人権に関する取り組み

人権に関する取り組み

人権に関する基本方針

シャープは国連グローバル・コンパクトに参加し、ILO条約などの人権・労働基準に関する国際的な原則に沿った取り組みを推進しています。

人権に関する基本方針として「シャープグループ企業行動憲章」および「シャープ行動規範」に、基本的人権と個人の尊厳を尊重すること、差別的な取り扱いや人権侵害を行わないこと、児童労働・強制労働を認めないことなどを定め、従業員に徹底しています。加えて、シャープグループの人権尊重に関する基本的な原則とコミットメントを示す文書として「シャープグループ人権方針」を定め、すべてのステークホルダーに対して平等で公正な取扱いを保証し、人権侵害のない持続可能な社会の実現を目指しています。

人権に関する教育・研修

国内のシャープグループでは、新入社員やキャリア採用者はまず入社研修時に「シャープグループ企業行動憲章」および「シャープ行動規範」を通じ、シャープの人権に関する考えを学びます。

各事業所では「人権研修」を毎年実施し、継続して人権啓発活動を行っています。2024年度は各種ハラスメントの防止などをテーマとしたオンライン研修、eラーニングなどを実施しました(全社で計17回、延べ約14,995人が受講)。

また、2024年度に国内シャープグループ全従業員を対象に施した「シャープ行動規範に基づくコンプライアンス学習」では、労働・人権分野の重要なテーマとして「強制労働の禁止」

シャープグループ企業行動憲章(抜粋)

あらゆる事業活動において、基本的人権を尊重し、差別的な取扱いや人権侵害行為をしません。
また、児童労働、強制労働を認めません。

シャープ行動規範(抜粋)

  1. あらゆる事業活動において基本的人権および個人の尊厳を尊重し、また人権侵害に加担しません。万一、事業活動や商品・サービスが人権への悪影響を及ぼしていることが判明した場合は適切に対処します。
  2. 児童労働およびあらゆる形態の強制労働を認めず、また、その実効的な廃止を支持します。
  3. 採用や報酬、昇進、研修の機会等の雇用慣行を含むあらゆる企業活動において、国籍、人種、民族、財産、肌の色、性別、健康状態、妊娠、性的指向、年齢、配偶者の有無、宗教、信条、社会的身分、家柄、身体的特徴、心身における障がいの有無、政治上の意見等による差別となる行為を一切行いません。
  4. いやがらせ、侮蔑、言葉による虐待、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント等、非人道的な行為や言動を一切行いません。
  5. 国際基準および適用される法令に基づき、報復・脅迫・嫌がらせ等を受けることなく、結社する自由、労働組合に加入する自由、抗議行動を行う自由、労働者評議会等に加わる自由等の従業員の権利を尊重し、配慮します。

「差別の排除/ハラスメントの禁止」「労働時間」「若年労働者」「賃金および福利厚生」「結社の自由」を取り上げ、シャープ(株)、国内の子会社等、労働組合など17,938人を対象に実施し、17,352人が受講(受講率:96.7%)しました。海外においても「シャープグループ企業行動憲章」「シャープ行動規範」「シャープグループ人権方針」および現地の法令などに基づいて、各拠点で人権に関する取り組みを推進しています。

また、人権デュー・ディリジェンス取り組みの一環として、ILO条約などの国際的な原則に即した「RBA行動規範」に基づく自己評価調査や監査の実施を通じて、生産工場の人権に関する遵守状況を継続的に確認しています。

英国においては、2015年に施行された英国現代奴隷法(The UK Modern Slavery Act 2015)に基づいて、強制労働や人身売買の未然防止に向けたステートメントを開示しています。また、豪州においても「現代奴隷法」に基づく適切な報告を行っています。

労使関係

従業員の権利の尊重と対話を重視した労使関係

シャープは各国・各地域の法令に基づいて、従業員の団結権と団体交渉権を尊重しながら労使の信頼関係の強化を図っています。

シャープ(株)では、労働組合との間で締結している労働協約において、労働組合が労働三権(団結権、団体交渉権、団体行動権)を保有することを認めています。

また、同労働協約では、労使幹部が対話する「中央労使協議会」や事業所/関係会社ごとの労使協議会などの労使協議の場を定期的に設定することを定めるとともに、労使が経営状況や職場環境に関する課題について意見・情報交換を定期的に行っています。また、組合員の労働条件に影響を及ぼす事項については、事前に協議することとしています。

賃金・労働条件については、従業員とその家族の生活水準維持に向けて、ILOなどの国際的な人権規範の考え方を尊重し、最低賃金法や労働基準法などの国内法を遵守することに加えて、シャープ労働組合およびその上位団体である電機連合の求める方針について労働組合と誠実に協議し、賃金および労働条件を設定しています。また、国内シャープグループでは各種の福利厚生制度を導入し、従業員とその家族が安心して生活を送れるよう支援しています。

なお、シャープ(株)と国内連結子会社における労働組合員比率は約77%(2025年3月31日時点)です。

欧州では、汎欧州の経営状況や課題を確認するために「欧州労使協議会」を毎年開催し、また中国では待遇などの決定につき工会(日本の労働組合に相当)と協議し、より良いパートナーとして協調的な労使関係の構築を目指して取り組んでいます。

  • 非組合員である管理職を含めた従業員に対するシャープグループ労働組合連合会に加入する組合員の比率(シャープ労働組合はシャープグループ労働組合連合会に加盟)。

職場のハラスメント防止

基本的な考え方

職場におけるハラスメントは、労働者の個人としての尊厳を不当に傷つける、社会的に許されない行為であるとともに、労働者の能力の有効な発揮を妨げ、また、会社にとっても職場秩序の維持や業務の遂行を阻害し、社会的評価に悪影響を与える問題として捉えています。

ハラスメントに関する相談には迅速・公平に対応し、ハラスメントとして禁止される行為に該当する場合は、就業規則に則って懲戒処分を行います。

<ハラスメントとして禁止する行為>

  • セクシュアルハラスメント
  • 妊娠・出産・育児・介護等に関するハラスメント
  • パワーハラスメント

ハラスメントの未然防止と相談窓口

ハラスメントの未然防止や、万一ハラスメントが起きてしまった場合の対応について、マネージャーを含む国内全従業員を対象としたeラーニングなどの研修を実施しています。2024年度は13,359人が受講しました。

職場のハラスメントに関する通報・相談窓口として「ハラスメント相談窓口」を全国拠点に設置し、ハラスメントが発生した場合には、即座に対応できる体制を整えています。また、コンプライアンスをはじめとする職場の諸問題に関する総合相談窓口「クリスタルホットライン」でも受け付けています。

相談窓口は、シャープの従業員およびシャープで働く派遣労働者、お取引先様の従業員等が利用することができます。

さらに「ハラスメントへの対応に関する要綱」を整備し、相談者に対していかなる不利益な取り扱いも行わないことや、相談者の同意なく相談者の特定につながる情報を一切開示・漏えいしないことなど、適正な運用となるようにルールを定めています。