人権に関する取り組み
人権に関する取り組み
人権に関する基本方針
シャープは国連グローバル・コンパクトに参加し、ILO条約などの人権・労働基準に関する国際的な原則に沿った取り組みを推進しています。
人権に関する基本方針として「シャープグループ企業行動憲章」および「シャープ行動規範」に、基本的人権と個人の尊厳を尊重すること、差別的な取り扱いや人権侵害を行わないこと、児童労働・強制労働を認めないことなどを定め、従業員に徹底しています。
加えて、シャープグループの人権尊重に関する基本的な原則とコミットメントを示す文書として「シャープグループ人権方針」を定め、すべてのステークホルダーに対して平等で公正な取扱いを保証し、人権侵害のない持続可能な社会の実現を目指しています。
人権に関する教育・研修
国内のシャープグループでは、新入社員やキャリア採用者はまず入社研修時に「シャープグループ企業行動憲章」および「シャープ行動規範」を通じ、シャープの人権に関する考えを学びます。
各事業所では「人権研修」を毎年実施し、継続して人権啓発活動を行っています。 2025年度は各種ハラスメントの防止などをテーマとしたオンライン研修、eラーニングなどを実施しました(全社で計15回、延べ約13,337人が受講)。
また、2025年度に国内シャープグループ全従業員を対象に実施した「ESGに関する学習」では、企業活動による人権への影響や配慮すべき人権リスク等について取り上げ、シャープ(株)および国内の子会社等17,908人を対象に実施し、14,552人が受講(受講率:81.3%)しました。
シャープグループ企業行動憲章(抜粋)
また、児童労働、強制労働を認めません。
シャープ行動規範(抜粋)
- あらゆる事業活動において基本的人権および個人の尊厳を尊重し、また人権侵害に加担しません。万一、事業活動や商品・サービスが人権への悪影響を及ぼしていることが判明した場合は適切に対処します。
- 児童労働およびあらゆる形態の強制労働を認めず、また、その実効的な廃止を支持します。
- 採用や報酬、昇進、研修の機会等の雇用慣行を含むあらゆる企業活動において、国籍、人種、民族、財産、肌の色、性別、健康状態、妊娠、性的指向、年齢、配偶者の有無、宗教、信条、社会的身分、家柄、身体的特徴、心身における障がいの有無、政治上の意見等による差別となる行為を一切行いません。
- いやがらせ、侮蔑、言葉による虐待、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント等、非人道的な行為や言動を一切行いません。
- 国際基準および適用される法令に基づき、報復・脅迫・嫌がらせ等を受けることなく、結社する自由、労働組合に加入する自由、抗議行動を行う自由、労働者評議会等に加わる自由等の従業員の権利を尊重し、配慮します。
海外においても「シャープグループ企業行動憲章」「シャープ行動規範」「シャープグループ人権方針」および現地の法令などに基づいて、各拠点で人権に関する取り組みを推進しています。
また、人権デュー・ディリジェンス取り組みの一環として、ILO条約などの国際的な原則に即した「RBA行動規範」に基づく自己評価調査や監査の実施を通じて、生産工場の人権に関する遵守状況を継続的に確認しています。
英国においては、2015年に施行された英国現代奴隷法(The UK Modern Slavery Act 2015)に基づいて、強制労働や人身売買の未然防止に向けたステートメントを開示しています。また、豪州においても「現代奴隷法」に基づく適切な報告を行っています。
労使関係
従業員の権利の尊重と対話を重視した労使関係
シャープは各国・各地域の法令に基づいて、従業員の団結権と団体交渉権を尊重しながら労使の信頼関係の強化を図っています。
シャープ(株)では、労働組合との間で締結している労働協約において、労働組合が労働三権(団結権、団体交渉権、団体行動権)を保有することを認めています。
また、同労働協約では、労使幹部が対話する「中央労使協議会」や事業所/関係会社ごとの労使協議会などの労使協議の場を定期的に設定することを定めるとともに、労使が経営状況や職場環境に関する課題について意見・情報交換を定期的に行っています。また、組合員の労働条件に影響を及ぼす事項については、事前に協議することとしています。
賃金・労働条件については、従業員とその家族の生活水準維持に向けて、ILOなどの国際的な人権規範の考え方を尊重し、最低賃金法や労働基準法などの国内法を遵守することに加えて、シャープ労働組合およびその上位団体である電機連合の求める方針について労働組合と誠実に協議し、賃金および労働条件を設定しています。また、国内シャープグループでは各種の福利厚生制度を導入し、従業員とその家族が安心して生活を送れるよう支援しています。
なお、シャープ(株)と国内連結子会社における労働組合員比率※は約74%(2026年3月31日時点)です。
欧州では、汎欧州の経営状況や課題を確認するために「欧州労使協議会」を毎年開催し、また中国では待遇などの決定につき工会(日本の労働組合に相当)と協議し、より良いパートナーとして協調的な労使関係の構築を目指して取り組んでいます。
- 非組合員である管理職を含めた従業員に対するシャープグループ労働組合連合会に加入する組合員の比率(シャープ労働組合はシャープグループ労働組合連合会に加盟)。
職場のハラスメント防止
基本的な考え方
職場におけるハラスメントは、労働者の個人としての尊厳を不当に傷つける、社会的に許されない行為であるとともに、労働者の能力の有効な発揮を妨げ、また、会社にとっても職場秩序の維持や業務の遂行を阻害し、社会的評価に悪影響を与える問題として捉えています。
ハラスメントに関する相談には迅速・公平に対応し、ハラスメントとして禁止される行為に該当する場合は、就業規則に則って懲戒処分を行います。
<ハラスメントとして禁止する行為>
- セクシュアルハラスメント
- 妊娠・出産・育児・介護等に関するハラスメント
- パワーハラスメント
ハラスメントの未然防止と相談窓口
ハラスメントの未然防止や、万一ハラスメントが起きてしまった場合の対応について、マネージャーを含む国内全従業員を対象としたeラーニングなどの研修を実施しています。2025年度は12,517人が受講しました。
職場のハラスメントに関する通報・相談窓口として「ハラスメント相談窓口」を全国拠点に設置し、ハラスメントが発生した場合には、即座に対応できる体制を整えています。また、コンプライアンスをはじめとする職場の諸問題に関する総合相談窓口「クリスタルホットライン」でも受け付けています。
相談窓口は、シャープの従業員およびシャープで働く派遣労働者、お取引先様の従業員等が利用することができます。
さらに「ハラスメントへの対応に関する要綱」を整備し、相談者に対していかなる不利益な取り扱いも行わないことや、相談者の同意なく相談者の特定につながる情報を一切開示・漏えいしないことなど、適正な運用となるようにルールを定めています。
安心して働ける職場環境づくりに向けたハラスメント防止の取り組み
英国の販売拠点であるSBSUKでは、安全でインクルーシブかつ互いに尊重し合える職場環境の構築を重要な課題の一つと位置付けています。2025年6月には、すべての従業員が安心して働ける環境を整備し、不適切な行動から従業員を保護することを目的に、セクシュアルハラスメント防止方針を導入しました。本方針では、ハラスメントを容認しない姿勢を明確にするとともに、従業員が懸念事項を報告したり、必要な支援を求めたりするための分かりやすい手順を示しています。また、不適切な行動を受けた、または目撃した従業員が安心して声を上げられるよう、適切かつ配慮ある対応につなげる体制を整備しています。方針の理解促進と実効性向上を図るため、SBSUKでは全従業員を対象とした必須研修を実施しました。本研修では、セクシュアルハラスメントの定義や職場における具体的な事例、不適切な行動の認識と防止、懸念事項の報告手続き、オンライン上での適切な行動などについて学ぶ機会を提供しています。さらに、管理職が職場における基準の確立、問題の未然防止、発生時の適切な対応において重要な役割を担うことを踏まえ、管理職向けの追加研修も実施しました。SBSUKは、明確な方針、実践的なガイダンス、対象者に応じた教育を通じて、すべての従業員が安心して働き、尊重され、声を上げやすい職場文化の醸成を進めています。これらの取り組みを通じて、従業員を支援し、誰もが前向きに働ける職場環境の維持・向上に継続的に取り組んでいます。
人権デュー・ディリジェンスの推進
推進体制
シャープグループは、代表取締役 社長執行役員CEOを委員長とするサステナビリティ委員会の責任の下、ESG部門・人事部門をはじめ、調達部門およびコンプライアンス部門等と連携して人権尊重の取り組みを推進しています。
ESG部門は、人権デュー・ディリジェンスの設計・運用・モニタリング、方針・施策の検討および情報開示を主導しています。また、人事部門は、従業員の労務対応を所管するとともに、人権に関する社内方針の整備や教育・周知を推進しています。
調達部門は、サプライヤーに対する行動規範の運用や責任ある調達活動を通じて、サプライチェーンにおける人権リスクの把握、防止・軽減に取り組んでいます。コンプライアンス部門は、通報対応などの救済措置の運用、法令・規制への対応、重大案件への助言等を通じて、人権リスクへの対応を支援しています。
人権影響評価等により特定された人権課題への軽減・是正措置の検討など、人権尊重に関する重要な課題については、ESG部門を事務局として関連部門において検討し、必要に応じてサステナビリティ委員会に報告・議論します。また、取締役会で審議・監督が必要な事項については、取締役会へ報告する体制としています。
人権デュー・ディリジェンスの実施
シャープでは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」や「責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス」等に基づき、定期的に事業活動による人権への影響の特定、負の影響の防止・改善策の検討・実施、情報開示を行っています。
人権リスクの特定・影響評価
シャープは、事業活動およびサプライチェーンにおいて人権への負の影響が生じ得る領域を確認し、主な人権リスクとして13項目を特定しました。特定にあたっては、事業領域、事業活動地域、当社固有のリスクの観点からリスクを整理し、発生可能性および深刻度を総合的に評価したうえで、優先的に対応すべき課題を検討しました。
評価にあたっては、RBA SAQおよびVAP監査結果、業界活動を通じた知見、政府や業界団体が発行する企業向け人権対応のガイダンス等を参照しています。
今後、ステークホルダーとの対話を実施する予定です。特定した主な人権リスクについては、関係部門と連携しながら対応状況を継続的に確認するとともに、サプライチェーンにおける人権リスクの把握、救済メカニズムの周知、従業員および取引先への教育・啓発を強化していきます。また、事業環境や社会的要請の変化を踏まえ、優先課題および対応策を定期的に見直していきます。
ステークホルダーエンゲージメント
シャープは、労働組合との対話、取引先とのコミュニケーション、地域社会との対話、投資家・NGO・外部専門家との意見交換等を通じて、人権リスクに関する外部視点の把握に努めています。これらの対話を通じて得られた意見や課題認識は、人権デュー・ディリジェンスの設計、優先課題の見直し、救済メカニズムの改善に反映していきます。
特定したリスクと負の影響
| 人権リスク項目 | 想定される負の影響例 | ステークホルダー | 当社の取り組み | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 自社従業員 | サプライヤー 従業員 |
お客様 | 地域社会 | |||
| 児童労働・若年労働者の保護 | 法定年齢未満の就労、若年労働者の危険業務従事、就学機会の阻害 | ● | ● | 人権に関する取り組み | ||
| 強制労働・人身取引 | 離職・移動の自由の制限、採用手数料の負担、身分証明書の不当な預かり | ● | ● | 人権に関する取り組み | ||
| 差別・ハラスメント | 属性等を理由とする不利益な取扱い、職場や取引・サービス提供時のハラスメント | ● | ● | ● | ● | 職場のハラスメント防止 |
| コンプライアンスに関する通報窓口 | ||||||
| 労働時間・休息・休日 | 長時間労働、過度な時間外労働・連続勤務、休息・休日の不足 | ● | ● | ワーク・ライフ・バランスの取り組み | ||
| 労働安全衛生 | 労働災害、化学物質・設備等による健康被害、安全教育・保護具の不足 | ● | ● | 安全衛生および健康増進活動の推進 | ||
| 賃金・福利厚生 | 最低賃金の未確保、割増賃金の未払い、不適切な賃金控除 | ● | ● | 労使関係 | ||
| 環境・地域社会への影響 | 化学物質の流出、排水・排気・廃棄物等による地域住民の健康・生活環境への影響 | ● | ● | ● | 環境活動 | |
| DE&I・機会均等 | 年齢、性別、国籍、障がい等への配慮不足による不利益や参画機会の制限 | ● | ● | DE&Iマネジメントの展開 | ||
| 製品安全・健康への影響 | 製品事故、含有化学物質情報の不十分な開示、健康に影響を及ぼす製品・サービスの提供 | ● | ● | 製品に含有される化学物質の管理 | ||
| 製品安全性の確保 | ||||||
| テクノロジー・AI活用に伴う人権影響 | AI・データ活用による差別的判断、不透明な判断、利用者への不利益 | ● | ● | コーポレートR&Dの取り組み | ||
| 情報セキュリティ・プライバシー | 個人情報等の不適切な取得・利用・提供・漏えい、プライバシー侵害 | ● | ● | ● | ● | 情報セキュリティ |
| 腐敗・汚職 | 贈収賄、不適切な利益供与、不正取引への関与 | ● | ● | ● | ● | あらゆる形態の腐敗防止、寄付金などの適正処理 |
| 救済へのアクセス | 通報・相談窓口の利用困難、申立て後の不利益、適切な是正・救済の不足 | ● | ● | ● | ● | サプライチェーン全体でのCSR推進 |






