CSR・環境

資源循環

事業活動に伴う廃棄物の排出抑制・再資源化

2018年度の目標 2018年度の実績 自己評価
  • 最終処分率:0.5%以下
  • 最終処分率:0.6%
2019年度の重点取り組み目標
  • 最終処分率:0.5%以下
  • 自己評価 ★★★:目標を上回る成果があった ★★:目標を達成 ★:一定の成果があった

シャープグループの廃棄物等発生量を抑制

シャープは資源循環型社会の構築に貢献するため、廃棄物の排出抑制と再資源化に取り組んでいます。2018年度のシャープグループの廃棄物等発生量は、M&Aなどによる対象範囲の拡大に伴い前年度比3%増加の75千tとなりました。また、再資源化量は前年度比1%減少の71千tでした。なお、最終処分率は0.6%にとどまりました。一方、日本国内工場では廃棄物や廃液の再資源化・有価物化などの取り組みを継続的に進めた結果、最終処分率が0.02%となり、2001年度から18年連続でゼロエミッションを継続しています。今後は、海外拠点の廃棄物削減取り組みを一層強化し、グローバルでのゼロエミッション達成を目指します。

  • ※ シャープでは、廃棄物最終処分率0.5%未満をゼロエミッションと定義しています。
    廃棄物最終処分率(%) = 最終処分量 ÷ 廃棄物等発生量

廃棄物等発生量の推移

最終処分率の推移

廃棄物等発生量の地域別内訳(2018年度)

取り組み事例

洗浄廃液の濃縮倍率調整による産業廃棄物の削減

亀山工場(三重県亀山市)では、液晶ディスプレイの生産工程から発生する産業廃棄物の削減に取り組んでいます。生産工程で発生した有害なガスを洗浄する際に使用した洗浄廃液(フッ化ソーダ)は、蒸発濃縮装置で減容化して産業廃棄物として排出しています。2018年度は、蒸発濃縮装置の濃縮倍率の見直しを行い、段階的に濃縮倍率を上昇させた結果、年間2,400tの削減につながりました。

蒸発濃縮装置で洗浄廃液を減容化

洗浄廃液処理の流れ

PCB廃棄物の適正な保管・管理

シャープは「PCB特別措置法」に基づき、PCB廃棄物の適正な保管と管理を徹底しています。法令で定められた期限(2027年3月末)はもとより、早期の無害化処理完了に向けて計画的に処理を進めています。

PCB廃棄物が保管されているドラム缶

PCB廃棄物搬出作業

使用済み製品のリサイクルの推進

2018年度の目標 2018年度の実績 自己評価
  • 洗濯機リサイクルラインの高効率化
  • 洗濯機のリサイクルラインを刷新し処理効率が約20%向上
★★
2019年度の重点取り組み目標
  • 冷蔵庫の廃棄部材の有価物化推進
  • 自己評価 ★★★:目標を上回る成果があった ★★:目標を達成 ★:一定の成果があった

家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)のリサイクルを推進

シャープは家電リサイクルBグループ※1の一員として、全国19か所のプラントで高効率リサイクルシステムを構築・運用しています。2018年度の当社家電4品目の引取台数は約1,871千台(前年度比117%)、再商品化重量は約59千t(前年度比116%)となりました。また、家電リサイクル法で求められている再商品化率は4品目とも法定基準を上回っています。

  • ※1 シャープ(株)、ソニー(株)、日立グローバルライフソリューションズ(株)、(株)富士通ゼネラル、三菱電機(株)などで構成

当社家電4品目の再商品化等実施状況(2018年度)

値は全て小数点以下を切捨て

  単位 エアコン ブラウン管
テレビ
薄型
テレビ
冷蔵庫・
冷凍庫
洗濯機・
衣類乾燥機
合計
指定引取場所での引取台数 千台 299 140 574 432 424 1,871
再商品化等処理台数 千台 301 144 573 433 424 1,877
再商品化等処理重量 t 12,347 3,393 10,551 25,737 16,230 68,259
再商品化重量 t 11,720 2,531 9,269 20,412 15,263 59,198
再商品化率 % 94 74 87 79 94 -
法定再商品化率 % 80 55 74 70 82 -

リサイクル処理効率化の取り組み

シャープは、関西リサイクルシステムズ(株)※2とともに資源の有効利用とリサイクル処理の効率化に取り組んでいます。全自動洗濯機と比較して2倍以上の処理時間がかかるドラム式洗濯機の入荷増に対応するため、洗濯機全体での解体時間短縮に向け、2018年度は洗濯機のリサイクルラインを刷新しました。自動搬送コンベアの新設や回収物の搬送・分別の一部自動化、重くて複雑な構造であるドラム式洗濯機専用解体作業台の新設など、作業負荷の低減と安全性の向上を目指したラインを構築しました。今回の取り組みにより洗濯機リサイクルラインの平均処理時間が約20%短縮し、効率化を実現しました。

  • ※2 シャープ(株)と三菱マテリアル(株)など6社が共同で出資している家電リサイクル会社

洗濯機リサイクルラインを刷新

複写機・複合機のリユース・リサイクルを推進

シャープは、自社流通ルートおよび業界共同ルートで回収した使用済み複写機・複合機のリユース・リサイクルを進めています。また、使用済みのトナーカートリッジを回収し、新品同等の品質に再生して出荷する取り組みを進めており、設計段階からリサイクル性に配慮することで使用時の耐久性と再生時の加工時間短縮を実現しています。

海外における使用済み製品のリサイクル

<北米>

米国の生産販売会社SECは、家電リサイクル管理会社MRM※1を2007年に設立し、AV機器のリサイクルを行っています。取り組みは全米に拡大しており、使用済み製品の回収拠点を約1,400か所に設置しています。MRM社では各州法規制への適切な対応を図っており、2018年度は54,431tの使用済み家電をリサイクルしました。

  • ※1 Electronic Manufacturers Recycling Management Company, LLC  パナソニック・ノース・アメリカ、東芝アメリカ家電社との合弁会社

<欧州>

WEEE指令※2(2012/19/EU)は、EU域内に出荷した製品の回収・リサイクルなどに対する製造者責任を規定しています。欧州の各販売会社はEU域内の販売地域において、優良なリサイクル業者と協力してこの責務を果たしています。また、包装材や電池規制にも確実に対応することで、埋め立てられる廃棄物の削減にも貢献しています。

  • ※2 廃電気電子機器に関する指令

<ベトナム>

ベトナムでは、2017年にリサイクル法が導入されて以降、生産者や輸入者はベトナム国内で販売した製品に対する回収スキームの構築が義務付けられています。ベトナムの販売会社SVNはベトナム国内に開設した回収拠点で使用済み製品を回収し、適切に処理されるよう認可を受けたリサイクル業者によって適切に処理しています。

<インド>

インドでは、2016年に環境森林気候変動省(MoEFCC)によりリサイクル法(E-waste管理ルール 2016)が施行されており、製造者などは拡大生産者責任の履行が義務付けられています。インドの販売会社SBIは、インドの大手リサイクル会社「3R Recycler」と提携し、使用済み製品の適正処理を進めています。

資源循環型社会に貢献する環境技術

2018年度の目標 2018年度の実績 自己評価
再生プラスチック材料(複合素材回収PP※1)の高付加価値化(難燃化)技術開発 再生プラスチック材料(複合素材回収PP)の難燃化に関する基礎処方確立 ★★
2019年度の重点取り組み目標
  • 難燃ポリプロピレンリサイクル材の実用化技術開発
  • 自己評価 ★★★:目標を上回る成果があった ★★:目標を達成 ★:一定の成果があった

プラスチックの自己循環型マテリアルリサイクル技術を拡大

シャープは、使用済み家電製品から回収したプラスチックを新しい家電製品の部材として何度も繰り返し再生利用する「自己循環型マテリアルリサイクル技術」を関西リサイクルシステムズ(株)※2と共同で開発し、特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)が施行された2001年度より実用化しています。

金属や種類の異なるプラスチックが混在する混合プラスチックからポリプロピレン(PP)を高純度に取り出す「①:高純度分離回収」技術、回収したPP・HIPS※3・PC+ABS※4などの素材を新品材料と同等の特性に改善する「②:特性改善処方」技術を通じて再生利用可能なプラスチック量の増大に取り組んでいます。また、独自の「③:特性付与処方」技術を用いて難燃性や耐候性、抗菌性などをもつ高付加価値材料を開発し、用途拡大にも取り組んでいます。さらに、最適な品質を確保するための「④:品質管理」技術など、回収から品質管理まで一貫した技術開発を手掛けることで高品位な再生プラスチックを生成するリサイクルを実現しています。

家電4品目から回収したプラスチックの再資源化

  • ※1 主たる素材の他、金属・異樹脂などの付属が多い部品から回収したポリプロピレン(PP)
  • ※2 シャープ(株)と三菱マテリアル(株)など6社が共同で出資している家電リサイクル会社
  • ※3 耐衝撃性ポリスチレン、GPPS(汎用ポリスチレン)にゴム成分を加えて耐衝撃性を付与した樹脂
  • ※4 ポリカーボネートとアクリロニトリル・ブタジエン・スチレンのアロイ材(複数のポリマーを混合することで、新しい特性を持たせた樹脂)
  • ※5 複数の樹脂を分子レベルで均一、細かく分散させること
  • ※6 複数の樹脂を混合することで新しい特性を持たせた樹脂のこと

新たな価値を付与した再生プラスチックの開発

近年、使用済みプラスチックによる環境汚染が深刻化する中、国連では「持続可能な開発目標(SDGs)※1」が採択され、世界各国では使用済みプラスチックの資源循環に関する法整備や輸入規制が強化されるなど、さまざまな取り組みが進められています。一方、日本国内では「プラスチック資源循環戦略※2」が策定され、使用済みプラスチックのリサイクル体制が整備されつつあります。使用済みプラスチックを取り巻く社会状況は大きく変化してきており、適正な処理と再資源化の重要性はますます高まっています。

このような状況を踏まえ、シャープは再生プラスチックのさらなる用途拡大を目指す新たな取り組みとして、回収した使用済みプラスチックを新材同等に再生し、同種部品に再利用する水平リサイクルに加え、新たな価値(難燃性、耐候性、高剛性など)を付与するアップグレードリサイクル技術の開発を推進しています。

2018年度は、冷蔵庫や洗濯機、エアコンから回収したポリプロピレン(PP)に難燃性を付与する基礎技術を確立しました。これまで、電源やヒーター周りなど高い難燃性が必要な部品には、金属や高価なエンジニアリングプラスチック※3が不可欠でした。本技術の実用化により、それらの部品の代替原料として再生プラスチックを活用することが可能となるため、製品の軽量化と低コスト化、環境配慮性の向上が期待できます。今後は量産化技術の開発を着実に推進し、2019年度中の実用化を目指します。

  • ※1 2015年に国連で採択された、国際社会が持続可能な発展のために2030年までに達成すべき17の社会的目標
  • ※2 3R+Renewable(再生可能資源への代替)を基本原則に、資源・廃棄物制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化、アジア各国による廃棄物の輸入規制などの幅広い課題への対応を目指す(2019年5月31日策定)
  • ※3 機械的強度や耐熱性を向上させたプラスチック

使用済みプラスチックのリサイクル方法

再生プラスチックの使用量の推移と採用事例

再生プラスチックの使用量を拡大するため、プラスチックの種類や当社製品への採用の拡大に取り組んでいます。

2018年度には、自己循環型マテリアルリサイクル技術により開発した再生プラスチックの使用量が累計17千tに達しています(2001~2018年度実績)。

再生プラスチック使用量の推移(累計)

再生プラスチックの採用事例

水資源の有効活用

2018年度の目標 2018年度の実績 自己評価
受水量原単位改善率:20%
(基準年:2012年度)
受水量原単位改善率:15%
(基準年:2012年度)
2019年度の重点取り組み目標 受水量原単位改善率:20%
(基準年:2012年度)
  • 自己評価 ★★★:目標を上回る成果があった ★★:目標を達成 ★:一定の成果があった

シャープグループの受水量の削減と循環利用の推進

シャープは貴重な水資源を有効利用するため、受水量の削減と循環利用に取り組んでいます。2018年度のシャープグループの受水量は、M&Aなどによる対象範囲の拡大に伴い前年度比9%増加の8.5百万m3となりました。また、2012年度比の受水量原単位の改善率は15%にとどまりました。

シャープでは、水不足リスクによるビジネス継続への影響を最小化するため、世界資源研究所(WRI)が開発した評価ツール「AQUEDUCT(アキダクト)」を用いて工場の水リスクを評価しています。また、液晶ディスプレイの製造で大量の水を使用する亀山工場(三重県亀山市)や三重工場(三重県多気郡)では、工程排水を全量回収して再利用するクローズド・システムを導入しています。こうした取り組みにより、シャープグループは水の循環利用率※160%以上を維持しています。

今後も、水の有効利用に継続的に取り組むとともに、事業拡大に伴う効率向上を目指します。

  • ※1 循環利用率 = 循環利用量 ÷(受水量+循環利用量)

受水量の推移

受水量原単位の推移(2012年度基準)

水ストレスランク※2別受水量内訳(2018年度)

循環利用率の推移

  • ※2 アキダクトが地域ごとに定義
    ランク1(低リスク)~ランク5(高リスク)の5段階

地域別 水使用量・排水量内訳(2018年度)

(m3

地域 使用量 排水量
工業用水 上水 地下水 循環利用 総量 下水 淡水域 海域 総量
日本 4,527,805 810,206 506,454 14,921,464 20,765,929 589,918 1,744,203 1,552,416 3,886,537
アジア 0 886,337 11,426 71,869 969,632 449,826 150,805 0 600,631
中国 0 1,714,244 7,184 138,892 1,860,320 1,514,223 0 0 1,514,223
米州 0 5,766 0 0 5,766 5,766 0 0 5,766
欧州 0 15,904 0 0 15,904 15,338 0 0 15,338
合計 4,527,805 3,432,457 525,064 15,132,225 23,617,551 2,575,071 1,895,008 1,552,416 6,022,495
取り組み事例

「クローズド・システム」による水のリサイクル

三重工場(三重県多気郡)では、液晶ディスプレイの生産で使用する大量の水を半永久的にリサイクルする「クローズド・システム」を採用しています。 生産工程で発生した排水には化学薬品が含まれているため工場外へ放流することなく全量を回収し、微生物の力で化学薬品を分解する「生物接触ろ過」、フィルターなどでのろ過、純水製造装置での純水製造を経て繰り返し生産に使用しています。

クローズド・システムの流れ