品質・安全性に関する取り組み

品質・安全性の確保

2023年度の目標 2023年度の実績 自己評価 2024年度の重点取り組み目標
  • 世界のお客様に良いと認識していただける品質に向けて、信頼性確保の取り組みに加え、商品/ブランドの価値を高める取り組みの強化(目標継続)
  • 製品セキュリティに関する脆弱性情報開示ポリシーを公開し、シャープ公式HPでの脆弱性情報収集を開始
  • 障がいのある方々とのワークショップなどを含めた、アクセシビリティ強化の取り組みを開始
★★
  • 世界のお客様に良いと認識していただける品質に向けて、信頼性確保の取り組みに加え、商品/ブランドの価値を高める取り組みの強化(目標継続)
自己評価:
★★★ 目標を上回る成果があった
★★ 目標を達成
★ 一定の成果があった
品質理念 品質スローガン

品質に対する基本姿勢

シャープグループは、お客様の信頼獲得と満足度向上のために、上記の「品質理念」および「品質スローガン」のもと、お客様のニーズと要望に応え、かつ安全性・品質・信頼性に配慮したより良い製品・サービスの提供に向けて継続的に取り組んでいます。

品質保証体制

シャープグループでは、代表取締役社長の監督の下、全社品質担当部門がグループ全体のガバナンス/支援を行い、各事業本部/関係会社が個々の製品に対する責任を持つ体制を取っています。全社機能部門と事業部門が連携し、継続的に品質改善を行っています。

シャープグループの品質保証体制

組織図

品質マネジメントシステム

シャープグループでは、企画、設計、調達、生産、評価、市場などモノづくりサイクルの各段階における、さまざまな品質保証活動を推進するために、ISO9001に基づく当社独自の品質マネジメント規定として、品質保証に必要な体制や手法を定めた品質保証規格(SS:Sharp Corporation Standard )を制定し、日本国内・海外の全事業所ならびに設計・生産・販売を行う連結対象子会社に徹底しています。

この規格を適宜見直して運用することにより、製品の企画、設計、生産、販売・アフターサービスに関わる全ての部門に対して「お客様に保証すべき品質」を明確にし、全員参加で品質の継続的改善に取り組んでいます。

当社では全42拠点中40拠点が品質マネジメントシステムの認証※1を取得、取得率は95.2%です(2024年4月末現在)。

モノづくりのサイクルにおける品質保証活動

図解:お客様と弊社ものづくりのサイクルの関係性

品質方針

シャープグループでは、当社の会社規程(品質保証基本規程)に定められた「品質方針」に沿って、品質目標およびそれを達成するための品質計画を策定し、PDCAを回しながら目標達成に向けて取り組んでいます。

品質方針

お客様に安心・満足して使い続けていただける高品質で魅力ある商品を提供する

  1. 法規制を遵守し、安全性・信頼性を最優先する
  2. 便利で使いやすい快適さを追求する
  3. お客様の声を真摯に受けとめ、商品に反映する

品質力強化に向けた取り組み

シャープグループでは、品質技術向上に向けた取り組みとして、代表取締役社長を委員長、各事業本部長/関係会社社長を委員とする「全社品質会議」を設置しています。同会議は、品質に関する年度目標の策定や設定した品質KPI※2に対する進捗確認と目標達成に向けた活動状況を委員相互で確認し、全社として品質力強化に向けて改善取り組みを推進しています。

また、同会議傘下に具体的な品質施策を協議する場として各本部品質責任者による「全社品質戦略推進会議」を開催するとともに、全社共通または複数本部にまたがる課題については、テーマごとに各本部の専門家をメンバーとする「専門部会」を設置し、早期解決を促進しています。

全社品質会議の体制

組織図
  • ISO9001や車載機器のIATF16949、医療機器のISO13485など。
  • Key Performance Indicator:主要業績評価指標。
  • 事業本部格の関係会社。

品質人材育成

品質人材育成

シャープグループでは、品質理念に基づき、製品をお客様に安心して安全にお使いいただくモノづくりを目指して、体系的に品質教育を実施することで、品質マインドの醸成や品質技術力の向上に取り組んでいます。

特に、入社4年次までの若手社員を対象に、品質技術を段階的に修得できるプログラムを推進し、基盤教育の強化を図っています。

QC実務研修体系

図解
  • On the Job Training.
  • Off the Job Training.
  • Quality Control(品質管理)。

シャープグループでは、教育の目的に応じて、さまざまな形態で研修を実施しています。まずはeラーニングシステムやTV会議システムの活用により研修の効率化を図っています。また、実践力向上を狙いとする研修コースでは、事業本部/関係会社別に集合研修を開催しています。2023年度は、合計34コースの品質研修を実施し、延べ9,186人の従業員が受講しました。

2023年度の研修コース数と受講者数

研修形態 研修コース数 受講者数
eラーニング学習 23コース 8,505人
集合研修 11コース 681人
合計 34コース 9,186人

製品安全性の確保

シャープ製品安全自主行動指針

シャープでは、製品の安全性確保が最も重要な経営テーマおよび企業の社会的責任の1つであるとの認識に立ち、お客様に安全・安心をお届けするため、製造・販売する製品の安全性確保を最優先に取り組むとともに情報公開を進めます。その実践に当たって、製品安全に関する自主行動指針を定め、社会から一層高い信頼をいただけるように努めています。

製品の安全性確保の取り組み

シャープでは、製品の安全性確保のため、各国の法規制の遵守や第三者による工場検査を含んだ安全認証の取得にとどまらず、リスクアセスメントの考えと独自の安全基準を組み合わせ、安全性向上に取り組んでいます。この独自基準には、想定外の不具合が生じた場合の安全確保のため、難燃構造や異常動作試験などに関する基準を定めており、より高い安全レベルを目指して都度改定しています。また、社内関係者への研修を行うことで、設計部門、品質部門へ安全基準の理解と浸透を図っています。

2020年度からは、製品安全に関するリスクアセスメントの裾野を広げる目的で、eラーニングによるスキルアップ講座の開設のほか、リスクアセスメント推進担当者を各事業本部に設置し、より安全な製品開発に向けてリスクアセスメント体制の強化に取り組んでいます。

今後も製品安全に関する法改正や社会情勢の変化に迅速に対応するとともに、お客様にシャープ製品を安心してお使いいただけるよう、取り組みを強化していきます。

リスクアセスメントの強化に向けた取り組み

リスクアセスメント推進担当者・一般社員の取り組み

問題発生時の情報開示と対応

市場において当社の製品に起因する事故が発生した際、事故情報の迅速な収集と分析により原因を調査し、お客様に被害や損害を与えるおそれがあると判断した場合には、新聞やWebサイトなどを通じて速やかに情報を開示するとともに、お客様の安全を確保するための適切な対策を取るよう努めています。

「消費生活用製品安全法」に定められた重大製品事故については、当社の製品安全自主行動指針に基づき製品起因が疑われる事故に関する情報を、シャープWebサイトに掲載しています。

製品事故対応の体制図

図解
  • BRM:ビジネスリスクマネジメント。

製品セキュリティの方針と取り組み

IT技術の発展と取り扱う情報価値の増大により、ネットワークに接続される製品に関し、脆弱性を利用したサイバー攻撃による情報漏えいや製品の乗っ取りなどの危険性が高まっています。また、これまで十分と考えられていたセキュリティ対策についても、技術の進歩などにより相対的に万全とは言えなくなるまでのスピードが速まっており、各国で製品セキュリティに関する法整備も急ピッチで進められています。

このような状況下、シャープでは、お客様に安心して当社製品をお使いいただくために、製品セキュリティ向上のための組織体制やレポートラインを整備し、製品の企画、開発、運用・保守の各段階において守るべきルールを規定しています。さらに、脆弱性情報開示ポリシーに基づいた情報収集を行い、それらの脆弱性に対するリスクの最小化を図っています。また、従業員の教育に関しては、eラーニングによる学習プログラムを導入しており、製品セキュリティに関する知識やスキルを向上させる取り組みを実施することで、継続的な製品セキュリティの質の担保に努めています。

特にシャープでは、将来個々のシステムが相互に接続されることを見据え、またシステム相互間の接続が新たな脆弱性となる懸念があることを踏まえ、設計以前の段階からセキュリティを考慮する「セキュリティ・バイ・デザイン」の考え方を社内で共有し、製品開発に取り組んでいます。これらの取り組みにより引き続き製品セキュリティの向上に努め、お客様に安心してご利用いただける製品を提供してまいります。