イノベーションマネジメント

コーポレートR&Dの取り組み

研究開発本部の取り組み

研究開発本部では「社会にインパクトを与える世界初・世界一の独自技術により新しいエコシステムを構築し、新規事業創出・拡大することにより、持続可能な社会の実現に貢献する」というミッションに取り組んでいます。

ESGに重点を置いた経営の実践に向け、One SHARPの連携・協力関係により、デジタルヘルスケア領域における新たな事業展開の加速や、カーボンニュートラルへの貢献に向けた取り組みの強化を進めています。加えて技術革新が進むAI技術の応用により、インダストリーDXソリューションの拡大等で独自技術創出を推進しています。

社会課題が多様化・複雑化する中、サステナブル経営を実践するに当たり、変化を捉えた革新的なサービスやソリューション創出に向けた技術開発を通して、シャープの持続的な成長に貢献していきます。

特長的な取り組み

全社の更なる成長に向け、基幹エンジンとなる技術創出によるゲームチェンジャーを目指し、ライフイノベーション、グリーンイノベーション、インダストリーDX・AI応用、コミュニケーションイノベーションの実現に注力し、将来の持続的成長を牽引する新規事業の早期具現化に向けて取り組んでいます。

通信技術分野においては、当社は世界50か国以上で合計6,000件を超える通信規格必須特許を保有しており、多数のリーディングカンパニーにライセンス供与を行っています。

当社は、通信映像分野の規格・標準化活動にも積極的に参画し、各イノベーションやDXを実現する社会インフラの基盤構築に貢献しています。

また、オープンインキュベーション活動の一環として、スタートアップの事業展開支援も含め、技術革新を生み出す企業間連携を推進しています。

さらには、研究開発成果を新たな事業領域に展開していくため、社内外との協業推進を担う専門部隊を本部内に設置し、DX事業を中心とした異業種共創にも積極的に取り組んでいます。

ESG経営に向けた技術開発の方向性

知的財産保護の取り組み

知的財産戦略および管理体制

シャープでは、知的財産戦略を経営上重要な戦略の1つとして位置付け、事業戦略や研究開発戦略と一体で推進しています。積極的な特許取得を推進することで、自社事業の優位性を高め、経営基盤の強化に努めています。2016年には知的財産部門のプロフィットセンター化を図るため、当該部門を分社化し、ScienBiziP Japan株式会社(SBPJ)を設立しました。シャープの製品、技術および事業を熟知したSBPJが、専門業務の質の向上と効率の改善をより一層強固に進めながら、高度なサービスを提供することで、知的財産経営の推進力を高め、シャープの先進技術から強い特許とさまざまな経済価値を生み出しています。

特許取得に関しては、事業毎に中核となる技術分野を明確化し、現場に密着した戦略的な特許出願を行っています。また、他社との協業あるいは産学連携などのアライアンス活動により生み出される有用特許の取得も積極的に行っています。

また、意匠・商標についても、ブランド戦略に基づいて、グローバルな出願・権利化を行っています。

知的財産の保護

シャープでは、知的財産を事業戦略・研究開発戦略と連動させながら最大限に活用するとともに、自社の知的財産権を保護し、第三者の知的財産権を尊重する姿勢を堅持しています。不当な侵害に対しては話し合いで解決することを基本としながらも、シャープの知的財産権を尊重していただけない場合は、裁判所など第三者の判断を仰ぐことも辞さない方針としています。

また、営業秘密の保護強化と特に重要なシャープ固有の生産技術・ノウハウなどの漏えい防止にも努めています。さらに近年、海外でのシャープブランド模倣品による影響が増大しており、取締当局、業界団体との連携などにより、その対策を推進しています。