第2 【事業の状況】
1 【業績等の概要】
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出の増加や、民間設備投資の伸長などにより、前半は、概ね堅調に推移したが、後半に入り、増勢が続いた輸出の伸びが鈍化し、IT関連を中心とした在庫調整の影響で生産にも停滞感が見られるなど、景気は減速傾向を示した。一方、海外においては、米国やアジア諸国の景気が順調に拡大し、欧州各国の経済も回復基調を辿った。
こうした中、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)では、新たなライフスタイルを提案するオンリーワン商品の創出と、これを支える高付加価値デバイスの開発強化に取り組んだ。エレクトロニクス機器では、液晶カラーテレビの一層の売上拡大に向け、フルスペックハイビジョンパネルを採用した45V型デジタルハイビジョンテレビなど、大型液晶カラーテレビのラインアップをさらに増強した。また、独自の高付加価値液晶を搭載した第3世代携帯電話や、過熱水蒸気で調理するウォーターオーブンなど、特長商品の拡充に努めた。一方、電子部品等では、大型液晶カラーテレビ用パネルの安定した供給体制を構築するため、亀山工場の生産能力を増強すると共に、システム液晶を中心としたモバイル機器用の液晶パネルの販売をさらに強化し、液晶事業の一層の拡大に取り組んだ。また、太陽電池についても、世界的な需要の増加に対応し生産体制をより強化するなど、引き続き、積極的な事業活動をグローバルに推進した。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高が、2,539,859百万円(前年度比 112.5%)となった。また、利益については、営業利益が151,020百万円(前年度比 124.1%)、経常利益が140,511百万円(前年度比 125.9%)、当期純利益が76,845百万円(前年度比 126.6%)となった。
事業の種類別セグメントの業績は、概ね次のとおりである。
?エレクトロニクス機器
液晶カラーテレビが大型モデルを中心に伸長すると共に、第3世代携帯電話や、デジタルフルカラー複合機を中心に複写機・複合機が好調に推移した。
この結果、売上高は1,612,030百万円(前年度比 111.4%)となり、営業利益は57,035百万円(前年度比 120.2%)となった。
?電子部品等
フラッシュメモリが市場価格の下落の影響を受け低迷したが、亀山工場の増産により液晶カラーテレビ用パネルが伸長すると共に、携帯電話をはじめとするモバイル機器用の高付加価値液晶が好調に推移したほか、太陽電池が大きく伸長した。
この結果、売上高は1,197,315百万円(前年度比 119.2%)となり、営業利益は93,520百万円(前年度比 126.4%)となった。
所在地別セグメントの業績は、概ね次のとおりである。
?日本
フラッシュメモリが市場価格の下落の影響を受け低迷したが、液晶カラーテレビや太陽電池が伸長し、第3世代携帯電話及び携帯電話をはじめとするモバイル機器用の高付加価値液晶が好調に推移した。
この結果、売上高は2,256,428百万円(前年度比 114.4%)となり、営業利益は138,769百万円(前年度比 129.3%)となった。
?米州
円高の影響があったが、液晶カラーテレビ、太陽電池及び液晶の売上が好調であった。
この結果、売上高は346,200百万円(前年度比 116.5%)となり、営業利益は2,544百万円(前年度比 190.6%)となった。
?アジア
情報関連機器並びにエレクトロニクス機器製造用部品の売上が増加したものの、モニター、ノートPC用液晶の売上が減少した。
この結果、売上高は269,486百万円(前年度比 98.2%)となり、営業利益は2,653百万円(前年度比 83.3%)となった。
?欧州
液晶カラーテレビ、太陽電池及び液晶の売上が好調であったが、利益面では液晶カラーテレビの急激な市場価格下落の影響を受けた。
この結果、売上高は356,173百万円(前年度比 120.3%)となり、営業利益は1,947百万円(前年度比 60.4%)となった。
?その他
液晶及び複写機・複合機が好調であった。
この結果、売上高は278,646百万円(前年度比 154.4%)となり、営業利益は6,133百万円(前年度比 121.3%)となった。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、設備投資に伴う支出が増加し、営業活動による収入を上回ったものの、コマーシャルペーパーによる調達などにより、前連結会計年度末に比べ17,689百万円(6.4%)増加し、当連結会計年度末には295,312百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロ−)
当連結会計年度において営業活動による資金の収入は、219,198百万円であり、前連結会計年度に比べ30,420百万円(△12.2%)減少した。これは、主に、売上の増加等により、たな卸資産の増減額が2,037百万円の減少から47,762百万円の増加に転じたことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロ−)
当連結会計年度において投資活動による資金の支出は、259,008百万円であり、前連結会計年度に比べ89,562百万円(52.9%)増加した。これは、主に、設備投資に伴う現金支出が増加したことによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロ−)
当連結会計年度において財務活動による資金の収入は、57,541百万円であり、前連結会計年度に比べ126,502百万円増加した。これは、主に、コマーシャルペーパーの純増減額が17,596百万円の減少から82,925百万円の増加に転じたことによるものである。
(注) 消費税等の会計処理は税抜方式によっている。以下「第2 事業の状況」及び「第3 設備の状況」に記載されている金額も同様である。
2 【生産、受注及び販売の状況】
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりである。
事業の種類別セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
エレクトロニクス機器 |
1,589,413 |
+12.7 |
電子部品等 |
954,451 |
+17.5 |
合計 |
2,543,864 |
+14.5 |
(注) 1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去している。
2 上記の金額には、外注製品仕入高等を含んでいる。
(2) 受注状況
当社グループは原則として見込生産である。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりである。
事業の種類別セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
エレクトロニクス機器 |
1,600,937 |
+11.3 |
電子部品等 |
938,922 |
+14.7 |
合計 |
2,539,859 |
+12.5 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去している。
3 【対処すべき課題】
今後の当社グループ(当社及び連結子会社)を取り巻く経営環境を展望すると、わが国経済については、引き続き緩やかな回復基調を辿ると予想されるが、原油をはじめとする原材料価格の高騰による企業収益の圧迫や、世界経済の減速による輸出の低迷など懸念される材料も多く、先行き不透明な状況が続くものと思われる。
こうした情勢下、当社グループでは、さらなる飛躍の実現に向け“オンリーワン戦略”を推し進め、収益力の向上と企業価値の増大に努めていく。
(1) “環境先進企業”を実現するための取り組み強化
当社グループは、独自の技術で地球環境に貢献するとの高い理想を抱き“環境先進企業”をめざすべき企業像としている。それをより具体的なものにすべく、創エネと省エネの独自技術を核に、2010年までに「温暖化負荷ゼロ企業」をめざすことを新たな企業目標に掲げた。当社グループは、クリーンエネルギーの太陽電池に一段と注力すると共に、環境に配慮した商品の拡充や生産活動を実践し“環境先進企業”を実現していく。
(2) “商品とデバイスのスパイラル戦略”の一層の強化
当社グループは、予てより、独自デバイスを基盤として、特長商品を創出するという“商品とデバイスのスパイラル戦略”で成長を遂げてきた。今後も、コアコンピタンスである液晶を中心に、独自技術を駆使した最先端デバイスの開発を強化し、新時代にふさわしい特長商品の創出をさらに加速させていく。こうした取り組みにより、熾烈化するグローバル競争に勝ち抜き、世界に際立つ存在感を放つ“価値あるオンリーワン企業”として、安定した成長を期していく。
(3) 企業の社会的責任(CSR)の遂行
当社グループは、社会の発展に寄与する独創的な商品・サービスの提供はもとより、地球環境に配慮した事業活動や社会貢献活動等を推進してきた。近年、企業の果たすべき役割や責任に対する関心が高まる中、当社グループは、世界中の様々なステークホルダーから今まで以上に信頼される企業をめざし、CSRへの取り組みを強化していく。
(4) 個と組織の質を高める人材戦略の展開
事業戦略の実行を支える個と組織の質の向上に向け、コア人材育成策の充実、個人の成果をより反映させた賃金・人事制度への変革、働き甲斐の持てる就労基盤づくりなど、人材マネジメントの強化に取り組み、企業の競争力を一層高めていく。
4 【事業等のリスク】
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)は、電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主な事業内容として活動を行っている。その範囲は電子・電気機械器具のほとんど全てにわたっており、ユーザーも国内外の一般消費者、事業会社から官公庁に至るまで多岐にわたり、また地域的にもグローバルな事業展開を行っている。従って、当社グループの業績は、多岐にわたる変動要因の影響を受ける可能性がある。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがある。
なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
(1) 世界市場の動向
当社グループの製品やサービスは、世界の各地域で製造・販売されており、各地域における景気・消費の動向(特に個人消費及び企業による設備投資の動向)、製品の需要や原材料の供給、価格変動などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。また、当該地域の政治的・経済的な社会情勢が、同様に影響を及ぼす可能性がある。
(2) 為替変動の影響
当社の連結売上高に占める海外売上高の割合は、平成15年3月期47.2%、平成16年3月期49.3%、平成17年3月期47.6%である。このため、為替予約等によるリスクヘッジを行うとともに、海外生産の拡充・強化を推し進めているが、当社グループの業績は為替変動の影響を受ける可能性がある。
(3) 戦略的提携・協業等について
当社グループは、各事業分野において新技術や新製品の開発及び競争力強化のため外部企業の買収や戦略的提携・協業を実施している。これら戦略的パートナーとの間において、戦略上の問題やその他の事業上等の問題の発生、並びに戦略上の目標変更等により、提携・協業関係を維持できなくなった場合や、協力関係から十分な成果が得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
(4) 取引先等について
当社グループは、多くの取引先から資材やサービス等の調達・提供を受けている。それら取引先については、十分な信用調査のうえ取引をおこなっているが、需要の低迷や価格の大幅な下落等による取引先の業績等の悪化は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
(5) 技術革新について
当社グループが事業を展開する市場は、技術革新が急激に進行しており、それに伴う社会インフラの変化や市場競争などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性がある。
(6) 知的財産権について
当社グループは、独自開発した技術等について、特許権その他の知的財産権を取得するなど保護に努めているが、出願した技術内容等について権利が与えられない場合もあり、十分な保護が受けられない可能性がある。加えて、当社グループ所有の知的財産権を第三者が不正に使用する可能性がある。また、当社グループ所有の知的財産権の第三者による不正使用に対して、当社グループが第三者に対して訴訟を提起したり、第三者の知的財産権を侵害するとして第三者が当社グループに対して訴訟を提起する可能性があり、これらの訴訟に多額の費用を要する可能性がある。また、職務発明に関して、社内規程で取り決めている特許報償制度にて発明者に対して報償を行っているが、発明者より「相当の対価」を求める訴訟を提起される可能性がある。
(7) 製造物責任について
当社グループは、高品質の製品の提供をめざし、厳密な品質管理基準にしたがって各種の製品を製造しているが、万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任賠償に備え保険に加入している。しかし、大規模なリコールや訴訟の発生は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性がある。
(8) 法的規制等について
当社グループが事業を展開する各国において、当社グループは、事業や投資の許可、輸出制限、関税、会計基準・税制をはじめとする様々な規制の適用を受けている。また、当社グループの事業は、通商、独占禁止、製造物責任、消費者保護、特許、環境・リサイクル関連等の各種法規制の適用を受けている。これら各種法規制の変更は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性がある。
(9) 個人情報、その他情報流出について
当社グループは、顧客、取引先、従業員等の個人情報やその他秘密情報を有している。これら情報の保護に細心の注意を払っており、管理体制の構築、管理規程等の制定、従業員教育に取り組んでいるが、万一、情報の流出が発生した場合、当社グループの信用低下や多額の費用発生(流出防止対策、損害賠償等)等当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
(10) その他の主な変動要因
上記の他、当社グループの業績は、事故や自然災害、株式市場や債券市場の大幅な変動などの多様な影響を受ける可能性がある。
5 【経営上の重要な契約等】
技術導入契約
当社グループ(当社及び連結子会社)における主な技術導入契約の概要は次のとおりである。
相手先 |
国名 |
契約内容 |
契約期間 |
テキサス・インスツルメンツ・インコーポレイテッド |
アメリカ |
半導体装置に関する特許実施権の許諾 |
自平成8年4月1日
至平成18年3月31日 |
インターデジタル・テクノロジー・コーポレーション |
アメリカ |
携帯電話の時分割多元接続(TDMA)技術に関する特許実施権の許諾 |
自平成15年3月19日
至平成20年4月30日 |
携帯電話の符号分割多元接続(CDMA)技術及びGSM方式携帯電話に関する特許実施権の許諾 |
自平成13年8月10日
至特許権満了日 |
インテル・コーポレーション |
アメリカ |
半導体装置に関する特許実施権の許諾 |
自平成15年1月1日
至平成19年12月31日 |
フラッシュメモリに関するノウハウの許諾 |
自平成4年1月30日
至終期の定めなし |
サンディスク・コーポレーション |
アメリカ |
フラッシュメモリシステムに関する特許実施権の許諾 |
自平成14年4月1日
至平成21年3月31日 |
アギア・システムズ・インク |
アメリカ |
半導体集積回路及び受光/発光素子(半導体レーザ等)に関する特許実施権の許諾 |
自平成16年4月1日
至平成21年3月31日 |
クアルコム・インコーポレイテッド |
アメリカ |
携帯電話の符号分割多元接続(CDMA)技術に関する特許実施権の許諾 |
自平成9年4月30日
至終期の定めなし |
(注) 上記はすべて当社との契約である。
6 【研究開発活動】
当社グループ(当社及び連結子会社)は、常に独創技術の開発を経営理念に掲げ、新材料の開発から製品の開発、さらには生産技術の開発に至るまで、積極的な研究開発を行っている。
研究開発体制は、基礎・応用研究開発を担当する技術本部(デバイス技術研究所など2研究所及びエコロジー技術開発センター)、デジタル家電分野を中心に応用研究開発を担当するデジタル家電開発本部(プラットフォーム開発センターなど2開発センター)、先端ディスプレイの研究開発を行うディスプレイ技術開発本部(ディスプレイ・プロセス技術研究所など3研究所)、専門分野別の研究所(河田研究所など3研究所)、設計・生産技術開発を担当する生産技術開発推進本部(生産技術開発センターなど3開発センター及びモノづくり革新センター)を中核として、各事業本部に所属する目的別開発センター(AV商品開発センターなど11開発センター)、具体的な製品設計を担当する事業部技術部、全社横断的な技術・商品開発を推進するプロジェクトチームからなるマトリックス構造で構成される。さらに、海外の優秀な人材の活用と海外現地のインフラやニーズに対応した開発を行う目的で、海外に6カ所の研究開発拠点(英国、米国他)を設け、グローバルな開発体制の下、密接な連携・協力関係を保ち、先進技術の研究開発を効率的に進めている。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は148,128百万円である。この内、エレクトロニクス機器に係る研究開発費は78,435百万円、電子部品等に係る研究開発費は69,693百万円である。
なお、事業の種類別セグメントの主な研究成果は、次のとおりである。
(1) エレクトロニクス機器
622万ドット(水平1,920×垂直1,080画素)のフルスペックハイビジョンパネルを採用した<65V型デジタルハイビジョンテレビ>や、ブルーレイディスクとDVDのツイントレイを搭載した<ハードディスク・DVD一体型ブルーレイディスクレコーダー>を開発したほか、電子辞書や電子書籍、パソコンのファイルが閲覧できる“ビューア機能”を搭載した<iモード FeliCa サービス対応携帯電話>や、過熱水蒸気を食品に噴射し、食品の脂や塩分を落としながら調理する<ウォーターオーブン>を開発した。また、アーヘン応用科学大学(ドイツ)のアートマン教授との共同研究により、当社開発の“プラズマクラスターイオン技術”が細菌の細胞膜を破壊するメカニズムを解明したほか、パソコンとテレビを高画質で楽しめる<液晶マルチメディアモニター>の開発など、新規技術及びこれらを搭載した特長商品を創出した。
(2) 電子部品等
コンパクトデジタルカメラ向けで光学系サイズ1/1.8型で800万画素の解像度を実現したCCDを開発したほか、NTSC方式/PAL方式自動切換え機能を搭載した中小型TFT液晶用の<ビデオインタフェースIC>を開発した。また、多結晶モジュールとして高効率の14.8%を実現した<ハイグレード多結晶太陽電池モジュール>を開発したほか、シースルータイプの太陽電池にLEDを一体成形した光る太陽電池を開発し、更に地上デジタル放送と衛星デジタル放送を同時受信する<複合フロントエンド>など新たな特長デバイスを開発した。
7 【財政状態及び経営成績の分析】
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
?売上高
当連結会計年度における連結売上高は、2,539,859百万円(前年度比 12.5%増)となった。これは、主に、エレクトロニクス機器では液晶カラーテレビや第3世代携帯電話、複写機・複合機が好調に推移し、電子部品等では液晶カラーテレビ用パネルやモバイル機器用の高付加価値液晶が好調に推移したほか、太陽電池が大きく伸長したことによるものである。
?損益状況
売上原価は、1,959,658百万円(前年度比 14.4%増)となり、売上原価率は、前連結会計年度の75.9%に対し77.2%と上昇した。一方、販売費及び一般管理費は、429,181百万円(前年度比 1.6%増)となったが、売上高に対する比率は、前連結会計年度の18.7%に対し16.9%と低下した。なお、販売費及び一般管理費には広告宣伝費51,211百万円、従業員給料及び諸手当114,543百万円が含まれている。その結果、営業利益は、151,020百万円(前年度比 24.1%増)となり、営業利益率は、前連結会計年度の5.4%に対し5.9%と向上した。
営業外収益は、前連結会計年度に比べ4,996百万円増加し、25,192百万円となり、営業外費用は、前連結会計年度に比べ5,436百万円増加し、35,701百万円となった。その結果、経常利益は、140,511百万円(前年度比 25.9%増)となった。
特別利益は、前連結会計年度に発生した投資有価証券売却益4,038百万円がなかったことなどから、前連結会計年度に比べ4,174百万円減少し、478百万円となった。また、特別損失は、前連結会計年度に比べ728百万円減少し、12,805百万円となった。その結果、税金等調整前当期純利益は、128,184百万円(前年度比 24.8%増)となり、当期純利益は、76,845百万円(前年度比 26.6%増)となった。なお、1株当たり当期純利益は、70.04円となった。
(2) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
?キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ17,689百万円増加し、295,312百万円となった。
営業活動によるキャッシュ・フロ−は、前連結会計年度に比べ30,420百万円収入が減少し、219,198百万円の収入となった。これは、主に、税金等調整前当期純利益は増加(前年度比 25,464百万円増)したものの、売上の増加等により、たな卸資産の増減額が2,037百万円の減少から47,762百万円の増加に転じたことによるものである。
投資活動によるキャッシュ・フロ−は、前連結会計年度に比べ89,562百万円支出が増加し、259,008百万円の支出となった。これは、主に、設備投資に伴う現金支出が増加(前年度比 87,259百万円増)したことによるものである。
財務活動によるキャッシュ・フロ−は、前連結会計年度に比べ126,502百万円収入が増加し、57,541百万円の収入となった。これは、主に、コマーシャルペーパーの純増減額が17,596百万円の減少から82,925百万円の増加に転じたことによるものである。
?資産、負債及び資本
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ234,776百万円増加し、2,385,026百万円となった。これは、有形固定資産の増加(前年度比 73,085百万円増)や、受取手形及び売掛金の増加(前年度比 55,264百万円増)及び、たな卸資産の増加(前年度比 52,055百万円増)等によるものである。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度に比べ172,999百万円増加し、1,371,812百万円となった。これは、支払手形及び買掛金の増加(前年度比 81,064百万円増)や、短期借入金の増加(前年度比 38,316百万円増)及び、コマーシャルペーパーの増加(前年度比 83,503百万円増)等によるものである。
当連結会計年度末の資本合計は、利益剰余金の増加(前年度比 54,546百万円増)等により、前連結会計年度に比べ60,794百万円増加し、1,004,326百万円となった。