生物多様性保全
生物多様性保全への取り組み
2024年度の目標 | 2024年度の実績 | 自己評価 | 2025年度の重点取り組み目標 |
---|---|---|---|
|
|
★★ |
|
- 自己評価:
- ★★★ 目標を上回る成果があった
- ★★ 目標を達成
- ★ 一定の成果があった
事業活動と社会貢献活動を通じた生物多様性保全
シャープは事業活動のさまざまな場面で生物多様性に影響を与え、また生態系による恵みを受けていることから、事業活動と社会貢献活動を融合したハイブリッド型アプローチで生物多様性保全に貢献する取り組みをグローバルに展開しています。
生物多様性保全の取り組み領域

事業活動においては、2030年までに自然減少を食い止め、プラスに転じさせるネイチャーポジティブの実現に向けて、2024年度から自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)フォーラムへ参画し、TNFDのフレームワークに基づく情報開示の準備を進めています。また、電機・電子4団体※2環境戦略連絡会の生物多様性ワーキンググループに参加し、同ワーキングで制作した「電機・電子事業と生物多様性の関係性マップ Ver.3.0」を活用し、TNFDが推奨する開示のための評価ステップ「LEAPアプローチ」を当社事業所を対象に実施しています。今後は、LEAPアプローチの対象をサプライチェーンに拡大し、事業活動における重要な依存と影響を明確にし、ネイチャーポジティブの実現に向けた具体的なアクションを検討していきます。
社会貢献活動としては、労使共同のボランティア組織「シャープグリーンクラブ(以下、SGC)」を国内の主要拠点に設置し、事業所周辺をはじめ、里山やラムサール条約湿地といった地域の環境保全に取り組んでいます。2024年度は、こうした活動を国内で延べ733回実施し、役員・従業員とその家族他、延べ9,602人が参加しました。また、2024年6月に参画した環境省主導の「30by30(サーティ・バイ・サーティ)アライアンス※2」では、参画の次のステップである「自然共生サイト※3」の認定取得に向け、天理事業所(奈良県)の「天理古墳シャープの森」と葛城事業所(奈良県)の「SGC明日香の森」が審査を受けています。海外でもCSRプログラムとして、植樹などを実施し、オールシャープとして世界の生態系保全に取り組んでいます。
- 2021年のG7サミットで約束された、2030年までに生物多様性の喪失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、国土の陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標。
- JEMA:一般社団法人日本電機工業会、JEITA:一般社団法人電子情報技術産業協会、CIAJ:一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会、JBMIA:一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会。
- 環境省が認定する生物多様性の保全に貢献する場所のこと。
環境省認定「自然共生サイト」登録に向けて
シャープは、2003年から労使共同のボランティア組織「シャープグリーンクラブ」を国内主要拠点に設置し、地域の多様な動植物が共存する生態系の保全に取り組んでいます。クリーン&グリーン活動では事業所・建屋周辺の清掃や緑化だけでなく、自治体などが主催する活動にも参加しています。また、里山保全活動では「森・いきもの・人のつながりを理解し、きずなを深め、地球環境への優しい心をはぐくむ森づくり」をコンセプトに「シャープの森」として5事業所※1で植林や育林に取り組んでいます。
こうした長年にわたる活動に加え、昨今の生物多様性保全に対する国際的な期待の高まりを受け、当社および関係会社5社※2が環境省が主導する「生物多様性のための30by30(サーティ・バイ・サーティ)アライアンス」に参画しました。加えて30by30達成に寄与するため、サステナビリティ委員会傘下に「生物多様性分科会」を設置しました。この分科会では上記の「シャープの森」活動に取り組むメンバーと協力し、環境省認定の「自然共生サイト」への登録を目指して取り組んでいます。2025年8月現在、天理事業所の「天理古墳シャープの森※3」と葛城事業所の「SGC明日香の森※4」が(独法)環境再生保全機構の審査を受けています。また、三重事業所の「多気シャープの森※5」と亀山事業所の「シャープグリーンクラブ亀山ビオトープ※6」も2025年度の認定を目指しています。



- 天理事業所(奈良県)/葛城事業所(奈良県)/広島事業所(東広島市)/三重事業所(三重県多気郡)/亀山事業所(三重県)。
- シャープエネルギーソリューション(株)、シャープジャスダロジスティクス(株)、シャープディスプレイマニュファクチャリング(株)、シャープ特選工業(株)、沖縄シャープ電機(株)。
- “歴史遺産での環境保全”をコンセプトに、敷地内にある古墳群で希少野生植物「ササユリ」を育成・保護。
- “景観と森林の保全”を掲げ、果樹エリア・森林エリア・竹林エリアに分けて整備を行い、棚田跡地などの歴史的景観の再生を図る。
- “森林保全と景観整備”をコンセプトに、多気町にある『ふれあいの森』の一画を整備。
- 従業員の憩いの場であり、絶滅危惧種「ヤリタナゴ」飼育の場として整備。
農地の荒廃防止として地元有志団体とともに稲作を実施
三重事業所では、農地の耕作放棄が深刻な問題となっている多気町車川地区にて、2012年から農地の荒廃防止活動を行っています。地元有志で結成された車川里山ファン倶楽部の活動にシャープグリーンクラブ三重が協力し取り組んでいます。
2024年度は5月に従業員とその家族15名が田植えを体験しました。また、6月の除草や9月の収穫に計17名が参加しました。



アースデイに地域清掃を実施
カナダの販売会社SECLは、「アースデイ※」を記念した清掃活動に参加しています。
2024年度は約30人の従業員が、地元オンタリオ州ミシサガの公園の清掃をしました。この取り組みは、公園の環境保全だけでなく、地元への感謝を示す活動にもなっています。


- きれいな空気と水資源の大切さを訴えるため、アメリカのゲイロード・ネルソン上院議員が1970年4月22日を「地球の日」と宣言したことがきっかけ。世界中で地球への関心を表現するイベントが開催される。毎年4月22日。
学校の緑化プログラムに協力
インドネシアの生産販売拠点SEIDと生産拠点SSIは、カラワン工業団地※のCSRプログラムの一環として、36の加盟企業による「School Go Green」に参加しています。
2024年はバリ島のTeragadesa(テガララン村)の環境保全ならびに西ジャワ州カラワン地区政府への支援として、11月にヤペルシックKIIC専門学校に保護植物や希少な果実の苗木計221本を寄贈しました。
SEIDは落葉大高木のJati Blenda(和名:チーク)の苗木を、SSIは常緑高木のMatoa(和名:蕃竜眼)の苗木を記念植樹しました。また、生ゴミや落ち葉などの廃棄物を使った固形・液体堆肥の作り方を伝えることで、資源の有効活用や微生物の働きについて学ぶ機会も提供しました。




- カラワン県西ジャワ州中部に位置するインドネシア随一の工業地帯。