CSR・環境

品質/お客様満足の向上

品質・安全性の確保

2019年度の目標 2019年度の実績 自己評価
  • グローバルブランドにふさわしい品質・環境対応を実現するため、全社横断的な取り組みをさらに深化させる
  • 社内ルール、基準を国際標準へ整合させ、またそれによる対外評価向上の取り組みを行い、国際規格に準拠したリスクアセスメントの定着等の成果を得た
★★
2020年度の重点取り組み目標
  • 長期信頼性(壊れにくさ)に加え、使いやすさや品位、その他のお客様のニーズを広く、品質と捉え、それらに配慮した製品創出に向けた取り組みを行う
  • 自己評価 ★★★:目標を上回る成果があった ★★:目標を達成 ★:一定の成果があった

品質に対する基本姿勢

シャープグループは、お客様の信頼獲得と満足向上のために、お客様のニーズと要望に応え、かつ安全性、品質、信頼性、環境に配慮したより良い製品、サービスを提供します。

品質保証体制

シャープグループは、製品の企画/設計/生産/販売・アフターサービスに関わる全ての部門に対して「お客様に保証すべき品質」を明らかにし、全員参加で品質の継続的改善に取り組んでいます。

日本国内・海外の全事業所、ならびに連結対象子会社の主要な生産拠点(全30拠点中29拠点)において品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001を認証取得しています。

また、シャープグループ独自の品質保証規格「SHARP Corporation Standards」を制定し、企画、設計、調達、生産、評価、市場など、モノづくりサイクルの各段階において、さまざまな品質保証活動を行っています。

品質方針

シャープグループは、当社の会社規程(品質保証基本規程)に定められた「品質方針」に沿って、品質目標、およびそれを達成するための品質計画を策定し実践します。

品質方針

お客様に安心・満足して使い続けていただける高品質で魅力ある商品を提供する

  1. 法規制を遵守し、安全性・信頼性を最優先する
  2. 便利で使いやすい快適さを追求する
  3. お客さまの声を真摯に受けとめ、商品に反映する

品質力強化のための取り組み

シャープグループでは、品質・環境技術向上に向けた取り組みとして、8K+5G EcosystemやAIoT、ロボットなどの新規技術、マスク生産等における品質確保を本部間で横断的に研究・改善することや、直近で発生している新製品の品質・環境に関する課題について情報共有することを狙いとした「品質・環境技術委員会」を設置し、全本部が参画して運営しています。

また、全社共通または複数の事業本部にまたがる課題については、テーマごとに各事業本部の専門家をメンバーとする「専門部会」を品質・環境技術委員会の中に設置し、早期解決を促進しています。

  • ※ 「AI(Artificial Intelligence:人工知能)」と「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」を組み合わせ、シャープが作った造語「AIoT」はシャープ株式会社の登録商標です

品質人材育成

シャープでは、品質理念に基づき、製品をお客様に安心して安全にお使いいただくモノづくりを目指して、体系的に品質教育を実施することで、品質マインドの醸成や品質技術力の向上に取り組んでいます。

特に、入社4年次までの若手社員を対象に、品質技術を段階的に修得できるプログラムを推進し、基盤教育の強化を図っています。

eラーニングシステムやTV会議システムを活用し研修の効率化を図る一方、実践力向上を狙いとした研修コースでは、工場別に集合研修を開催するなど、目的に応じさまざまな形態で研修を実施しています。

2019年度は、34コースの品質研修を実施し、12,197人の従業員が受講しました。

2019年度の研修コース数と受講者数

研修形態 研修コース数 受講者数
eラーニング学習 26コース 12,071人
集合研修 8コース 126人
合計 34コース 12,197人

製品安全性の確保

シャープ製品安全自主行動指針

シャープでは、製品の安全性確保が最も重要な経営テーマおよび企業の社会的責任の一つであるとの認識に立ち、お客様に安全・安心をお届けするため、当社が製造・販売する製品の安全性確保を最優先に取り組むとともに情報公開を進めます。その実践のために、製品安全に関する自主行動指針を定め、社会から一層高い信頼をいただけるように努めています。

製品の安全性確保の取り組み

シャープでは、製品の安全性確保のため、各国の法規制や規格の遵守にとどまらず、リスクアセスメントの考えと独自の安全基準を組み合わせ、安全性向上に取り組んでいます。この独自基準には、想定外の不具合が生じた場合にも絶対的な安全を確保するための、難燃構造や異常動作試験などに関する基準を定めており、より高い安全レベルを目指して都度改定するとともに、社内関係者への研修を行うことで、設計部門、品質部門へ安全基準の理解と浸透を図っています。

また2020年度より、製品安全に関するリスクアセスメントの裾野を広げる目的で、新たに開発したオリジナルのeラーニングコンテンツにて、リスクアセスメントの考えを広く浸透させ、より安全な製品開発に生かすべく、社内教育の充実にも取り組んでまいります。

今後も製品安全に関する法改正や社会情勢の変化に迅速に対応するとともに、お客様にシャープ製品を安心してお使いいただけるよう、取り組みを強化していきます。

新しく開発したオリジナルのeラーニングコンテンツ

問題発生時の情報開示と対応

市場において当社の製品に起因する事故が発生した際、事故情報の迅速な収集と分析により原因を調査し、お客様に被害や損害を与えるおそれがあると判断した場合には、新聞やWebサイトなどを通じて速やかに情報を開示するとともに、お客様の安全を確保するための適切な対策をとることに努めています。

消費生活用製品安全法に定められた重大製品事故については、製品起因が疑われる事故の15件※1を、シャープWebサイトの重大製品事故情報一覧に掲載しています。

  • ※1 2019年度の件数

製品事故対応の体制図

  • ※2 BRM:ビジネスリスクマネジメント

製品セキュリティ

製品セキュリティの方針と取り組み

IT技術の発展と取り扱う情報価値の増大により、ネットワークに接続される製品に関し、脆弱性を利用したサイバー攻撃による情報漏洩や製品の乗っ取りなどの危険性が高まっています。また、これまで十分と考えられていた対策についても、危殆化するまでのスピードが速まっています。

このような状況下、シャープでは、お客様に安心して当社製品をお使いいただくために、製品セキュリティ向上のための組織やレポートラインを規定し、製品の企画、開発、運用・保守の各段階において守るべきルールを整備するとともに、脆弱性情報の収集と社内での共有、社員教育の徹底により、継続的な製品セキュリティの質の担保に努めています。

特に、当社では、将来個々のシステムが相互に接続されることを見据え、またシステム相互間の接続が新たな脆弱性となる懸念があることを踏まえ、設計以前の段階からセキュリティを考慮する「セキュリティ・バイ・デザイン」の考え方を社内で共有し、製品開発に取り組んでいます。

より使いやすい製品の創出

ユーザー中心設計の取り組み

シャープでは、より使いやすい製品をお客様にお届けするために、ユーザー中心設計(User-CenteredDesign:UCD)に取り組んでいます。

UCDとは、国際規格(ISO9241-210)に基づいて、作り手がお客様の視点に立って考え、設計へ反映することで、お客様が満足する商品・サービスの提供を目指していく考え方です。この考え方に基づいたシャープ独自の「UCD基本理念」や「UCD8原則」を全社で共有し、製品開発のプロセスの中で、お客様のご不満やニーズなどを調査しながら、製品の仕様決定や設計に反映させ、評価→改善を繰り返すことで「使いやすく」かつ「魅力」を感じる製品・サービスの実現を目指しています。

お客様のご不満やニーズを調査し、モノづくりへ反映

ユーザー中心設計の取り組みの中では「使いやすさ」に関わるお客様の情報を、さまざまな方法で収集し、モノづくりに活かしています。

お客様相談センターの電話相談、訪問修理時のご意見や、アンケート/インタビュー調査、ユーザビリティテスト(お客様に実際に製品を操作いただいている様子を観察するテスト)などを通じて得た、お客様と製品の関わり方などの情報は、個人が特定できない形で開発関係者(企画、デザイン、開発、品質、営業、サービスなど)に共有され、さまざまな業務において活かされています。

試作機でのお手入れ性等のユーザビリティテストの様子

実使用環境でのユーザビリティテストの様子

voice

ユーザビリティテストなどに参加いただいた方々の声

  • 普段、無意識にお手入れをしていましたが、テストに参加することで、ユーザー目線で考えることができ、有益でした。
    (社内:50代男性)
  • 操作性に関する課題発見に加えて、思ってもみなかった操作をするユーザーがいたことも確認できました。テストを実施したことで、より良い改善ができそうです。
    (社内:商品企画担当)

ユニバーサルデザインへの取り組み

また、前述のUCD基本理念に基づいて、ユニバーサルデザイン(UD)にも取り組んでいます。UDとは、国籍や年齢・性別・障がいの有無などに関係なく、できる限り全ての人が利用可能であるように、製品・情報・環境などを作る考え方です。開発する商品・サービスを、より多くの方々に気持ちよく使っていただけることを目指して、家電製品やデジタル複合機を中心に、UD評価・調査などに取り組んでいます。

一般財団法人 家電製品協会が運用するホームページの「UD配慮ポイント」においては、当社家電製品の18品目で対応しています。(2020年6月現在)

デジタル複合機のユーザビリティテストの様子
(車いす利用者を想定)

また、このような活動を全社的に継続していくために、研修を通じた人材育成にも取り組んでいます。主に基礎知識を理解・修得することを目的とした「UD入門研修(eラーニング)」や、障がいのある方の身体的状況を疑似体験することで製品改善の必要性などの意識改善につなげていくことを目的とした「UD体験実習」を開講し、専門教育としてユーザビリティ研修体系に組み込んで実施しています。

視覚障がい体験(歩行)

視覚障がい体験(製品の使用)

高齢者疑似体験

アクセシビリティ対応への取り組み

アクセシビリティとは、高齢者や障がい者など、何らかの機能に制限を持つ方々でも製品・サービスが使いやすいように配慮することです。米国では、連邦法※1で、連邦政府の機関が機器やサービスを調達する時は、障がい者なども含めて誰もがアクセスできるものを選定することを義務づけています。当社のデジタル複合機などでは、連邦法で定められたアクセシビリティ基準に対する評価結果を製品評価シート(VPAT※2)にまとめて、米国の生産販売会社SECのWebサイトで公開しています。

  • ※1 リハビリテーション法第508条
  • ※2 VPAT:Voluntary Product Accessibility Templateの略。米国リハビリテーション法 第508 条などの基準に対して、特定製品のアクセシビリティの準拠に関して説明するもの

デジタル複合機の評価結果(VPAT)の例

取り組み事例

イード・アワード2020年「顧客満足度 最優秀賞」 を受賞

当社の電子辞書(Brainシリーズ)が、イード・アワード※32020年において「顧客満足度 最優秀賞」を受賞し、今回で9年連続の最優秀賞受賞となりました。さらに、「操作性」「検索機能」「画面の見やすさ」「閲覧性」「音声品質」「携帯性」「デザイン」「耐久性」「コストパフォーマンス」の全ての評価項目において、部門賞も受賞しました。

これまでに、お客様の声や販売店様からの情報を収集し、使用性の改善などを繰り返してきました。今後も、より多くの方々にご満足いただけるよう、製品開発・改良に努めてまいります。

イード・アワード ロゴマーク

9年連続でいただいた歴代のイード・アワードのトロフィー

カラー電子辞書 Brain(ブレーン)

  • ※3 (株)イードが運営する教育情報サイト「リセマム」にて、電子辞書を所有している中高生の保護者を対象にインターネット調査した結果

お客様満足の向上

2019年度の目標 2019年度の実績 自己評価
サービス品質向上によるお客様満足の向上 サービス品質の向上

CSマインドと修理スキル向上による

  • お客様応対満足率  82.9%
  • 初回訪問修理完了率  73.9%
★★
2020年度の重点取り組み目標 サービス品質向上によるお客様満足の向上
  • 自己評価 ★★★:目標を上回る成果があった ★★:目標を達成 ★:一定の成果があった

お客様満足(CS)への基本姿勢

<安心と満足をお届けする製品・サービスの提供>

シャープでは、常にお客様の目線で考え、お客様の立場で製品・サービスを開発・提供することを基本としています。また、当社製品を長年安心してご愛用いただけるよう「お客様の声」を製品・販売・アフターサービスの改善に活かしています。

そして「次もシャープ、ずっとシャープ」と、継続して当社製品・サービスを選んでいただけるよう、これからもお客様満足(CS)を追求していきます。

  • ※ Customer Satisfaction

アフターサービス推進体制

シャープでは、お買い求めいただいた製品の使い方がわからない場合や、万が一製品に不具合が発生したケースを想定したアフターサービス体制を整えています。

お客様相談部門・販売会社サービス部門を中心に、海外拠点を含めたシャープグループが連携しお客様にご満足いただける、高品質で“迅速・確実・安心な”サービスを提供するための取り組みを推進しています。

体制図

修理サービス体制(日本国内)

日本国内の家電製品の修理サービスは、シャープマーケティングジャパン(株)カスタマーサービス社が担当しています。全国各地に91か所※1のサービス拠点を設置、地域に密着し高度な技術力を備えたサービスエンジニアがお客様に常にご満足いただける修理サービスが提供できるよう「お客様の笑顔が私の喜び」を行動スローガンに掲げ、全社を挙げてお客様目線でのサービス活動を実践しています。修理受付は、365日体制※2を整備。特に洗濯機・冷蔵庫・エアコンなどの生活必需品のトラブルには一刻も早いサービス提供に努めています。

  • ※1 2020年6月現在
  • ※2 地域により稼働日数が異なります

お客様アンケートの実施(日本国内)

当社(日本国内)では出張修理でお伺いしたお客様にアンケートはがきをお配りし、受付から修理完了までの一連の応対についての調査を実施しています。

また、お客様の利便性向上を図るため、2017年度からはWebによるアンケート調査を開始。はがきと合わせ、年間15万件以上のお客様からご意見をいただいています。

今後もお客様からいただいた貴重なご意見やご指摘内容を詳細に分析し、サービスの仕組みづくりやモノづくりに活かしていきます。

アンケートはがき
サービス員の印象に関する評価「良い」の推移

Voice

新型コロナウイルス感染対策によるお客様の声(日本国内)
~お客様の不安に応える修理サービスの提供~

お客様に寄り添う相談対応

<お客様相談窓口の取り組み>

当社製品に関するさまざまなご相談にお応えしている「お客様相談窓口(日本)」では「お客様に寄り添うサポート」に努めています。

スマートフォンの普及により、電話問い合わせを行う前にサポートサイトをご覧になられるお客様は増加しており、お困り事をいつでも解決できる様、サポートサイトのコンテンツ充実に取り組んでいます。

よくある質問の他に、別売品の案内、動画を活用した操作案内、製品の故障診断、Web修理受付など様々なコンテンツの掲載を行い、また、チャットボットやLINEを使ったサポート(問い合わせの自動回答)も開始しています。

多様化するお客様のニーズに対応し、利便性向上を図ることで、お客様にご満足いただけるよう、今後も取り組んでまいります。

お客様相談件数推移(日本国内)

<お客様相談窓口の安定運営>

多発する集中豪雨などの自然災害、昨今の新型コロナウイルスの流行等、お客様相談窓口を安定的に運営するには厳しい環境になっています。

非常事態発生時にも継続した相談窓口業務が行える様、複数の拠点に分散して相談窓口を配置し、お互いの業務を補完できる仕組みの構築を図ることでBCP対策を行っています。

サービス力の向上(アジア)

取り組み事例

メンテナンスの質・効率向上によるサービスコールの削減

ビジネスソリューション事業本部の主力商品であるデジタル複合機は、画質や性能維持を目的とした定期メンテナンスを必要としますが、過剰に実施した場合 サービスコストの上昇やサービスマンが忙し過ぎて清掃が不十分になる等 メンテナンスの質低下につながります。一方不足した場合、画質や性能の低下によるサービスコールの増加やそれに伴うお客様満足の低下につながる等、バランスが重要です。

アジア地域では、各国のサービス責任者が お客様ごとの製品の使用状況やサービスコールの頻度・内容等をサービス履歴から抽出・分析し、必要なメンテナンスを適切なタイミングで行うよう計画し、サービスコールの削減を徹底しています。

結果、右表の通り、平均故障間隔(MCBF)を向上させることに成功するとともに、お客様満足の向上につながっています。

今後もお客様満足の向上、さらには複合機の販売拡大のため、サービス技術力やサービスマネンジメント力向上を積極的に推進していきます。

  • ※ MCBF (Mean Cycle (複合機の場合はCopy) Between Failure) = トータル印刷枚数 / サービスコール件数
    良いサービス(メンテナンス)を提供する事で、サービスコールの減少につながるとともに印刷枚数も増加するため、MCBFを向上させることができ、お客様満足の向上につながります。
取り組み事例

インドネシア離島でのサービスキャラバン(移動修理)の実施

インドネシアは13,000を超える大小の島々で構成されており、その広い国土・島で分断されたエリアを隅々までカバーするためインドネシア業界No.1である400拠点を超えるサービス網を構築しています。2011年からはサービス活動のさらなる充実のために、SMSS(SHARP Mobile Service Station)と銘打った移動サービス車を導入し、サービス拠点から離れたエリアにSMSSが出向いて出張修理を実施しており、2019年ではSMSSのサービス実績は年間 約1,000件にのぼっています。また、このトラックは販売イベント時の製品展示を行ったり、CSR活動時には図書を準備し地域の子供たちの学習補助を行うSMLS(SHARP Mobile Learning Station)としての一役も担い多岐にわたって活動しています。