人材戦略/人材育成/人事制度

人材戦略

人材戦略

シャープグループは経営理念において、人材に対する考え方を「会社に働く人々の能力開発と生活福祉の向上に努め、会社の発展と一人一人の幸せとの一致をはかる」と明示しています。この理念を実現するため、中期経営計画(2025年度~2027年度)において、持続的な事業拡大を支える成長基盤として、“人”への投資を拡大することを掲げています。

中期経営計画(抜粋):“人”への投資の拡大

“人”への投資を拡大の画像

具体的には、AI/デジタル人材やグローバル人材などの「成長を支える人材の育成・獲得」に注力し、また全社員を対象とした研修を拡充し、組織力の向上を図ります。さらに、働き方や職場環境、福利厚生など、「多様な人材が活躍できる環境づくり」に取り組み、従業員エンゲージメントの向上に努めます。

これらの取り組みを通じて、社員の能力開発と挑戦を強力に後押しし、一人ひとりの可能性を最大限に引き出すことで、持続可能な収益構造の確立を図り、社会に貢献する企業を目指してまいります。

成長を支える人材の育成・獲得

シャープグループが事業を推進し持続的に成長していくためには、技術およびマネジメント分野において優秀な人材を確保することが必要であると考えています。この考え方のもと、新たな人材獲得のために新卒採用を推進しています。また新規ビジネスを狙えるコア人材を確保するためにキャリア採用を推進しています。

そして企業としての総合力を高めるための取り組みの一環として、各種の人材育成プログラムを準備し従業員に提供しています。従業員一人ひとりの能力の「質の向上」や「幅の拡大」を狙いとした育成プログラムにより、若手社員から次世代リーダーの育成等の取り組みを行っています。

多様な人材が活躍する環境づくり

シャープグループは「多様な人材が活躍する環境づくり」を目指し、従業員の挑戦や個性を引き出す風土の醸成に努めています。従業員の多様性や能力を活かせる環境を整え、すべての人材が最大限に力を発揮できる組織を目指しています。また、安心で健康な職場づくりを重視し、従業員の健康増進の強化、福利厚生の充実を推進しています。

これらの環境整備により従業員のエンゲージメントを高め、企業の成長と競争優位性を確保していきます。

人材育成

2024年度の目標 2024年度の実績 自己評価 2025年度の重点取り組み目標
  • 次世代の人材育成に向けた教育体系の拡充
  • 新規事業創出マインドを引き出すための風土づくり
  • 育成プログラムの拡充
    若手優秀人材選抜研修(シャープリーダーシッププログラム)開講
    次期経営幹部の人材像策定
  • 新規事業提案活動の継続実施
    新規事業提案会の開催/スタートアップ研修の開講
★★
  • AI/デジタル人材の拡充
  • 次世代の人材育成に向けた教育体系の拡充
自己評価:
★★★ 目標を上回る成果があった
★★ 目標を達成
★ 一定の成果があった

多彩な人材育成プログラム

シャープの総合力を高めるための取り組みの1つとして、各種育成プログラムを用意しています。

従業員一人ひとりの能力の「質の向上」や「幅の拡大」を狙いとした多彩な育成プログラムにより、若手社員の育成、次世代リーダー人材の育成、グローバル人材の育成、個の能力向上等のさまざまな取り組みを行っています。

人材育成プログラム(日本国内)

図解

階層別人材育成

階層別研修では、それぞれの節目で必要な知識やスキル、マインドを身につけるため「内定者研修」や「新入社員研修」「若手社員研修」を実施しています。またマネージャー昇格前には「マネージャー昇格候補者研修」を実施し、計画的にマネジメント力の強化を図っています。今後は特にミドルマネジメントおよび若手人材に焦点を当てて階層別研修の拡充を進めます。各階層での研修の実施によりキャリア自律を促し、社員の主体的な成長を支援することで、マネジメント層と若手人材の強化を目指します。

次世代経営幹部人材の育成強化(シャープリーダーシッププログラム)

持続的成長に向けて、次世代経営幹部人材の育成強化を目的とした「選抜型研修」を実施しています。当社の将来の飛躍的成長フェーズを牽引する次期経営幹部の人材像を策定の上、体系的に育成するプロセスの構築を目指しています。

育成施策においては、リーダーシップに必要なマインドやスキルをeラーニングと集合研修を組み合わせたブレンデッド・ラーニングにて提供したり、アルムナイを形成するなど、効果的で継続的な学びの場づくりにも積極的に取り組んでいます。

AI/デジタル人材の拡充

シャープグループは、事業の競争力を強化するため、AI/デジタル人材の育成と獲得を急務と位置付け、これらの人材の拡充に力を入れています。

具体的には、技術者のリスキリングプログラムを導入し、強化すべき技術分野を特定して、対象となる技術者への講義やeラーニング学習を実施します。また、社員のAIスキル・知見の底上げを図るため、生成AIの基礎知識習得から始め、eラーニングなどにより段階的なレベルアップを推進します。さらに、高度専門人材の獲得に向けて、競争力のある柔軟な処遇設計を進めています。

2024年度実績 目標
AI・デジタル技術者数 1,600人 2027年度までに3,200人とする
  • シャープ株式会社および国内関係会社のデジタル関連技術の延べ保有者数。

グローバル人材の育成

シャープグループは、海外事業強化に向けてグローバルに活躍できる人材の確保が不可欠であると考えています。そのため、適性ある人材に対する研修やローテーション・OJT(海外出向・海外出張経験等)を効果的に活用しながら、当社の海外事業拡大に貢献できる人材の育成を図るとともに、海外事業経験豊富な人材の積極的な採用もあわせて推進します。

なお、当社では、グローバルビジネスの推進に必要となる語学力の向上に向け、全従業員対象の「基礎型」、選抜者対象の「集中型」の2種類の支援コンテンツを語学学習機会として提供しています。「基礎型」では、いつでもどこでも学習ができるシステムに加え、語学学習に関するカウンセリングサービスも提供しており、個人の学習ニーズをきめ細かく支援しています。

新規事業創出マインドの醸成

全従業員が新たな事業の創出やイノベーションに積極的に挑戦するような風土づくりを目指し、その取り組みの一環として、新規事業提案活動を推進しています。

新規事業提案会では、アイデア創出につながるトレーニングを提供し、提案を促す取り組みを行った上で、全社から幅広く提案を公募し、全社大会を開催しています。

全社大会進出チームには、提案をブラッシュアップするためのトレーニングを提供し、活動を支援しています。

「強い個」を育てる人事・教育研修制度(自己啓発型研修)

シャープグループは「強い個を育てる」という考え方の基、ビジネスを行う上での基本的な知識や専門性を学ぶための環境づくりに取り組んでいます。「個々人がいつでも、どこでも、主体的に学ぶ」ことを通じて、事業に精通したプロフェッショナル人材の育成を図っています。これらについては、従業員が自宅のパソコンや自身のスマートフォンを使って、いつでもどこでも簡単に学習ができるeラーニング環境を整えており、自己啓発による従業員の能力向上を積極的にサポートしています。取り組みを継続的に実施することにより「教え合い、学び合う風土づくり」を行い、人材の育成・強化を通じ「強い会社へ変革」を目指しています。

学びの環境づくり

強い個を育て、強い会社に変革

全社勉強会(技術系・マネジメント系)

全社の知識を共有することを狙いとして、2種類の勉強会を開催しています。
「技術系勉強会」は、重点技術領域の情報共有を目的に、技術動向や全社での取り組みについての解説を行う内容で、「マネジメント系勉強会」は、各種管理スキルの習得を目的に、ビジネススキルについて解説を行う内容です。いずれも就業時間内に開催するとともに、録画視聴も可能とし、学びやすい場づくりを行っています。

技術専門研修・管理力向上研修

「技術専門研修」では、個々人の専門性(技術力)を向上・深化させる各種の取り組みを推進しています。主に若手技術者を対象に技術の基礎を学ぶ「基礎力向上セミナー(eラーニング)」、技術分野を特定して実践的で業務に直結する内容を取り上げる「技術ワークショップ」や「技術者交流会」を開催しています。全社的な技術力の強化に向け、事業や製品の枠を超えた技術ノウハウの共有や、若手社員への技術伝承・育成に取り組んでいます。「管理力向上研修」では、全従業員が知っておくべきビジネスの基礎知識やスキルを習得するための自己学習コースを開講しています。

2024年度の自己啓発型社内研修の受講状況(国内連結、正社員)

項目 受講人数、時間
対象者数 15,761人
受講者数(ヘッドカウント) 1,801人(受講率11.4%)
延べ受講者数 9,299人
総学習時間数 28,918時間

集計対象:全社勉強会、管理力向上研修、専門研修、シャープランゲージアカデミー

能力開発と意欲向上につながる人事制度

等級制度

仕事の内容や役割、責任の大きさに応じて等級・処遇を決定する「役割等級制度」を導入しています。役割や成果に応じてスピーディに昇級できる制度設計とし、優秀人材の抜擢、登用を進めています。

人事評価制度

会社業績と個人評価に連動した賞与/昇給制度により、成果を上げた従業員に報いる仕組みとしています。

公正な評価を実現するために、全従業員に対して期初・期中・期末の節目ごとに上司との評価面談を実施し、目標の進捗や貢献度・成果などについて互いに確認しています。評価結果は、半期ごとに評価理由とともに本人へフィードバックすることで、次への成長につなげています。

社内公募制度

新規事業の立ち上げなどに必要な人材をシャープグループ内から募集する社内公募制度を設け、社内人材を有効に活用するとともに、従業員のキャリア開発を促進しています。

人事申告制度

従業員が自己のキャリア開発計画や仕事の適性などを申告し、これに伴う上司との面談結果も含めてデータベース化することにより、本人のキャリア志向や現在の状況を把握し、人材育成に活用しています。

ステップアップ・セルフアップ運動(資格取得奨励施策)

従業員の成長支援の一環として、専門分野や日常業務に直結した必須資格に加え、語学スキルなど約200資格を対象に、取得の難易度に応じた奨励金を支給しています。