空気清浄機搭載家庭用エアコン「Airest(エアレスト)」

Smart Appliances & Solutions事業本部
  • 空調・PCI事業部 国内空調商品企画部:水野 琢馬(左)
  • 空調・PCI事業部 国内空調技術部:尾関 宏隆(右)
  • 国内デザインスタジオ:奈良 俊佑(中央)

掲載内容は2021年1月25日時点の情報によるものです。

シャープは、事業を通じて「持続可能な開発目標(SDGs)※1」の達成に貢献しています。なかでも環境に配慮した製品や省エネに貢献する製品・サービスにフォーカスし、開発時のこだわりや苦労話を聞く、シリーズ「ココにもエコ」。今回は、2020年度省エネ大賞の「経済産業大臣賞※2」を受賞した、空気清浄機搭載家庭用エアコン「Airest(エアレスト)」の商品企画や開発、デザインを担当された皆さんにお話を伺いました。

(聞き手:「ココにもエコ」編集担当)

図:持続可能な開発目標(SDGs)

持続可能な開発目標(SDGs)

  • ※1 2015年から2030年までの長期的な開発の指針として決められた国際社会共通の目標で「17のゴール」と「169のターゲット」で構成。
  • ※2 一般財団法人省エネルギーセンターが主催する「2020年度省エネ大賞」製品・ビジネスモデル部門においての最高位の賞

空気清浄機と呼べるエアコンを! 強い決意で挑んだ新商品

関連するSDGs項目:

  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 目標11:住み続けられるまちづくりを
  • 目標12:つくる責任つかう責任

「Airest」を開発することになったきっかけを教えてください(^○^)

水野(企画担当):当社では定期的にユーザーアンケートを取っており、エアコンに関しては省エネ性能だけでなく、「部屋の空気をキレイにしたい」という声が多く聞かれるようになってきました。そこで、高性能な空気清浄機を搭載したエアコンをつくれないか、という話が持ち上がりました。

企画担当の水野さん

企画担当の水野さん

奈良(デザイン担当):エアコンは構造上、吸い込み口から多くの空気を吸い込まないといけないのですが、そこに分厚い集じん脱臭フィルターを付けてしまうと物理的に風量が落ちてしまいます。ですので「エアコンに必要な風量を確保するのは非常に難しい」という意見が多かったですね。でも、その一方で、「これをなんとかして商品化したい」という気持ちは開発当初から、開発メンバー全員が持っていました。

デザイン担当の奈良さん

デザイン担当の奈良さん

水野:また、アンケートでは内部が汚れていて、カビ臭い空気が部屋に放出されると感じている方も多く、「エアコンの内部をキレイにしたい」という意見もたくさん頂きました。このようなこともあり、お部屋の空気もエアコン内部も徹底的にキレイにできるエアコンを実現したいと感じました。

図:エアコンに対して求められる「お部屋の空気清浄」と「エアコン内部の清潔性」

奈良:また、他社メーカーもエアコンによる空気の浄化に取り組んでおり、空気清浄機のリーディングカンパニーとして、中途半端なモノはつくれない、という強い決意で開発に臨みました。

開発に約4年かかったそうですが、一番苦労したところはどこですか?

水野:エアコンとしての性能(冷房・暖房能力、省エネ)と空気清浄機としての基準(集じん効率70%以上、騒音値55dB以下)の両方を満たさなければいけない点がもっとも苦労しましたね。まさに手探りの開発で、一つひとつの課題をクリアするために何度も試作や実験を繰り返しながら、開発を進めていきました。

尾関(開発担当):従来のエアコンに使われているクロスフローファンは遮蔽物などによる抵抗に弱く、通気性を高めるためにエアフィルターの目は粗くなっています。ですから、細かいホコリはフィルターを通過して内部に入り込んでしまいます。そこで注目したのが、当社の空気清浄機に搭載している、ネイチャーテクノロジーの「テントウムシの羽根を応用したシロッコファン」でした。シロッコファンは、クロスフローファンと異なり、抵抗に強い特性を持っています。
径のサイズ、羽根の枚数、横幅など、10種類以上もの試作品をつくっては実験を重ね、最終的に4連型のシロッコファンにたどりつきました。ファンとファンの間隔も風量に影響するため、調整にかなりの時間を要しました。

開発担当の尾関さんと集じん脱臭フィルター

開発担当の尾関さんと
集じん脱臭フィルター

シロッコファンの試作品

シロッコファンの試作品

“吸込口全面を覆う集じん脱臭フィルターの搭載を可能にした''4連シロッコファン''

水野:この4連シロッコファンを開発したことで、細かいホコリまでしっかりキャッチする集じん脱臭フィルターで吸い込み口全体を覆うことができるようになりました。そうすることで、ホコリの内部への侵入を防ぎ、エアコン内部を清潔に保つことができます。従来のエアコンと比較して、ホコリの侵入を99%以上抑制します。

細かいホコリの侵入も従来エアコンより99%抑制

  • ※3 当社従来モデル(AY-J22D)と(AY-L22P)において、室内機内部に
    付着したホコリの量を比較。
    ■試験結果:(AY-J22D)365.7mg付着、(AY-L22P)1.5mg付着。

写真:エアコン内部

新しい内部構造はデザインにも影響したのでは? ( ๑´•ω•)

奈良:当社の空気清浄機に使われているシロッコファンは、もっとサイズが大きくて、ゆったりと空気を吸い込んで出すのですが、それをエアコンの中に収まるよう、ギュッとコンパクトにして、しかも4連にして。この構造を見たとき「難しいことに挑戦している」と改めて身が引き締まりました。技術担当者から内部構造を維持するために、サイズに関するさまざまな要望があり、対応を重ねに重ね最終的に3年かかりました(笑)。

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