資源循環
資源循環に対する考え方
循環型社会の実現に向けて
シャープはこれまで、新しい製品を生み出すことで世の中に多様な価値を提供してきた一方で多くの資源を使用してきました。資源の有効利用により一層努め、最小限の資源で最大限の価値を継続的に提供することで、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を構築し、循環型社会の実現を目指します。具体的には「製品」「製造」「リサイクル」の3つの領域を重点分野として、環境配慮型製品・デバイスの創出、環境貢献技術の開発、事業活動における環境負荷の低減、使用済み製品のリサイクルなど幅広い領域で取り組みます。
3つの領域でのアプローチ
(1)製品:新規開発製品に対して、環境配慮設計およびライフサイクルに関するアセスメントを実施し、省資源・長寿命・再生材の活用等を図ることで、バージンプラスチックの削減や廃棄物の削減に取り組んでいます。また、使用済み家電製品から回収したプラスチックを新しい家電製品の部材として再利用する「自己循環型マテリアルリサイクル技術」を実用化しています。
キーワード:バージンプラスチック、自己循環型マテリアルリサイクル技術
(2)製造:工場での環境負荷低減を目指し、資源の効率的な利用を推進しています。製造工程で発生する廃棄物の排出抑制・再資源化に取り組むとともに、受水量の削減や工程排水の循環利用を積極的に推進し、水資源の有効活用に取り組んでいます。
キーワード:廃棄物、水資源
(3)リサイクル:使用済み製品の回収・再資源化の推進に加えて、従業員に向けたリサイクル設計研修やリサイクル工場の見学などを通じて、循環型社会の実現に向けた活動に取り組んでいます。
キーワード:使用済み製品のリサイクル、リサイクル設計研修
資源循環活動の領域
バージンプラスチック削減の取り組み
バージンプラスチック削減に対する考え方
プラスチックは、その有用性から幅広い製品や容器包装に利用されており、現代社会に不可欠な素材です。一方、海洋プラスチックごみ問題、石油資源の枯渇問題などを契機として、国内外においてプラスチックに係る資源循環の促進等の重要性が高まっています。
シャープは、製品や包装材に使用するバージンプラスチックの削減に向けた取り組みを強化するため、バージンプラスチックに関する中期目標を設定しました。目標達成に向けて分科会を設置し、プラスチック以外の素材への代替化や再生プラスチック・バイオプラスチックの利用促進などに取り組んでいます。
バージンプラスチックに関する中期目標の設定
シャープは、資源循環への取り組みを確実なものにするため「サーキュラーパートナ-ズ※1」に参加し、以下の目標を設定して循環型社会の実現に取り組んでいます。2025年度の実績は58.6%となりました。
サーキュラーパートナーズ目標
| 目標指標 | 当該年度の新製品における「再生プラスチックまたはバイオプラスチック使用製品」の機種数割合 |
|---|---|
| 目標水準 | 70%以上 |
| 目標年度 | 2030年度 |
サーキュラーパートナーズ目標実績(2025年度)
| 算定対象製品 | 2025年度の実績 |
|---|---|
| テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、レンジ・オーブン、空気清浄機、複合機 | 58.6%※2 |
バージンプラスチック削減分科会
シャープは、バージンプラスチックの使用量削減に向けた取り組みを推進するため、社内の技術者で構成する「バージンプラスチック削減分科会」を設置しています。
2025年度の活動実績として、再生プラスチックの適用拡大に向け、品質・安全性・調達面などの観点から検討を進めるとともに、導入時の判断基準を明確化した「再生プラスチック採用ガイドライン」を策定しました。また、社内におけるバージンプラスチック関連情報の管理・共有を目的として「サーキュラーエコノミーポータル」を構築し、継続的な情報蓄積と活用を図っています。
バージンプラスチックの削減事例
シャープはバージンプラスチックの使用量削減に向け、「プラスチック以外の素材への代替化」「再生プラスチックの採用」「バイオプラスチックの採用」に積極的に取り組んでいます。
バージンプラスチック削減取り組み事例
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AQUOS由来の再生プラスチックの採用
国内向けテレビにおける再生プラスチックの使用を拡大し、2026年発売モデルでは主要な外装部品に採用。 使用プラスチックのPCR材※3含有率は約20%を見込むとともに、一部モデルのスピーカーグリルにAQUOS由来の廃プラスチックを再資源化したCMR材※4を採用。
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環境配慮材の採用
対話AIキャラクター「ポケとも」にも環境配慮材を採用し、資源循環の促進と新規資源使用量の削減。 スマートフォン「AQUOS sense10」「AQUOS R11」の筐体および内部部品に再生材・環境配慮材を継続採用。
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- 経済産業省が主管するサーキュラーエコノミーに関する産官学のパートナーシップ。
- 当該年度に日本向けで新規販売された製品に基づく
- post-consumer resin:消費後にリサイクルされた樹脂材料。
- closed material recycle:使用済みの自社製品から回収した材料を、再び自社製品の材料として使うリサイクル
資源循環型社会に貢献する環境技術
| 2025年度の目標 | 2025年度の実績 | 自己評価 | 2026年度の重点取り組み目標 |
|---|---|---|---|
|
|
★★ |
|
- 自己評価:
- ★★★ 目標を上回る成果があった
- ★★ 目標を達成
- ★ 一定の成果があった
プラスチックの自己循環型マテリアルリサイクル技術の拡大
使用済みプラスチックを新しい製品の原料として再生利用するマテリアルリサイクルは、日用品や雑貨などに再利用する「オープンマテリアルリサイクル」が一般的です。その大半は1度きりの再利用であり、再利用後は一般ゴミとして廃棄されてしまいます。
一方、シャープは限りある資源の有効活用と廃棄物削減に向けて、使用済み家電製品から回収したプラスチックを新しい家電製品の部材として何度も繰り返し再生利用可能な「自己循環型マテリアルリサイクル技術」を関西リサイクルシステムズ(株)※1と共同で開発し、特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)が施行された2001年度より実用化しています。
金属や種類の異なるプラスチックが混在する混合プラスチックからポリプロピレン(PP)を高純度に取り出す「高純度分離回収」技術や、回収したPP・HIPS※2・PC+ABS※3などの素材を新品材料と同等の特性に改善する「特性改善処方」技術を通じて再生利用可能なプラスチック量の増大に取り組んでいます。また、独自の「特性付与処方」技術を用いて難燃性や耐候性、抗菌性などをもつ高付加価値材料を開発し、用途拡大にも取り組んでいます。さらに、最適な品質を確保するための「品質管理」技術など、回収から品質管理まで一貫した技術開発を手掛けることで高品位な再生プラスチックを生成するリサイクルを実現しています。
- シャープ(株)と三菱マテリアル(株)など6社が共同で出資している家電リサイクル会社。
- 耐衝撃性ポリスチレン、汎用ポリスチレン(GPPS)にゴム成分を加えて耐衝撃性を付与した樹脂。
- ポリカーボネートとアクリロニトリル・ブタジエン・スチレンのアロイ材(複数のポリマーを混合することで、新しい特性を持たせた樹脂)。
家電4品目から回収したプラスチックの再資源化フロー
- 複数の樹脂を分子レベルで均一、細かく分散させること。
- 複数の樹脂を混合することで新しい特性を持たせた樹脂のこと。
再生プラスチックの採用拡大に向けて
シャープは、使用済みプラスチックの再資源化を更に促進する取り組みとして、使用済みプラスチックを新材同等に再生し、新しい家電製品の同種部品に再利用する「水平リサイクル」の技術開発に加え、再生プラスチックに難燃性、耐候性、高剛性、着色などの機能性や付加価値を付与することで、従来の用途にとどまらない幅広い製品への再利用を可能とする「アップグレードリサイクル」の技術開発にも注力しています。
2025年度は、使用済みエアコンから回収したポリスチレン(PS)を原料とし、家電製品に求められる物性と耐久性を両立したリサイクル材を開発しました。PSは家電製品における主要なプラスチック材料ですが、熱劣化や異物による影響を受けやすく、従来技術では家電製品などの耐久消費財への水平リサイクルが難しく、これまでは日用品や雑貨などへの再利用に留まっていました。本技術の実用化によって家電製品における再生プラスチック使用率の向上が期待できます。今後は、量産化技術と品質管理技術の開発を着実に推進し、早期の実用化を目指します。
また、新たな取り組みとして、製品の外観や質感を高めるため、再生プラスチックの加飾技術の開発を推進しています。これまで再生プラスチックは、使用環境の異物の混入による黒点や原料由来の色ばらつきなど、外観上の問題から製品内部の部品への採用に限定されてきました。本技術により、再生プラスチック特有の課題である黒点や色ばらつきを、製品の個性や意匠として活かすことができれば、外観部品への適用拡大が可能となります。再生プラスチックの課題を価値へと転換することで、新たなデザインの可能性を広げ、当社製品の環境配慮性の向上に貢献していきます。
使用済みプラスチックのリサイクル方法
着色再生ポリプロピレンの採用事例
サーキュラーエコノミーの実現に向けて
シャープの独自技術である「自己循環型マテリアルリサイクル技術」により開発した再生プラスチックは、2025年度発売モデルの冷蔵庫・エアコン・洗濯機・小型家電・複合機に採用し、その使用量は累計22千tに達しています(2001~2025年度実績)。
2025年度は冷蔵庫や空気清浄機の新たな部品に採用を拡大しました。家電4品目から始まったプラスチックのリサイクル技術をシャープのさまざまな製品に広く展開し、製品を通じた環境負荷低減に努めます。
今後は家電4品目だけでなく、当社の全ての製品へ自己循環型マテリアルリサイクルの展開を目指し、サーキュラーエコノミーの実現に貢献していきます。
サーキュラーエコノミーの実現に向けて
再生プラスチックの採用事例
イオン発生機
| 製品 | パーツ名 | 再生プラスチックの種類 | 原材料 |
|---|---|---|---|
| 洗濯機 | 水槽 | PP | 洗濯機 水槽 |
| 冷蔵庫 | ファンルーバー、 ポンプカバー | 冷蔵庫 野菜ケース | |
| シャワーダクト、 チルドレール、冷蔵室仕切り他 | |||
| エバポレーターカバー | 洗濯機 脱水槽、 バランサー 他 | ||
| エアコン | 露カバー、モーター押さえ | エアコン・冷蔵庫・洗濯機の部品 | |
| セラミックファンヒーター | ケーシング | 難燃PP | |
| 空気清浄機 | ケーシング | PP | エアコン・冷蔵庫・洗濯機の部品 |
| 電源ボックス | 難燃HIPS | 薄型テレビ 背面キャビネット、冷蔵庫棚板 | |
| 車載用プラズマクラスターイオン発生機 | 内部構造部品 | 難燃PC+ABS | 薄型テレビ 背面キャビネット |
| 複合機 | LEDホルダー、 吹き付けダクト基板取付カバー |
使用済み製品のリサイクルの推進
| 2025年度の目標 | 2025年度の実績 | 自己評価 | 2026年度の重点取り組み目標 |
|---|---|---|---|
|
|
★★★ |
|
- 自己評価:
- ★★★ 目標を上回る成果があった
- ★★ 目標を達成
- ★ 一定の成果があった
使用済み製品のリサイクルに対する考え方
シャープは、限りある資源の有効活用により持続可能な社会の実現に貢献するため、世界各国・地域のリサイクル法規制を遵守し、消費者、リサイクル業者との協力のもと、使用済み製品の回収とリサイクルを積極的に推進しています。
<日本国内>
家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)のリサイクルを推進
シャープは家電リサイクルBグループ※1の一員として、全国19か所のプラントで高効率リサイクルシステムを構築・運用しています。2025年度の当社家電4品目の引取台数は約2,295千台(前年度比100%)、再商品化重量は約64千t(前年度比100%)でした。なお、再商品化率は、特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)で定められている法定基準を4品目とも上回っています。
- シャープ(株)、ソニー(株)、日立グローバルライフソリューションズ(株)、(株)ゼネラル、三菱電機(株)などで構成。
当社家電4品目の再商品化等実施状況(2025年度)
値は全て小数点以下を切捨て
| 単位 | エアコン | ブラウン管 テレビ |
薄型 テレビ |
冷蔵庫・ 冷凍庫 |
洗濯機・ 衣類乾燥機 |
合計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 指定引取場所での引取台数 | 千台 | 379 | 52 | 992 | 441 | 441 | 2,295 |
| 再商品化等処理台数 | 千台 | 373 | 52 | 973 | 442 | 442 | 2,276 |
| 再商品化等処理重量 | t | 15,006 | 1,102 | 14,495 | 24,991 | 18,322 | 73,918 |
| 再商品化重量 | t | 14,240 | 816 | 12,558 | 20,077 | 17,264 | 64,957 |
| 再商品化率 | % | 94 | 74 | 86 | 80 | 94 | - |
| 法定再商品化率 | % | 80 | 55 | 74 | 70 | 82 | - |
資源有効利用の取り組み
シャープは、関西リサイクルシステムズ(株)※2とともに資源の有効利用とリサイクル処理の効率化に取り組んでいます。冷蔵庫のコンプレッサーに使用される巻線材質は、従来の銅巻線からアルミ巻線へと移行が進んでいます。これに対し、AIを活用した光学文字認識(OCR)技術により巻線材質を判別する手法を確立し、再資源化の精度向上を目指しています。また、冷蔵庫のリサイクル処理工程では、コンプレッサーを取り外して冷媒フロンを回収する必要があります。これまでは、作業者が一つひとつ手作業で冷媒フロン回収およびコンプレッサーの機能破壊を行っていました。工具による騒音や振動に加え、コンプレッサーを持ち上げたり置いたりする重筋作業は、作業者にとって大きな負担となっていました。そこで、OCR技術に加えて協働ロボットを導入し、これらの課題解決を図りました。今回導入した協働ロボットは、コンプレッサーの機能破壊作業、オイル回収時の反転作業、運搬作業、素材ごとの仕分け作業を自動で行います。これにより、騒音レベルは従来比で5.6dB低減し、処理効率は25%向上しました。
- シャープ(株)と三菱マテリアル(株)など6社が共同で出資している家電リサイクル会社。
使用済み製品のリサイクルの推進および地域とのコミュニケーション
関西リサイクルシステムズ(株)は、家電リサイクル法に基づき、使用済み家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)をリサイクルし、資源の循環利用を進めるとともに、地域社会との共生に取り組んでいます。地域社会とのコミュニケーション活動として、地元小中学校をはじめ、地域住民や一般見学者を対象とした工場見学の受け入れ、出前講座を実施しているほか、中学校・高校での総合探究学習や職業講話※1にも参加しました。2025年度は、国内外合わせて1,057人、累計35,000人以上の見学者を受け入れました。また、地域イベント※2にも継続して参画し、洗濯機の解体ショーや上ぶたの解体体験を取り入れた活動を行いました。さらに、小中学生向けの見学や出前授業の増加を受け、より分かりやすく楽しく学べるよう、書き込みやシール貼りを楽しみながら、自分だけの手帳を作れる「探偵手帳」(子ども向けパンフレット)を制作し、この春から運用を開始しました。
(子ども向けパンフレット)
- 「実際に現場で働く人」が講師として招かれ、さまざまな職業の人から話を聞き、仕事の面白さや将来の選択肢を広げる機会を設ける事を目的とした授業。
- もったいないバザール(2025年10月19日)、ひらエコまつり(2025年11月3日開催)、ひらかたエコフォーラム2026(2026年2月14日)で簡単な実験や家電リサイクルにちなんだクイズ、洗濯機の解体ショーを実施。
リサイクル設計研修の実施
シャープでは、製品ライフサイクルを考慮したモノづくりを推進することを目的として、主に製品の企画・設計担当者を対象としたリサイクル設計研修を定期的に開催しています。研修では、設計の段階でリサイクルに配慮して設計することの重要性や、プラスチックのマテリアルリサイクルを推進するための考え方、リサイクル工場の見学などを行っています。
テレビのリサイクル設計研修
2025年11月、テレビの担当者を対象に、1日目は社内で「家電リサイクル法概要」「リサイクル配慮設計」の講義を行い、2日目は当社と同じBグループの(株)ハイパーサイクルシステムズ様のご協力を得て、リサイクル現場の見学と液晶テレビ、有機ELテレビの解体実習を行いました。ハイパーサイクルシステムズ千葉工場では、Bグループメーカーのテレビのリサイクル処理を行っており、当社製のテレビのリサイクルも行っています。実際のリサイクル処理を行っている場所で、リサイクル現場の方に指導を受けながら解体を実際に体験することにより、リサイクルしやすい設計配慮や作業性への配慮の必要性を学びました。解体実習後は、ハイパーサイクルシステムズ様の現場でリサイクル処理しづらい事例をご紹介頂き、現物を見ながらどのように取り外せばいいのか意見交換を行いました。
白物家電のリサイクル設計研修
2026年4月には、白物家電の担当者を対象に、1日目は社内でオンライン講義(内容は2025年11月と同様)を行い、2日目は、当社グループの関西リサイクルシステムズ(株)本社工場のご協力のもと、リサイクル現場の見学とドラム式洗濯機、エアコン室内機の解体実習を行いました。今回初めてドラム式洗濯機を解体品目に取り上げ、解体作業の大変さを実感し、素材や構造による再商品化率への影響などについて考える機会となりました。解体実習を通して、ねじ締めなどの固定方法によって解体性が異なることや、単一素材にまで分解することの大切さを実感してもらいました。また、より品位の高いリサイクル素材を得るために、素材表示や設計配慮について学び、現場の声に耳を傾けました。
受講者からは「リサイクル現場への設計配慮の必要性が理解できた」「品質とリサイクル性の両立に取り組んでいきたい」などの声が聞かれました。今後も、材料選択からリサイクルまでを考慮したモノづくりが進められるよう、社内意識の醸成を進めていきます。
製品・消耗品リサイクル(アメリカ)
Sharp Electronics Corporation(SEC)は、米国における循環型経済の実現と廃棄物削減に向け、製品および消耗品のリサイクル体制の構築・拡充を進めています。
SECは2007年に、家電リサイクル管理会社MRM(Electronic Manufacturers Recycling Management Company, LLC)※1の設立に参画し、AV機器の回収・リサイクルを推進しています。本取り組みは全米に展開されており、約2,050か所の回収拠点を通じて使用済み製品の適正処理を行っています。各州の規制に対応した運用のもと、2025年度には約67,500tの使用済み家電をリサイクルしました。
また、ディスプレイやAQUOSボード※2については、製品のライフサイクル終了時における適正処理を重視し、認定リサイクル施設と連携して、回収・再資源化を実施しています。製品を分解し、金属、プラスチック、ガラスなどの素材を回収・再利用することで、廃棄物の削減と環境負荷の低減を図るとともに、資源の有効活用を推進しています。
さらにSECは、2008年よりトナーカートリッジをはじめとする消耗品のリサイクルプログラム「Sharp Stop, Drop, Recycle Program」を展開しています。本プログラムでは、使用済みカートリッジやボトル、回収容器、ドラムユニットなどを対象に、返送用のプリペイドリサイクルキットを無償で提供し、顧客の負担なく回収できる仕組みを構築しています。2025年には21万個以上のトナーカートリッジを回収・リサイクルしました。また、回収キットの利用方法を動画で公開するなど、顧客参加型のリサイクル促進にも取り組んでいます。
- パナソニック・ノース・アメリカ、東芝アメリカ家電社との合弁会社
- 大型タッチパネル式ディスプレイ (電子黒板)。
リサイクル工場見学(カナダ)
Sharp Electronics of Canada Ltd.(SECL)とDynabook Canada Inc.(DBC)は、電子製品リサイクル協会(EPRA)のチームメンバーおよびeCycle Solutions社のCEOとともに、eCycle Solutions社での電子機器リサイクル見学ツアーに参加しました。このツアーへの参加は、SECLとDBCの従業員にとって電子機器リサイクルプロセスにおける電子機器の収集、分別、リサイクルの仕組みについて学ぶ貴重な機会となりました。
また、ツアー中には、持続可能性、リサイクルおよび責任ある廃棄物管理について有意義な意見交換を行いました。これにより、従業員の環境意識の向上を図るとともに、電子機器リサイクルおよび循環型経済の実践に関する理解を深めることができました。
プラスチック回収(インドネシア)
P. T. Sharp Electronics Indonesia (SEID)はプラザ・インドネシアにおいて同国で2台目となるRVM(リバース・ベンディング・マシン)を設置・公開しました。
本取り組みは、2024年8月よりアルタ・ガディングモールで開始したインセンティブ付きリサイクルプログラムの拡張として展開されています。同モールでの運用実績として、1台のRVMにより合計2,066kg(ペットボトル約11万本相当)のプラスチックを回収し、着実な成果が得られています。さらに、本プログラムは地域住民の積極的な参加を促進しており、1年間で1,289人のユーザーが利用し、総取引件数は8,859件に達しました。利用者にはポイント交換制度を通じてインセンティブが提供され、累計600万ポイント以上が還元されています。
トナーカートリッジの回収(フランス)
Sharp Business Systems France S.A.S.(SBSF)は、環境団体Conibiと連携し、トナーカートリッジなどの印刷消耗品の回収・リサイクルを推進しています。2025年は合計242kgの消耗品を回収しました。Conibiは、拡大生産者責任(EPR)の枠組みに基づき活動する組織で、印刷消耗品や電池の回収およびリサイクルを専門としています。同団体との協業により、環境規制に適切な対応をするとともに、使用済み製品の再資源化を通じた循環型経済の推進に貢献しています。
使用済み機器リサイクルの取り組み(スウェーデン)
Sharp Business Systems Sverige AB (SBSSE)はINREGOと連携し、ノートパソコン、タブレット、スマートフォンなどの使用済み機器の回収と再利用・リサイクルに取り組んでいます。
2025年には、ノートパソコン44台、デスクトップパソコン1台の計45台を回収しました。回収機器のうち96%はBlancco社の技術によりデータを適切に消去し、残りの4%は安全に破壊処理を実施しています。データ消去後の機器のうち約80%が再利用され、これにより合計6,253kgのCO2排出削減に貢献しました。
事業活動に伴う廃棄物の排出抑制・再資源化
| 2025年度の目標 | 2025年度の実績 | 自己評価 | 2026年度の重点取り組み目標 |
|---|---|---|---|
|
|
★★★ |
|
- 自己評価:
- ★★★ 目標を上回る成果があった
- ★★ 目標を達成
- ★ 一定の成果があった
廃棄物等発生量の削減
シャープはサーキュラーエコノミーの実現に貢献するため、廃棄物の排出抑制と再資源化に取り組んでいます。
シャープの2025年度の廃棄物等発生量は、前年度比34%減少の50千tでした。デバイス事業のアセットライトの進展もあり、大幅な減少となりました。再資源化量は46千tでした。また、最終処分率は0.46%となり、グローバルでのゼロエミッション※1を達成しました。
今後も、特に海外拠点の廃棄物削減取り組みをより一層強化し、グローバルでのゼロエミッションを継続します。
- シャープでは、廃棄物最終処分率0.5%未満をゼロエミッションと定義しています。廃棄物最終処分率(%) = 最終処分量 ÷ 廃棄物等発生量
- 一般廃棄物や産業廃棄物のうち、有害物質を含まない廃棄物。
- 日本国内における特別管理産業廃棄物および各国で指定された有害廃棄物
廃棄物等発生量の推移
再資源化量の推移
廃棄物等発生量の地域別内訳(2025年度)
最終処分率の推移
廃棄物処理業者との連携によるリサイクル推進
中国の生産拠点WSECでは、資源の有効活用と廃棄物削減を目的に、廃棄物処理業者との積極的なコミュニケーションを通じて、リサイクルおよび再利用の推進に取り組んでいます。
2025年度は、廃段ボール493t、廃プラスチック92t、廃ガラス58t、廃木材9tのリサイクルを実施し、合計652tの廃棄物が削減されました。
水資源の有効活用
| 2025年度の目標 | 2025年度の実績 | 自己評価 | 2026年度の重点取り組み目標 |
|---|---|---|---|
|
|
★★★ |
|
- 自己評価:
- ★★★ 目標を上回る成果があった
- ★★ 目標を達成
- ★ 一定の成果があった
水資源に対する考え方
世界人口の増加、開発途上国の経済成長、気候変動などの問題により、世界規模で水資源問題が発生しています。シャープは「環境基本理念」の下、「シャープグループ企業行動憲章」および「シャープ行動規範」に定めた地球環境保全への取り組み方針に沿って、水資源の有効活用に取り組んでいます。特に、液晶ディスプレイや電子デバイスなどの製造における水資源の確保は事業継続上の重要課題として認識し、受水量の削減と循環利用を推進しています。
受水量の削減と循環利用の推進
シャープの2025年度の受水量は、前年度比23%減少の6.8百万m3となりました。また、受水量原単位改善率は16%でした。シャープでは、水不足リスクによる事業継続への影響を最小化するため、世界資源研究所(WRI)が開発した評価ツール「Aqueduct」を用いて工場の水リスクを評価しています。リスクが最も高い地域にあるタイの生産拠点SATLでは、生産工程などで発生する排水のリサイクルによって受水量を削減しています。また、液晶ディスプレイなどの製造で大量の水を使用する亀山事業所(三重県亀山市)や三重事業所(三重県多気郡)では、工程排水を全量回収して再利用するクローズド・システムを導入しています。こうした取り組みにより、シャープは水の循環利用率※60%以上を維持しています。今後も、グローバルでの水資源の有効活用に継続的に取り組むとともに、事業拡大に伴う効率向上を目指します。
なお、2025年度に水関連の法令違反による訴訟問題・罰金・科料はありませんでした。また、水に関する重大な事故の発生もありませんでした。
- 循環利用率 = 循環利用量 ÷(受水量+循環利用量)
受水量の地域別内訳(2025年度)
受水量の推移
循環利用率の推移
地域別 受水量・排水量内訳(2025年度)
(m3)
| 地域 | 受水量※1 | 排水量 | 消費量※3 | 循環利用量 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 第三者より 購入した 水※2 |
地下水 | 総量 | 地表水 | 下水 | 海水 | 地下水 | 総量 | |||
| 日本 | 4,090,300 | 1,295,134 | 5,385,434 | 3,380,015 | 269,160 | 333,063 | 0 | 3,982,238 | 1,403,196 | 13,264,869 |
| アジア | 540,826 | 9,178 | 550,004 | 28,471 | 257,283 | 0 | 0 | 285,753 | 264,251 | 80,589 |
| 中国 | 829,416 | 0 | 829,416 | 0 | 684,941 | 0 | 0 | 684,941 | 144,474 | 136,109 |
| 米州 | 400 | 0 | 400 | 0 | 400 | 0 | 0 | 400 | 0 | 0 |
| 欧州 | 7,607 | 0 | 7,607 | 0 | 6,917 | 0 | 0 | 6,917 | 690 | 0 |
| 合計 | 5,468,549 | 1,304,312 | 6,772,861 | 3,408,486 | 1,218,701 | 333,063 | 0 | 4,960,250 | 1,812,611 | 13,481,567 |
水ストレスランク※4別受水量内訳(2025年度)

水ストレスを伴う地域※5における受水量内訳(2025年度)
(m3)
| 地域 | 第三者より 購入した水 |
地下水 | 地表水 | 海水 | 生産 随伴水 |
総量 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 日本 | 35,708 | 0 | 0 | 0 | 0 | 35,708 |
| アジア | 443,207 | 9,178 | 0 | 0 | 0 | 452,385 |
| 中国 | 578,319 | 0 | 0 | 0 | 0 | 578,319 |
| 米州 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 欧州 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 合計 | 1,057,234 | 9,178 | 0 | 0 | 0 | 1,066,412 |
- 地表水・海水・生産随伴水はいずれも0。
- 工業用水および上水。
- 消費量=総受水量-総排水量
- Aqueductが地域ごとに定義
ランク1(低リスク)~ランク5(高リスク)の5段階。 - Aqueductの水ストレス評価がランク4以上の地域。
「クローズド・システム」による水のリサイクル
三重事業所(三重県多気郡)では、ディスプレイの生産で使用する大量の水を半永久的にリサイクルする「クローズド・システム」を採用しています。生産工程で発生した排水には化学薬品が含まれているため、工場外へ放流することなく全量を回収し、微生物の力で化学薬品を分解する「生物接触ろ過」、フィルターなどでのろ過、純水製造装置での純水製造を経て繰り返し生産に使用しています。
クローズド・システムの流れ
排水の有効活用による節水
中国の生産拠点WSECでは、水資源の有効活用と使用量削減を目的に、排水の再利用に取り組んでいます。純水製造装置から排出される排水はトイレの洗浄水として、また、偏光板洗浄機からの排水は冷却塔の補給水として再利用しています。
これらの取り組みにより、2025年度は約11万m3の節水を達成しました。






