膨大なログデータを分析して部屋の温度変化を予測

開発にあたってはデータ分析が重要な役割を担っているようですね? (*•ω•*)

細井(データ分析担当):その通りです。気象予報データを活用する上で大切なことは、インターネットを通じて得られるユーザーの情報をどのように分析し、それをどう制御に反映するかです。
たとえば、「日中運転時」についてですが、一番苦労したのは、予測する対象が「室内」であるという点です。以前、ソーラーシステムの発電量の分析をしたことがあり、気象予報を用いてそれに近しい判断ができるだろうと思っていました。しかし、気象予報の情報は当然、屋外におけるものです。今回の場合、エアコンは室内にあり、設置場所も部屋によって違います。窓の位置や形状が異なるため、その日の天候や、窓からの日射の角度も考慮した上でデータ分析をしなければならないのが大変でした。
さらに頭を悩ませたのがカーテンの存在です。実際の部屋を見ているわけではないので、カーテンが開いているか閉じているかをデータだけで判断しないといけません。分析を重ねるうちに、今では、昨日はカーテンが開いていたけど、今日は閉まっていた、ということがデータログだけでわかるようになりました(笑)。

データ分析担当の細井さん

データ分析担当の細井さん

図:日射データの分析

水野:「睡眠運転時」では、睡眠に知見の深い株式会社ニューロスペース※5と共同開発しました。理想的な睡眠環境というものをどう捉えるかという中で大きな課題となったのは、人は眠っている時間帯によって温度に対する感じ方が変わるという点でした。睡眠時間の後半になるほど寒さを感じやすくなるという中で、寒さを感じさせないためにエアコンから吹き出す風の温度や風量などの制御を工夫しなるべく寒く感じないように配慮しました。

  • ※5 法人向けに従業員の睡眠改善プログラムを提供している企業。株式会社ニューロスペース社のHPはこちら

開発にあたって、社内でモニター調査を実施されたと聞きました。

水野:はい。応募してくれた33名の方に約3週間、モニターとして協力いただきました。ただ、無線LAN環境を備えたエアコンを既にお持ちの方もいれば、そうでない方もいたため、お持ちでない方の部屋にはエアコンを持ち込んで設置工事をするところから始めました(笑)。
また睡眠中の状態の分析については、実績もノウハウも豊富な株式会社ニューロスペースと共同で行いました。ベッドの下に睡眠測定デバイスを置いてもらうことで睡眠中の心拍数など身体の状態が分かり、その人の睡眠の質がわかります。モニター調査では、この睡眠測定デバイスから得られるセンサーデータと、日ごとのアンケート調査によって、データを収集・分析しました。暑い寒いの感じ方は人それぞれ異なります。それらを学習して制御を変更することで、最終的には9割の方から「快適だった」という声をいただき、さらに睡眠測定デバイスからも効果の差を得ることができました。

図:モニター調査を実施

細井:データを見ればわかるのですが、温度の感じ方は部屋の間取りやエアコンの設置場所によっても変わります。でも夜中にリモコン操作をしているのは、明らかに暑いか寒いか、また何らかの不満があるということです。その人が起きているということですからね(笑)。そういうことも、ログデータを見れば一目瞭然なんです。

吉田:ですので、ログデータを「お客様との新たなコミュニケーションツール」として、さまざまな分野で活用しています。

「COCORO AIR」アプリで状態を見える化

専用アプリについて詳しく教えてください。

水野:ユーザーからのニーズが一番高いのが遠隔操作です。しかしエアコンを操作するということは、煩わしいことでもあります。私たちが目指しているのは、何もしなくていい、何も触らなくていい、ということが理想だと考えています。それが「COCORO AIR」が目指している究極のカタチでもあります。

吉田:そういう意味から、アプリを開発する上でも、ユーザーの操作を最小限に抑えられるよう、さまざまな工夫を凝らしました。トップ画面では、いまエアコンがどんな運転をしていて、部屋がどんな状態にあるのかを、最初に見せるよう工夫しました。

スマートフォン画面イメージ

わかりやすくて使いやすそうな操作画面ですね!(^ω^ )

吉田:ユーザーインターフェイスのデザインにもこだわりました。遠隔操作のアプリには、安全性も重要視されます。幅広いユーザーの皆様に安全に使っていただくために、文字の大きさやボタンの配置なども考えてデザインしています。誤って違うボタンを押してしまわないように画面の端にはボタンを置かないとか、あるいは、操作直後にどんな操作をしたかが即座に画面表示されるなど。安全への配慮、誤動作防止の工夫を徹底しました。

  • ボタン:COCORO AIR
  • ボタン:Google Play
  • ボタン:App Store

ユーザーの声に応える2つの新モード

今度、新しく「ペットモード」と「消臭モード」が追加されましたね!

水野:今年度のモデルから追加された新しい機能ですが、どちらもユーザーからの要望が高かった機能です。まず「ペットモード」ですが、最近ペットを室内で飼われる方が増えています。最近では猛暑の影響もあり、ペットのためにエアコンを24時間運転している方が多く、ペットに適した運転ができる機能が欲しいという声を受けて開発しました。具体的には、「ワンちゃんモード」、「ネコちゃんモード」があり、犬、猫、それぞれの特徴に応じて温度設定を変えたり、定期的に室内の温度をアプリでお知らせしたりするなどの機能です。

図:ワンちゃんモード
図:ネコちゃんモード

一方、「消臭モード」のほうは、当社独自技術のプラズマクラスターで、消臭をします。留守の間にプラズマクラスターイオンをお部屋に放出して消臭を行うというものです。エアコンは夏と冬しか使わない方が多いので、こうした消臭機能を備えることで一年中使っていただけるようになればと思っています。

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