環境ビジョン

SHARP Eco Vision 2050

長期環境ビジョン「SHARP Eco Vision 2050」

気候変動や資源枯渇、プラスチックゴミ問題など、地球規模の環境問題はさらに深刻さを増し、国際社会における重要課題として認識されています。このような中、「SDGs(持続可能な開発目標)」や「カーボンニュートラル※1」への対応、「サーキュラーエコノミー※2」の実現に向けた取り組みなど、社会課題の解決に向けた動きがグローバルで加速しています。

シャープは、1992年に定めた環境基本理念「誠意と創意をもって『人と地球にやさしい企業』に徹する」の下、2019年に長期環境ビジョン「SHARP Eco Vision 2050」を策定しました。「気候変動」「資源循環」「安全・安心」 の3つの分野で2050年の長期目標を設定し、持続可能な地球環境の実現を目指します。

「気候変動」の分野では、パリ協定の「1.5℃目標※3」を意識し、自社活動のCO2排出量のカーボンニュートラルを目指します。また、クリーンエネルギー関連製品・サービスの普及拡大を進めるとともに、製品・サービスで発生する温室効果ガスの削減に取り組みます。

「資源循環」の分野では、サーキュラーエコノミーへの取り組みとして、製品中の全ての部材にリサイクル素材を使用することに挑戦するとともに、自社活動による廃棄物の最終処分ゼロを目指します。

「安全・安心」の分野では、人と地球環境・生態系への影響が懸念される化学物質の徹底管理と消費抑制により、これらの悪影響リスクを排除します。

なお、長期環境ビジョンの実現に向け、それぞれの分野における具体的な取り組みや定量的な目標を設定した「中期環境目標」の策定を進めています。「気候変動」に関しては、
2050年の自社活動のCO2排出量ネットゼロに向け、CO2排出量を2030年までに40%削減、2035年までに60%削減という目標を掲げています。

シャープは、企業活動/環境保全活動を通じ、ステークホルダーの皆様との連携をさらに深め、社会課題の解決と企業価値の一層の向上に取り組みます。

  • ※1 温室効果ガスの排出量から吸収量を差し引いて、合計を実質ゼロにする状態。
  • ※2 廃棄された製品や原材料などを新たな「資源」と捉え、廃棄物を出すことなく資源を循環させる経済の仕組み(循環型経済)。
  • ※3 パリ協定には、世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求することが長期目標として定められている。

長期環境目標

シャープは「SHARP Eco Vision 2050」の実現に向けて、3つの分野それぞれに長期的なゴールを定め、「消費するエネルギーを上回るクリーンエネルギーの創出」および「企業活動で生じる地球への環境負荷の最小化」に取り組みます。

気候変動

シャープはこれまで、自らが消費するエネルギーの削減をはじめ、製品の省エネルギー化を進めることで、家庭や社会で消費されるエネルギーの削減に努めてきました。
また、創業者 早川徳次の「当社が出しているものは、全て電気を使うものばかり。今後、会社が大きくなればなるほど電気を使うことになるので、(電気を)作ることもしよう」という考えで太陽電池の開発に着手し、半世紀以上にわたり太陽光発電の普及にも努めてきました。

電気を使う製品を作る会社だからこそ、電気の使用で生じる環境負荷に責任を持たなければならない。

シャープは世界が目指すカーボンニュートラルの達成を支持し、自社活動をはじめサプライチェーン全体の脱炭素社会を実現すべく、2050年に向け以下の2つの目標に挑戦します。

目標
  • 自社活動のCO2排出量をネットゼロへ
  • サプライチェーン全体で消費するエネルギーを上回るクリーンエネルギーを創出

資源循環

シャープはこれまで、新しい製品を生み出すことで世の中に多様な価値を提供してきた一方で、多くの資源を使用してきました。

限りある資源の中で、全てのステークホルダーに多様な価値をいつまでも提供できるように。

シャープは「資源の有効活用」により一層努め、「最小限の資源」で「最大限の価値」を継続的に提供し、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を構築し、循環型社会を実現すべく、2050年に向けて以下の2つの目標に挑戦します。

目標
  • 製品への新規採掘資源の使用をゼロへ
  • 自社活動による廃棄物の最終処分をゼロへ

安全・安心

シャープの工場では製品製造工程においてさまざまな化学物質を使用し、また、製品にはさまざまな化学物質が含有されています。化学物質には人体や地球環境・生態系に悪影響を及ぼすものもあり、その取り扱いには徹底した管理が必要です。

シャープの企業活動が、人の健康や地球環境・生態系に悪影響を及ぼすことがあってはならない。

シャープは現行の国際基準はもとより、将来を見据えた自社基準を設定し、これらに準じた化学物質の徹底管理を行い、「化学物質が人の健康や地球環境・生態系に及ぼす影響」を排除します。

目標
  • 化学物質の適正管理で人の健康や地球環境・生態系を守る
  • ※ リサイクルをするに当たり環境配慮面で合理性のないものを除く。