地域社会とともに
社会貢献活動の推進
2024年度の目標 | 2024年度の実績 | 自己評価 | 2025年度の重点取り組み目標 |
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- 自己評価:
- ★★★ 目標を上回る成果があった
- ★★ 目標を達成
- ★ 一定の成果があった
シャープグループでは国内のみならず「広く世界の文化と福祉の向上に貢献する」という経営理念のもと、各地域コミュニティの一員として地域の社会課題解決に取り組んでいます。引き続き地域と共存共栄する良好な関係を育むため、従業員が主体となって自発的かつ継続的に活動を推進していきます。
献血活動
シャープは、国内のみならず、海外でも献血活動に協力しています。国内では7拠点※1で約600人、海外ではカナダの販売拠点SECLやインドネシアの生産販売拠点SEID、インドネシアの生産会社SSIで計310人が協力しました。



身近なボランティアを実施
シャープは、国内各拠点で地域の障がい者福祉施設に対し、製品販売の機会を提供しています。職場でできる国際ボランティア活動としては、労働組合の取り組みとして国内外の使用済・未使用切手※2や、未投函・書き損じはがき※3、未使用カレンダー・手帳※4、外貨、本・CD・DVDなどを回収し、寄付活動を行っています。
また、地域コミュニティが主催するイベントへの社員ボランティア派遣や、協賛を行っています。
- 八尾事業所(大阪府)/藤井寺事業所(大阪府)/幕張事業所(千葉県)/広島事業所(東広島市)/福山事業所(広島県)/シャープマーケティングジャパン(株)尼崎支店(兵庫県)/沖縄シャープ電機(株)。
- 公益財団法人「日本キリスト教海外医療協力会」に協力。
- 特定NPO法人「シャプラニール=市民による海外協力の会」に協力。
- 広島ケナフの会・ケナフネットワークジャパン主催のチャリティーカレンダー展への寄付。
地元主催のお祭りにボランティアとして参加
天理事業所(奈良県)では、地元の櫟本(いちのもと)小学校で毎年2月に開催される「はにわ祭り」にボランティアとして参加しています。
このお祭りは、巨大円筒埴輪などを焼いた「古代の工房跡」が学校の敷地内から見つかったのをきっかけに1999年に始まっており、お祭り内のイベントとして、小学生が制作した円筒埴輪を野焼きします。この円筒埴輪は、毎年7月に実施される櫟本灯火会の燈篭としても使用され約3000基の灯火で幻想的な絵を描き出します。
2025年2月に開催された「第24回櫟本校区はにわ祭り」では、従業員21名が、焼き上がりを待つ間に実施された「校区探検ウォークラリー」で、小学生の引率者と交差点などのポイントでの立哨者に分かれ、子どもたちの安全を守りました。



洪水被災地に食料を提供
インドネシアの生産販売拠点SEIDは、2025年3月の大雨による大規模洪水で被災した地域に対し、生活必需品2,000セットを提供しました。支援物資は村役場での配付だけでなく、移動が難しい住民にも直接配付しました。
また、洪水で損傷したシャープ製品については、無償修理などの対応を行いました。



地域のチャリティーランに参加
欧州のデバイス販売拠点SDEは、ドイツ国内で広く認知されているチャリティーラン「B2Run」に関連会社とともに参加しています。このイベントには、ドイツ国内の11,800社から24万人以上が参加しており、2025年6月に開催されたイベントにはSDEから19名が参加しました。
このチャリティーランの参加費の一部は、エチオピアの農村地域への清潔な飲料水供給や植樹プログラム、またインドでの水力発電による気候変動対策支援に使われています。
従業員同士でイベントに向けたトレーニングをともにすることにより、チームワークの醸成にも繋がっています。



若年性関節炎を患う子どもたちを支援する募金イベントを主催
ニュージーランドの販売拠点SCNZは、当地の関節炎協会の取り組みを20年以上にわたり支援しています。若年性関節炎を患う子どもたちの屋外キャンプ資金援助のため、チャリティーイベントを毎年協賛しています。
2025年3月のイベントには、パートナーやクライアント、従業員が参加し、全体で11,000NZドル以上を集めました。ニュージーランド関節炎協会の最高責任者のフィリップ・カーニー氏からは「シャープからのご支援は大変素晴らしいものです。シャープのゴルフデーで集められた寄付は、子どもたちに病気は孤独ではないという体験を提供するキッズキャンプの資金に充てられています。この活動はシャープ社のご支援なしには実現できませんでした。」との感謝のお言葉をいただきました。


火山噴火の被災者を支援
インドネシアの生産販売拠点SEIDは、2024年11月に発生したレウォトビ火山の噴火の被災者支援として、NPO「Human Initiative」を通じて1億ルピア(日本円で約90万円)相当の支援※を実施しました。この物資の配布は、アクセスが困難なため、支援を受けられていなかったTitiehena(ティティエヘナ)地区の住民約5,600人を対象としました。


- 食料パッケージ、マスク、衛生キットの配付および簡易キッチンの設置
台風の豪雨被災地の家庭に炊飯器を寄贈
ベトナムの販売拠点SVNは、2024年9月の台風「ヤギ」による豪雨で大規模な洪水に襲われたラオカイ省、トゥエンクアン省、イエンバイ省の家庭に対し、顧客企業のDien May Xanh社とともに計4,600台の炊飯器を寄贈しました。
炊飯器は一見すると小さな家庭用品ですが、困難から立ち直ろうとする家庭にとって、温かい食事を用意できるようになり、日常生活を取り戻すための第一歩となります。製品の提供だけでなく、地域社会への実用的で意義のある貢献を通じて、今後もSVNの価値を創造していきます。



若者に農業研修を実施
インドネシアの生産販売拠点SEIDは、若者の農業離れを食い止めるための施策として、企業のCSR活動をサポートするBenihBaik社と協力し、2024年11月に「Sharp Hydro Heroes」プログラムを開始しました。この研修プログラムは20名の若者を選抜し、水耕栽培による農業のトレーニングの実施するだけでなく、栽培場所も提供しています。
2025年1月のはじめての収穫では、約5㎏のレタスが収穫されました。


乳がん患者のための募金イベントに参加
カナダの生産販売拠点SECLは、Canadian Cancer Society(カナダがん協会)主催の「CIBC Run for the Cure」に2022年から参加しています。このイベントには、カナダ全土で5万人以上が参加しており、毎年1,400万カナダドル以上が集められ、重要ながん研究と治療に寄付されます。
2024年10月に開催されたイベントにSECLも参加しており、会社および従業員、代理店、家族、友人などから集められた約6,600カナダドルを寄付しました。


洪水被害を受けた地域での修理対応
タイの合弁会社STCLは、2024年9月および12月にそれぞれタイ北部と南部で発生した洪水で大きな被害を受けた地域において、浸水した家電製品を特別価格で修理する被災地支援を実施しました。
STCLのサービス技術者を被災地に派遣し、現地の修理業者と協力して、液晶テレビ、冷蔵庫、空気清浄機、電子レンジ、洗濯機など、シャープ製品だけでなく他社ブランド製品を含め、合計17日間で延べ70台以上の家電製品の修理や故障診断を行いました。
今後も事業を展開する地域社会に寄り添う社会貢献活動を行っていきます。


障がいのある方々への教育支援活動
当社は、創業者の障がい者支援への想いを受け継ぐ社会貢献活動の一環として、特例子会社※のシャープ特選工業(株)とともに障がいのある方の職業観や勤労観を育む自立支援としてキャリア教育支援活動に取り組んでいます。
2024年度は以下の計5コースを延べ365回実施し、障がいのある方やその支援者など延べ2,489人が参加しました。
(取り組みを開始した2012年度からの累計では延べ4,545件、28,427人が参加)
- 職場見学(来社型)コース:障がいのある社員が働く職場の見学と座学による解説
- 職場体験実習(来社型)コース:障がいのある社員が働く職場での就労体験
- 出前授業(学校訪問型)コース:障がいのある社員が講師となり「働くということ」をテーマとした授業を実施
- オンライン授業(動画閲覧型)コース:動画とワークシートを用いた授業を実施
- 講演(訪問型)コース:障がいのある社員の実体験をもとにした幅広い講演を実施
また、海外では、UAE販売拠点SMEFが障がいのある学生を支援するイベントに製品を提供し、売上を寄付しています。
- 障がい者の雇用の促進および安定を図るため、事業主が障がい者の雇用に特別の配慮をして設立した子会社。
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職場見学コース -
職場体験実習コース -
出前授業コース -
オンライン授業コース -
講演コース
大阪府教育委員会から3年連続感謝状を受領
シャープ特選工業は、大阪府教育委員会が実施する「中学部生徒及び保護者向け職場体験実習」に取り組み開始当初の2023年から協力しており、2025年3月に3年連続で感謝状をいただきました。
当活動は、大阪府内の支援学校に通う生徒に対し、早期からキャリア教育・職業教育を行うことで、社会的自立のためにどのようなスキルを身に付けておく必要があるかを考えるきっかけを提供しています。
2024年度は、1月に大阪府立高槻支援学校と大阪府立八尾支援学校に通う中等部の生徒とその保護者・先生の受け入れを行いました。会社見学では、社内見学の他、製品検査体験や梱包作業実習などを通し、仕事やチームワークの大切さを学ぶ機会を提供しました。参加された保護者からは「たくさんの方が、障がいを抱えながら自分にできる事を見つけ、仕事をしているのを知ることができて刺激になりました」といった感想をいただきました。
これからも、生徒たちが自身の将来像についてより具体的なイメージを持ち、夢や目標に向かって学んでいけるよう、協力していきます。


大阪府教育委員会から「就労支援アドバイザー派遣事業」を受託
シャープ特選工業は、大阪府教育委員会が推進する「支援学校就労支援アドバイザー派遣事業」に協力しています。当事業は、大阪府内にある企業の障がい者雇用や人材育成に携わる担当者が、支援学校の中等部に通う生徒や保護者、就労支援に係る教員を対象に、講演や出前授業、研修を実施するもので、2024年度にスタートしました。
2024年度は大阪府立生野聴覚支援学校、大阪府立和泉支援学校、大阪府立泉北高等支援学校の3校を受け入れ「企業が求める人材」「企業が実践する障がい者雇用の実際」をテーマに「企業はどのような人と働きたいと考えるか」「学生の間につけておくべき力」について研修をしました。講義の中では、学校生活では馴染みのない「特例子会社」「障害者法定雇用率」「合理的配慮」といった項目を紹介しました。
また、実際の採用担当による集団模擬面接も行い、生徒一人ひとりにフィードバックすることで、それぞれの課題などを示しました。
参加者からは「企業の障がい者雇用に携わる担当者から直接話を聞くことのできる機会であり、学校とは異なる視点で話してもらえたことで、就労に向けての意識向上につながった」「適切な配慮を受けることで、障がいがあってもいきいきと働くことができると分かった」などのご意見をいただきました。
「特別支援学校等へのキャリア教育」を受けられている学校からのコメント
シャープ特選工業株式会社様には、日頃より本校の進路指導に向けた取り組みで大変お世話になっております。本校は、昭和23年に兵庫県立姫路聾学校として誕生し、平成19年に兵庫県立姫路聴覚特別支援学校に改称され、今年で創立77周年を迎える聴覚障害教育の伝統校です。校舎からは世界遺産の姫路城を間近に臨むことができ、歴史と文化が感じられる素晴らしい環境のもと、保育相談部から高等部まで、合わせて91名の幼児・児童・生徒が日々学習に励んでいます。
御社には毎年7月に高等部1年生の生徒を対象に、御社(大阪)と本校(姫路)をオンラインで結んで、出前授業を実施していただいています。同じ聴覚障がいをもった社員の方に手話を使用し、「働くことの意義」をテーマとした講義をしていただき、生徒たちからの「仕事に対するやりがいは?」などのさまざまな質問に対しても、リアルタイムで丁寧にお答えいただいています。生徒たちは同じ障がいを持った先輩が、様々な困難を乗り越えながら活躍されている様子を将来の自分のこととして捉え、また、先輩方の考え方に共感し、将来の進路選択に向けて自信を持って歩み出していく一つの契機となっています。毎年このような貴重な機会を提供していただいておりますことに、改めて深く感謝申し上げます。
本校は生徒の卒業後の社会的な自立を目指し、日頃よりコミュニケーション力の向上と言語力の育成に重点的に取り組んでおります。今後も御社をはじめ各種関係機関との連携を深め、そこで得られたさまざまな知見を積極的に活用していくことで、本校教育をさらに充実させていきたいと考えております。今後ともより一層のご指導とご支援を賜りますようお願い申し上げますと共に、御社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

校長 山本 幸生さま

出前授業講師の従業員より
2024年12月に初めて出前授業で登壇し、これまでに2校で授業を実施しました。自身の仕経験や人との関わりの中で得た学びを学生の皆さんに伝えたいという思いから講師を務めています。はじめはうまく伝えられるか不安でしたが、メモをとりながら真剣に話を聞く学生の様子がとても印象的で、一人ひとりの目を見て話すことができています。また、苦手だった人前に立つことも、講師として話すことで自信を持てるようになりました。
学生の皆さんには「目標を立てることの大事さ」について知ってほしいです。私自身、仕事をする上で大切にしていることでもあり、目標を立てることで目指すべき方向が分かり、達成できると自信につながります。
私はこれまでに先輩や上司からいろいろなことを教えてもらい、たくさん影響を受けてきました。私も出前授業を通して少しでも学生に影響を与えられるような存在になりたいです。

下野 祥季
障がいのある学生を支援するフェアに参加
UAE販売拠点SMEFは、「Al Noor Center for Rehabilitation People Determination」が主催するフェアに賛同しています。このセンターはUAEの国立機関として、さまざまな国籍の障がい者に対する教育とリハビリテーションを実施しています。
SMEFは2024年2月に実施されたフェアに電子レンジ、掃除機、炊飯器、アイロンなどの家電製品を寄付しました。


