電話の時分割多元接続 (TDMA)技術に関する特許実施権の許諾

自平成15年3月19日

至平成20年4月30日

携帯電話の符号分割多元接続 (CDMA)技術及びGSM方式携帯電話に関する特許実施権の許諾

自平成13年8月10日

至特許権満了日

インテル・コーポレーション

アメリカ

半導体装置に関する特許実施権の許諾

自平成15年1月1日

至平成19年12月31日

フラッシュメモリに関するノウハウの許諾

自平成4年1月30日

至終期の定めなし

サンディスク・コーポレーション

アメリカ

フラッシュメモリシステムに関する特許実施権の許諾

自平成14年4月1日

至平成21年3月31日

アギア・システムズ・インク

アメリカ

半導体集積回路及び受光/発光素子 (半導体レーザ等)に関する特許実施権の許諾

自平成16年4月1日

至平成21年3月31日

クアルコム・インコーポレイテッド

アメリカ

携帯電話の符号分割多元接続 (CDMA)技術に関する特許実施権の許諾

自平成9年4月30日

至終期の定めなし

(注) 1 上記はすべて当社との契約である。

(注) 2 ※については、現在契約の更新を手続き中である。

 

(2) 技術援助契約

相手先

国名
又は
地域

契約内容

契約期間

友達光電股份有限公司

台湾

液晶表示装置に関する特許実施権の許諾

自平成18年1月1日

至平成22年12月31日

奇美電子股份有限公司

台湾

液晶表示装置に関する特許実施権の許諾

自平成18年1月1日

至平成22年12月31日

(注) 上記はすべて当社との契約である。

 

6 【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、常に独創技術の開発を経営理念に掲げ、新材料の開発から製品の開発、さらには生産技術の開発に至るまで、積極的な研究開発を行っている。

研究開発体制は、基礎・応用研究開発を担当する技術本部(基盤技術研究所など3研究所及びエコロジー技術開発センターなど3開発センター)、先端ディスプレイの研究開発を行うディスプレイ技術開発本部(表示技術研究所など4研究所)、先端電子部品の研究開発を行う電子デバイス開発本部(先端技術開発研究所)、専門分野別の研究所(枅川研究所、西澤研究所)、設計・生産技術開発を担当する生産技術開発推進本部(生産技術開発センターなど3開発センター及びモノづくり革新センター)を中核として、各事業本部に所属する目的別開発センター(AV商品開発センターなど9開発センター)、具体的な製品設計を担当する事業部技術部、全社横断的な技術・商品開発を推進するプロジェクトチームからなるマトリックス構造で構成される。さらに、海外の優秀な人材の活用と海外現地のインフラやニーズに対応した開発を行う目的で、海外に6カ所の研究開発拠点(英国、米国他)を設け、グローバルな開発体制の下、密接な連携・協力関係を保ち、先進技術の研究開発を効率的に進めている。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は154,362百万円である。この内、エレクトロニクス機器に係る研究開発費は86,525百万円、電子部品等に係る研究開発費は67,837百万円である。

なお、事業の種類別セグメントの主な研究成果は、次のとおりである。

(1) エレクトロニクス機器

ハイビジョン信号フォーマット(水平1,920×垂直1,080画素)を100%再現できる<フルハイビジョン液晶テレビ>や、電源OFF状態から約1秒で作動するハイビジョン放送の2番組同時録画が可能な<AQUOSハイビジョンレコーダー>、ワンセグおよび地上アナログテレビ放送を視聴可能な携帯電話、3.7型高精細カラー液晶とスライド式キーボードを搭載し、通話とデータ通信をサポートしてPCで作成した書面の編集ができる<新世代モバイルコミュニケーション端末>、新開発「ミクロストナー」を採用し、トナー消費量を従来機比で約30%削減した<デジタルフルカラー複合機>など、特長商品を創出した。また、当社開発の“プラズマクラスターイオンによる空気浄化技術”が、新たに空気中の浮遊高病原性『H5N1型トリインフルエンザウイルス』にも効果があることをレトロスクリーン・バイロロジー社と共同で実証した。

(2) 電子部品等

液晶ディスプレイの視野角を制御することで左右に異なる情報を同時表示する<デュアルビュー液晶>や、自己発光型ディスプレイであるブラウン管やプラズマディスプレイなどを上回るコントラスト比100万:1を実現した<メガコントラスト液晶>を開発したほか、コンパクトで低消費電力の<地上デジタル1セグメント放送用フロントエンド>、コンパクトデジタルカメラ向け光学系サイズ1/1.7型で1000万画素を実現したCCD、シリコン結晶系の太陽電池モジュールに比べ、少量のシリコンで生産できる<薄膜太陽電池モジュール>など新たな特長デバイスを開発した。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

?売上高

当連結会計年度における連結売上高は、2,797,109百万円(前年度比 10.1%増)となった。これは、主に、エレクトロニクス機器では、パソコンが低迷したものの、大型の液晶カラーテレビや携帯電話、複写機・複合機が好調に推移し、電子部品等では、フラッシュメモリは低調に推移したが、大型液晶カラーテレビ用の液晶パネルやCCD・CMOSイメージャ、モバイル機器用の液晶パネル、太陽電池が好調に推移したことによるものである。

 

?損益状況

売上原価は、2,165,126百万円(前年度比 10.5%増)となり、売上原価率は、前連結会計年度の77.2%に対し77.4%と上昇した。一方、販売費及び一般管理費は、468,273百万円(前年度比 9.1%増)となったが、売上高に対する比率は、前連結会計年度の16.9%に対し16.7%と低下した。なお、販売費及び一般管理費には広告宣伝費51,317百万円、従業員給料及び諸手当117,678百万円が含まれている。その結果、営業利益は、163,710百万円(前年度比 8.4%増)となり、営業利益率は5.9%となった。

営業外収益は、前連結会計年度に比べ6,937百万円増加し、32,129百万円となり、営業外費用は、前連結会計年度に比べ9,286百万円増加し、44,987百万円となった。その結果、経常利益は、150,852百万円(前年度比 7.4%増)となった。

特別利益は、前連結会計年度に比べ1,121百万円増加し、1,599百万円となった。また、特別損失は、前連結会計年度に比べ372百万円減少し、12,433百万円となった。その結果、税金等調整前当期純利益は、140,018百万円(前年度比 9.2%増)となり、当期純利益は、88,671百万円(前年度比 15.4%増)となった。なお、1株当たり当期純利益は、80.85円となった。

 

(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

?キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ4,154百万円増加し、299,466百万円となった。

営業活動によるキャッシュ・フロ−は、前連結会計年度に比べ44,555百万円収入が増加し、263,753百万円の収入となった。これは、主に、たな卸資産の増減額が47,762百万円の増加から2,693百万円の減少に転じたことによるものである。

投資活動によるキャッシュ・フロ−は、前連結会計年度に比べ29,622百万円支出が減少し、229,386百万円の支出となった。これは、主に、設備投資に伴う現金支出が減少(前年度比 37,644百万円減)したことによるものである。

財務活動によるキャッシュ・フロ−は、前連結会計年度に比べ91,301百万円支出が増加し、33,760百万円の支出となった。これは、主に、コマーシャルペーパーの純増加額が減少(前年度比 77,555百万円減)したことによるものである。

 

?資産、負債及び資本

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ175,273百万円増加し、2,560,299百万円となった。これは、有形固定資産の増加(前年度比 63,031百万円増)や、受取手形及び売掛金の増加(前年度比 57,877百万円増)等によるものである。

当連結会計年度末の負債合計は、支払手形及び買掛金の増加(前年度比 69,631百万円増)等により、前連結会計年度に比べ80,843百万円増加し、1,452,655百万円となった。

当連結会計年度末の資本合計は、利益剰余金の増加(前年度比 63,247百万円増)等により、前連結会計年度に比べ94,584百万円増加し、1,098,910百万円となった。

 

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